葛 （クズ）



マメ目、マメ科、クズ属の蔓性植物。




この花の香りが私は花の中では最も好きだと
思う。甘くて上品なその香りにはうっとりと
させられる。


犬の様にクンカ、クンカと鼻を鳴らして
その美しい香りを目を瞑って楽しむ。

この植物は花も香りが良いが、根に含まれて
いる澱粉質（デンプン）から菓子も作られる。
この根から採れる良質な澱粉を粉にしたのを
葛粉 （クズコ） と呼んで、それを水に解いて
作るのが葛餅 （クズモチ） となる。

日本に昔からある和菓子のひとつ。

もうひとつ、この葛の活用法であるが、漢方
でもある。葛根湯（カッコントウ）の名称の
生薬である。風邪のひき始めの時の首や背中、
腰などの身体の凝りをほぐしてくれると同時
に血行促進の作用もある。

薬といえば、昔はこんな風に薬包されている
ものが主流であった。私の子供の頃はこれ、
知る人ぞ知る、古き良きもののひとつと思う。
ノスタルジックな昔の人の知恵のカタチ。

薬包、折鶴よりは、ずっと簡単である。

和名　葛 （クズ）
　　　台湾葛 （タイワンクズ）
洋名　プエラリア （PUERARIA）
学名　プエラリア モンタナ 
　　　（PUERARIA MONTANA）
分類　マメ目、マメ科、クズ属
種類　多年生蔓植物
草丈　２０〜３０m
開花　晩春〜夏
花寸　５０〜６０ｍｍ
原産　日本 （奄美大島、沖縄諸島）
　　　中国、朝鮮、台湾
言葉　活力
　　　根気
　　　努力
　　　治癒
　　　芯の強さ
撮影　兵庫県川西市