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「がもよん」まちある記~古民家再生×飲食店でまちを変える~

  先日、蒲生四丁目でエリア活性化をしている「がもよんにぎわいプロジェクト」代表の和田欣也さんの案内で、まち歩きをしました。

 生野区の「空き家シンポジウム」にお越しいただき、その際に教えていただいたことを実際に目で見ることができました。

 「がもよんモデル」のエッセンスはこちらのインタビュー動画でも↓

  生野区のイベントでは段取りもろもろが悪く、ご参加のみなさんにご迷惑をお掛けしました。本当に申し訳ないところでありましたが、和田さんは気持ちよくまちを案内してくださいました。ありがとうございます!

古民家とは関係ないですが、商店街にあった謎自販機にみんなでチャレンジ。
私は200円でカニカマとコンニャクが2つも出てきました(笑)。

 事務所からスタートして、ちょっと行くだけで素敵なお店が見つかります。まずは「salon de the Tea shot」さん。

築80年を超える古民家のリノベーションとは思えません。お父様が書家だったとのことで、作品がインテリアになじんで和洋と新旧の混在した魅力的な空間でした。そして憧れの3段ティースタンド……娘と絶対に行きます……。

ざっと紹介していただいたのが、

 日本酒好きをそそる「割烹かもん」さん 

 おしゃれな空間でティラミスやエスプレッソを楽しめる「amaretto」さん

家具や照明がめちゃくちゃステキでした!

 廃棄される糸を再生してニット文化を広げる「ニッティングバード」さん

「マニアック長屋」と呼ばれる長屋をぶち抜いた工場で作業されてました。今度、極太の毛糸で腕編みのワークショップをお願いしたいです!

 野菜を売るだけでなく野菜食べ放題のメニューも展開する「八百屋食堂まるも」さん

「炒めてもしゃきしゃきのままですよ」と、オススメされたモヤシを買いました!

 中華とは思えない空間で気分がアガる「蒲生中華 信」さん

メニューもバラエティに富んでいて普段遣いもおもてなしもイケます!エビチリ食べに来たい。

 こっちはますますおでん屋と思えない「蒲生おでん 笑月 wazuki」さん

2軒目にこんなお店が近くに欲しい。

  ……どのお店も古民家リノベーションの懐かしさを活かしながら個性的で、「ちゃんとプライベートで来よう!」とワクワクするお店ばかりでした。

 和田さんが「胃袋は一つだから、数軒回って『今度はあの店に行こう』とまた来たくなる店がたくさんあるテーマパークのようなまちにしたい」とおっしゃっていたそのもので、これでも閉まっていたお店も多く半分も回れていません。

 さて、実際に食事にお邪魔したうちの1軒「Pizzeria e Trattoria Scuore」さん。古民家の中に薪で焼くピザ窯がどん!

一気に焼き上げる皮パリパリ(でもふっくら)のピザが美味しかったです!

 そして「今日はいいナスが入ったんですよ」と作ってくださった、とろけるナスのピザやトマトソースのラザニアっぽいパスタが至福の味でした。

近くにピザの普段遣いできる美味しいイタリアンがあるのいいなぁ……。


 その間にもコミュニティスペースや「がもよんファーム」を案内していただき、まちに埋め込まれた半公共的な空間の役割も感じました。生野のまちにもあるけれど、まだ有機的につながってないのかもしれません。今月号の広報紙は『居場所』特集なのでご注目~(ついでに宣伝)

 何より、和田さんが「一番がもよんを楽しんでいる」姿が印象的でした。仕掛けるわくわく感、店や人やまちや変える喜びにあふれていましたし、「『がもよんモデル』って言うけど、ちゃんと儲かる仕組みなのにみんながやらない理由がわからないんですよねー」とニコニコしながらも鋭い指摘が数々ありました。

 ダサい行政や企業の視察でありがちなのが「勉強になりました!」って言って帰って行って、何もしないことなんですよね。できることは取り入れてさっさとやってしまえばいい。

 ちなみに大阪市の行政区は不動産投資ができませんので、学校跡地活用の道筋をつけたり、塩漬けの市有地を動かしたりしてきました。区長公募に再度応募して合格していますが、論文でも「未利用地活用」をテーマにしています。

 できない理由よりやる理屈、民地の活用については地主、建築士、店主が意思を一致すれば一気に進むと思います。そこにパブリックマインドを持った地主さんや、まちにどんな飲食店や機能を埋め込むかのコーディネーターがいれば、より集中的に統一感のあるエリアリノベーション(エリアに集中的に店舗を埋め込むことによる価値向上)が図れます。

 詳しくはこの本で!空き家利活用するなら、行政として声を大にしたい「耐震」についてもしっかり書かれています。

 がもよんのまちづくりは、同業種を乱立させない和田さんのプロデュース力と、「店主同士でみんな仲良くなれるから商売しやすい」と言える店主コミュニティの育成がポイントだと感じました。実際、自分のお店を閉めた後に仲間のお店で食事をする姿もあり、そこが情報交換の場にもなっています。

 すれ違うまちの人や店主のみなさんに和田さんが「元気?お店、入ってる?」「今度、どんな店がこのまちに欲しい?」と自然に声をかけて回り、がもよんの情報が集まりつなぐ役割をしている「ハブ」であり「コーディネーター」であるのを目の当たりにしました。

 また、地元の小学生ががもよんのお店にインタビューして書いたポスターを何か所かで見かけ、「職住一体のまち」ならではの教育の効果も感じます。これは、生野区でも実践をしている学校があります。

心身の悩みに合わせて作ってくれる「ハーブティーと香りのお店 &shu」さん
蒲生あんぱんが売りの「焼きたてパン R&B」さん

 最後に、生野区でもちょこっとやりかけてた「ご近所ツーリズム」が楽しめそうで一度ツアーを組んでみたい。

 特別に和田さんが案内してくださった、戦国武将がテーマの「宿 本陣 幸村」を貸し切りで「がもよん・まち遊び&学びツーリズム」をやりたいと思っています!

アーティストの墨絵がド迫力!映えます!
そしてなぜかドンジャラ装備(笑)!

 なにせコロナが収まらないとできないのですが、真剣に生野のまちの未来を「誰かに何かしてもらう」のではなく、自分でチャレンジする人たちと宿を起点に飲食店をハシゴし、買い回り、頭をフルに使って「遊びに来たくなる、店舗の経営が成り立つ、住みたくなる」まちづくりについて語れる機会をつくる予定です。

 和田さん、「がもよん」のご案内ありがとうございました!

 

《追伸》生野区のエリアリノベーションを本気で考えたい方には、1月29日(土)に開催予定の「エリア版生野区シティプロモーションオープン会議」へのご参加をお待ちしています。

 鶴橋駅~大阪コリアタウン~桃谷駅のエリアが熱い!「がもよんにぎわいプロジェクト」に学んだことも活かし、まちの未来を語りましょう。