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未来志向のまちづくり

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生野区の課題をコツコツ解決する積み上げ型ではなく、「こうなったらいいな」という未来から逆算して、今やるべきことを推進していく。区長としての考えや、役立つ情報を綴っていきます。
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記事一覧

学校跡地を核としたエリアリノベーション、最初の一歩〜もと御幸森小学校の学校びらき〜

 学校再編に取り組んだ、生野区長としての5年間。ある時期、再編で悩んでメンタルやられそうな時に、サンボマスターのこの歌をやたら聴いてました。  まさに「できっこない」と思われるミッションに、チームで向き合った日々でした。  今日、再編して2年目の学校の保護者の方に会ったんですが「学校どうですか?」と尋ねたら 「こどもは友達が増えただけで、特に変わりないです」  と返ってきて、そう言えば生野区長になってすぐの頃に別の区の小中一貫校の校長に話を聞きにいった時も同じこと言わ

未来志向のまちづくり〜5年間のふりかえり〜

 生野区のみなさん、こんにちは!  3月号の広報紙の連載で、この3月末で5年の任期を終え、次年度より港区長になることをご案内しました。  そしてこの5年間、生野区のまちの目指す理想を掲げ、現実とのギャップを埋めるための「未来志向のまちづくり」に取り組んできたことを書きました。  広報紙の字数ではとても足りず、詳しく知りたい方のためにnoteのリンクをQRコードで掲載しました。  「未来志向のまちづくり〜課題最先端エリア•生野区の挑戦〜」と題した動画を生野区役所の公式Y

「がもよん」まちある記~古民家再生×飲食店でまちを変える~

  先日、蒲生四丁目でエリア活性化をしている「がもよんにぎわいプロジェクト」代表の和田欣也さんの案内で、まち歩きをしました。  生野区の「空き家シンポジウム」にお越しいただき、その際に教えていただいたことを実際に目で見ることができました。  「がもよんモデル」のエッセンスはこちらのインタビュー動画でも↓ 生野区のイベントでは段取りもろもろが悪く、ご参加のみなさんにご迷惑をお掛けしました。本当に申し訳ないところでありましたが、和田さんは気持ちよくまちを案内してください

オンデマンドバスに乗ろう~最先端のMaaSが生野にキタ!~

 3月30日から生野区の西部地域と平野区で、大阪メトロによるオンデマンドバスの社会実験が始まっています。  この文章の結論を先に言うと 「いろいろと文句言いたいのはわかるけれど、とにかく乗ってください!」 ……の一言です。この乗り物には、超高齢化社会と持続可能でSDGsな未来に貢献する可能性があるんです。 「敬老パスなら50円で乗れるのに」って言われると辛いですし、そこは政策的な判断が要ります。社会実験でエリアの狭い対象に対し、敬老パスのように税負担を最初からするわけ

まちのチカラを「見える化」しよう!

 挨拶が回ってきた時、「もう、泣きそうで、たぶん、泣くけど」と前置きして、伝えました。  「行政ができること、区長としてたった4年でできることなんて、それほど無いんです。この2日間、これだけのボランティアがまちのために動き、つながり、もともとあった生野のまちの力が『見える化』されて、あぁ、もうこのまちは大丈夫だな、すごいな、と思いました。感謝しかないです」  ……なんか最後の方、言えてたかわかりませんが、久しぶりに悔し涙でも悲しい涙でもなく。「うれしい涙」があふれました。

生野区長として思うこと~住民投票を終えて~

 「大阪市を廃止し特別区を設置することについての住民投票」が11月1日に行われ、5年前と同じく僅差で反対票が上回り、大阪市は現在の形で存続することになりました。  私は行政の人間ですので、賛否については完全に中立であり、選挙事務を滞りなく完遂する責任がある(正確には参与として見守る)のみです。あと、投票率の向上にも責任がありますので、市民として大事な一票をムダにしないでほしいという願いで啓発はしてきました。  よって、私の発言や発信は「賛成・反対」のどちらでもなく、生野区

『ポートランド ーー世界で一番住みたい街をつくる』山崎満広/学芸出版社

今まで長々と本のレビューをインスタで書いていたのを、noteに変更することに。  「世界で一番住みたいまち」。自分のまちをそうしたいと思わない、まちづくり関係者はいないだろう。それって、どんなまち?と思って、この本を手に取った。  ポートランドが実現している「20分圏コミュニティのライフスタイル」を引用するので、生野区のみなさんに読んでほしい。 「車を使わず、徒歩や自転車、またはバスやライトレールを使って20分以内の範囲に仕事場があり、買い物ができ、 レストランやバー

「未来志向のまちづくり」~H30年3月区政会議より~

学校再編と生野区のまちづくりについて、新聞記事などもろもろ出ています。学校再編にかかる、平成25年からの議論の経過はこちらにありますので、ご参照ください。 https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000475670.html 私が区長になった時には、数年間の議論の蓄積があった上で「再編を白紙に戻すべき」「早く再編をしてほしい」という対極の声がある中での、引き継ぎでした。 この語りは、区長になって1年、生野のまちについて学び、地域