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他人の夢がぼくの背中を押した

一応断っておくと、この記事を書いているのは昨年のTABIPPOスタッフ。
今年のスタッフの運営したBackpackFESTAにお客さんとして参加したため、その感想をここに書こうと思う。

2月24日に参加したのに、「今更?」と思ったかもしれない。
けど、今年のスタッフが活動の振り返りをしていたのをきっかけに書きたくなった。しかし、あまり現役スタッフの振り返り時期と被せたくなかったので、あえてこの時期にした。

過去と未来のTABIPPO学生スタッフには、少しでも読んでもらえたら幸いです。

正直、今年のBackpackFESTAに行く気はなかった。
尼崎までの遠さもあったし、現時点でおれの関心は旅には向いていなかったし、TABIPPOスタッフからの勧誘で失礼な態度を取られたという理由があった。

けど、こう列挙した中には確かに「嫉妬」もあった。

去年は新型コロナの感染真っただ中。
通常は会場を借り切って行われていたBackpackFESTAはオンライン開催に。そんな異常な事態の中、みんなで四苦八苦して開催にまで漕ぎ着けた。
でも、そこには抱き合うとか称え合うといった、これまでのスタッフがやりがいにあげていた「輝き」は鈍っていて、手にした感覚はなかった。
それを手にできる今年のスタッフが羨ましかった。

それをわざわざ感じに行く必要もないと思っていたというのも、正直な理由の一つ。
でも、去年同じくスタッフだった友達に背中を押されて結局行くことに。

そうして決意し、チケットを手にして会場に向かうことに。
その道中で、携帯にニュースが入り衝撃の一文が目に飛び込んだ。

「ロシア軍がウクライナに侵攻開始」

このニュースを見た時、「旅で世界を、もっと素敵に」がどこか皮肉めいているように思えた。

そんな深刻な事態を裏目に、会場は楽しげな雰囲気に包まれていた。
もしかしたら、今日のイベントに必死でそんなニュースすら耳に届いていないのかもしれない。

少なくとも、自分は「そんなこと放っておいて目の前のイベントに熱中だ!」と思えるほど、気が軽い方ではない。ずっと頭の中に残り続けていた。
こうしている間にも、ウクライナへの侵攻は進んでいる。
平和が崩れている場所がある。
なのに、それに目を向けずに謳歌することに罪悪感を覚えていた。

そして、ついに開演を迎えた。
続々とお客さんが入っていく。
「もしかしたら、去年はぼくらもこんな光景を見ながらドキドキしていたのかもしれないな」と思いながら、前の人の流れに沿って席に着いていく。

そして、ライトダウン。
司会者の軽快なトークでBackpackFESTAの幕が開く。

TABIPPOの社長であるしみなおさんが登壇。
開催にあたっての思いを話していた。
「2年ぶりにこうして会場で開催することが出来た」
この言葉が、ぼくには引っ掛かった。
去年のオンライン開催には触れなかった。
あれだけのスタッフが前例のない事態の中、開催に漕ぎつけたのにその話はないのか?

もしかしたら、運営としては失敗だったかもしれない。
それでも、そのオンライン開催に触れないのは、去年のスタッフの努力があまりにも報われない。

この言葉と開催前の一件で、すでに来た価値を失いかけていた。
やっぱり行かないのが正解だった。

ーーー
ーー


しかし、その後。
思いもよらない形で、一方的ではありながら出会いを果たした。

DREAMというコンテスト。
世界一周への熱い思いをこのコンテストでぶちまけて、優勝したら本当に世界一周できるというイベントだ。

去年はこのイベントにはお手伝い程度にしか関わっていないが、このイベントに懸ける情熱は間近で見てきた。
あのまっすぐな目は忘れてはいけない。
忘れたら、何か大切なものを失いそうだ。
そう思ったのを覚えている。

今年のプレゼンも興味惹かれるものが多かった。
出来るなら、他の会場でのプレゼンも見たかったほどに。
その中でも、興味以上に熱いものを感じたプレゼンターがいた。

その人は、ライターになりたいという夢を持っている。
元々書くのが好きだそうで、noteを毎日投稿しているそうだ。

ぼくと同じだ。
ぼくも最近書くことが好きだということに気づき、以前まで毎日更新を続けていた。
しかも、彼女自身もHSS型HSPだという。
まさか、ここまでの共通点が見つかるとは…。

彼女の発表がまだ序盤にも関わらず、すでにちょっと感動した。

そんな彼女の夢は、世界一周を経て自分が見たものを一冊の本にまとめることだそうだ。大舞台に緊張しながらもひたむきに、かつ情熱的に夢を語る姿に胸を打たれた。

こうして、noterでHSS型HSPな彼女の大きな夢への想いを聞き遂げた。

その瞬間、遠いウクライナの有事も、さっきまであった後悔も、風に乗ったように飛んで行った。

「これだけ共通点のある人が大きな夢を語っている。なら、自分も夢を語れそう」。そう思えるようになった。
そして、目の前には果てしなく広い草原が広がっていた。

以前の記事で語った夢。
「今苦しんでいる人の一助になりたい」
この夢を語れるようになったのは、間違いなく彼女のプレゼンがきっかけだった。

このnoteが本人に届くか分からないけど、ここで感謝を伝えたい。
ありがとう。おかげで、少し将来の方向が見えてきた。

最初は本気で来た意味がないと思っていた。途中で帰ることも考えた。
けど、少なからず、BackpackFESTAがぼくにHSS型HSPの彼女と出会う機会をくれた。これに関しては、本当に来た甲斐があった。

ここに一人、BackpackFESTAで夢を見つけた人がいる。
だからこそ、BackpackFESTAには誰かの背中を押したり、誰かの目の前を照らす力があると確信できる。
これからもこのイベントが繫栄し、より多くの人の可能性を見出せるようになれることを勝手ながら祈っている。

あなたのサポートがぼくの執筆の力になります!本当にありがとうございます!