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小判草


小判草 (コバンソウ)



イネ目、イネ科、コバンソウ属の植物。


お父さんと、小さな娘さんが虫取りに来てて
娘さんは虫取網をバンバン振り回している。
追いかけているのはシジミチョウ相手なのに
そのスイングはちょっとキツすぎると遠目に
見てても思う。


お父さんは、ただ、付いてきているだけで
スマホの画面ばかりを見てて、娘さんの方は
見てはいない様子。それでもこうして河川敷
に一緒に来てるだけでもマシな方なのかも
知れない。


シジミチョウは上手いこと逃げおうせたみたい
で女の子には悪いけど、ちょっとホッとした。
あのフルスイング虫取網の技術を見ると虫籠に
も優しく入れてあげる器量はまだ身については
いなさそうだから。


先程、私が撮影していた小判草の辺りの草むら
の中を女の子が覗き込んでいる。映画トトロで
見た様なシーン。じーっと自然の中に何かを
見つけそれの様子を観察している様である。

どうやら女の子は小判草に気がついた様であり
お父さんを見上げて訊いているのに、どうやら
生返事を返している様子。なんか、可哀想だ。


子供は自然の中の色んな物に好奇心を膨らませ
それをひとつひとつ知っていく事で、モノを
知るという事に喜びを覚える。学校で教わる事
より自分で知りたいと思う探究心を大人が上手
に支えてやれば色んな世界の、色んな可能性は
無限に拡がっていく。


私の母は植物の名を訊くとほぼ100%近く
その植物の名を教えてくれた。これは私には
とても大きな価値を生んでくれた様に思う。
あれがなければこのブログは存在していない。


そんな新しいものに興味を示した女の子だが
赤の他人の私が口を出す事ではないのだが
女の子の好奇心に対しての父親の反応に少し
残念な気持ちが残った日曜日の午後の出来事
だった。



和名 小判草 (コバンソウ)
   大揺草 (オオユレグサ)
   俵麦 (タワラムギ)
洋名 ビッグ クエイキング グラス
   (BIG QUAKING GRASS)
   ノッディング イザベル
   (NODDING-ISABEL)
学名 ブリザ マキシマ
   (BRIZA MAXIMA)
分類 イネ目、イネ科、コバンソウ属
種類 一年生植物
草丈 10〜70cm
開花 夏〜秋
花色 緑
花径 10〜50mm
原産 ヨーロッパ
渡来 明治時代(観賞用に渡り、帰化した)
言葉 大金持ち
   心を揺さぶる
   熱心な議論
   素朴な心
撮影 淀川河川敷



洋名のクエイキングは揺れる、ノッディングは
頷くを意味する。日本での大揺草の名にもある
通り、細すぎる茎先に大きな花が吊り下がる為
少しの風でも、これは面白いほど大暴れする。
なのでこの名がついた。


イネ科植物で、この緑が花であり、そのまま
茶色になったものは実となる。振ってやると
音がするので子供の楽しいオモチャにもなる。
と、言うのを私が父親ならあの女の子に教え
たろうにな、と思うのである。



『雑草という名の植物はない』
小判草はこのシリーズにあげた植物のひとつ
となっている。

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