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ごっこ遊びは大切な学び 〜アメリカの実践的教育 その②〜

こんにちは、EDUBALアンバサダーのErinaです。今回は4月27日に投稿した第一弾に続いて、アメリカの実践的教育のお話の第二弾!当時、アメリカ現地校ミドルスクールに通っていた長女が、学校の授業で取り組んだプロジェクトの体験談を綴ります。どうかお付き合いください!

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PBLってなに?

長女の通っていたミドルスクールでは、6年生〜8年生が在籍しており、7年生のときからPBLという授業が選択科目にありました。PBLとは、プロジェクト・ベースド・ラーニングの略。さまざまな課題や目標が設定されたプロジェクトを通して、単に知識を深めるだけでなく、問題提議や問題解決能力を養うことを目的とした授業です。いわゆる課題解決型の学び。PBLは、近年日本の多くの学校でも取り入れられるようになってきました。

フードトラック

その授業で、娘が取り組んだプロジェクトのひとつが "Food Truck" というものでした。フードトラックと聞いたら、何を思い浮かべますか?イベント会場やお祭りなどにあるアレ。そうです、軽食やドリンクを提供する屋台のことです。それをみんなでやってみよう!というプロジェクト。なんだか聞いただけでも楽しそう。

生徒たちは、まず二人一組のペアになります。ペアワーク、グループワークもまたアメリカでは、非常に一般的な学習スタイル。ペアと一緒にどんなお店にするかを考えます。ただ好きなお店を作るのではなく、きちんと利益の出せるお店であることが条件です。それというのも、最後にはお客さんを相手に商品を販売するからです。まず、どんなお店がよさそうかペアの子といくつか候補を出した娘は、クラス全体やまわりの家族にGoogle Formでアンケートを実施。これには私も回答しました。質問はどれも選択肢から選ぶというもの。

質問① どんな食べ物(飲み物)のフードトラックだったら行ってみたい?
質問② どの価格帯なら買いやすい?
質問③ 質問①で選んだ商品に、どんなトッピングがあったらうれしい?

このアンケートですが、言うなれば企業がやる市場調査のようなもの。事前にリサーチすることで、どういう商品を消費者が求めているか、どの価格帯なら購入が望めそうか、商品にどんな工夫(付加価値)を施すと、より売上アップを期待できるかなどを知ることができます。うーん、とても本格的。

アイス屋さんに決定!

アンケートの結果、娘たちのペアはアイス屋さんをやることに決定。お店の名前を決めるところからはじまり、お店の認知度を高めるためのツール(ロゴ、ちらし)の作成やメニューづくり、価格設定などをしました。メニューづくりには、使用する材料と原材料の調査が必要。きちんと利益を出せるか計算もしなければなりません。先生にも見てもらい、妥当な価格であるかのアドバイスをもらいます。

画像制作ソフトで作成したお店のロゴ

娘はこの手のビジュアルを作るのが、とても好き。ロゴの色の組み合わせはどう?イラストのテイストは、お店の雰囲気に合ってると思う?など、いろいろ私にも聞いてくれました。何度も試行錯誤や調整を繰り返して作成。地道な時間のかかる作業ですが、非常に楽しそうに取り組んでいました。

お店のメニュー

いよいよ本番当日

娘はアイスのトッピングとカップやスプーンなどの資材担当だったので、本番前日に一緒にスーパーへお買い物。トッピングはミニサイズのオレオクッキー、スプリンクル、M&M’sのチョコレートなど。アレルギーにも配慮して、きちんとナッツ類の入ってないことを、成分表示を確認しながら購入。
当日は、コロナ禍で保護者の立ち入りが制限されていたこともあり、先生や他の学年の生徒たちがお客さんとなり、それぞれの屋台が開店。娘たちのアイス屋さんは、大盛況でまたたく間に品切れになったそうです。(相方の子が盛り付け方がかなりダイナミックだったから、という説もある。)

たいせつな社会勉強

お店屋さんごっこは、小さい頃は誰もがする遊びなので、おそらくワクワクしながら取り組んでいた子が多かったのではと推察します。少なくとも娘は楽しそうでしたし、一緒に買い出しなどの手伝いをした私も、とても楽しかったです。

授業のプロジェクトではあるものの、こうやって起業の疑似体験をすることで、社会の仕組みも勉強でき、ビジネスをはじめるにあたってのタスクや課題も見えてきて、目標を達成するにはどんなステップを踏めばよいか、どんな問題が起こりうるか、その問題をクリアするにはどんな方法があるかなど、いろんな側面から物事を見る練習にもなったのではないかなと思いました。それを抜きにしたとしても、中学校の楽しい思い出のひとつとして、十分貴重な経験ができたと思います。アメリカの実践的教育、サイコーです!!