イーゴン
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【名曲セレクション25】セヴンティーン/矢舟テツロー
ピチカート・ファイヴの88年の「ベリッシマ」は全ての渋谷系の始祖とされる。しかし意外とその内容は暗く、まるで憂鬱な男の自画像。小西康陽本人が描き直したこのカバーアルバムは、そのコンセプトをより鮮明に示した。矢船テツローが歌うセヴンティーン
【名曲セレクション24】坂道/折坂悠太
歴史的名盤、折坂悠太のアルバム「平成」の一曲目。低空を飛ぶグライダーが斜面をゆっくりと滑り降りてゆく。まるでそれは優雅な墜落、諦めと楽観、抽象化した無意味な景色を横目に、いつかまた会おうと角を曲がってしまった僕たちの時代の歌。「坂道」。
【名曲セレクション23】I'll Be Anything/ellie
1997年リリース、ellieの超名盤アルバム「Bitch In Zion」に収録されたソウル・R&Bの名曲「I'll Be Anything」。発売当時はインディーズで超売れてたけど今はサブスクにも無くてCDも中古のみ。私の人生で、このアルバムしか聴いてなかった冬が一回ある。
【名曲セレクション22】bottoⅧ/野口文
2023年の夏にリリースされた野口文という天才の「botto」という11曲のアルバムが素晴らしくオルタナティブの塊。その8曲目の「bottoⅧ」が特にキュートでファンキーでロック。ジャズとクラシックを飲み込んだ宅録BECKに再会したような感覚。まだ大学生。
【名曲セレクション21】LOVEずっきゅん(カバー)/長谷川白紙
相対性理論の2008年リリースのアルバム「シフォン主義」収録の名曲「LOVEずっきゅん」を長谷川白紙がカバー。独特なノスタルジーと醒めた雰囲気の原曲とは打って変わって、鬼才の過呼吸を間近で見ているような緊張感のある美しい再構築。
【名曲セレクション20】東京アイドルフェスティバル2013/大森靖子
東京アイドルフェスティバル2013に異物のように登場した大森靖子のパフォーマンス5曲、ニコ生コメント付き。冷笑してたアイドルオタを一曲ごとに飲み込んでゆく圧巻のステージ。新宿→over the party→ハンドメイドホーム→君と映画→さようなら。
【名曲セレクション19】Love Me Or Leave Me/Nina Simone
ニーナ・シモンは言わずと知れたジャズ、R&Bの偉大なシンガーだが、同時に卓越したバッハ弾きでもある事がこのピアノ演奏でわかる。同い年で同時代に活躍したグレン・グールドの演奏はノイジーで力強いが、彼女から滲み出るバッハは哀し過ぎるブルース。
【名曲セレクション18】ファミコンアレンジ 「エイリアンズ」/ひぬえど
珠玉の名曲、キリンジの「エイリアンズ」。これはその亜種、8ビット・チップチューンのエイリアンズである。国内外数多くのアーティストにカバーされているが、私はこのファミコンアレンジのカバーが1番好き。「ひぬえど」という人が作ってるらしい。
【名曲セレクション17】My Toy/Breakbot
フレンチ・エレクトロのDJスター、Breakbotの2016年リリースの『My Toy』。イギリスのアーティストyasminをボーカルに迎えたキュートなダンスチューン。"baby! baby!〜"から始まるポップソングは名曲に決まっている。
【名曲セレクション16】Fish京子ちゃんのテーマB/けもの
『フィッシュ京子ちゃん』という社会風刺漫画を取り巻いたアートプロジェクトで生まれた名曲。冒頭の一声で世界観に引きずり込まれる。独特な質感のジャズボーカルと渦巻く電子ピアノのクール。2013年菊地成孔プロデュース。「けもの」の1stアルバム収録。
【名曲セレクション15】星間飛行/Ranka Lee
バッハの平均律クラヴィーア曲集を聴いた時、音楽はドレミの重ね方と並べ方で人の感情を操作する術で、恋をさせる事だって可能だと思った。数学の奥にある官能、それが音楽。マクロスを知ったのは一昨年。これは恋する兵器としてのアイドルソング。ランカ・リー「星間飛行」。
【名曲セレクション14】Love the world/小田朋美
小田朋美によるPerfumeの「Love the world」のカバー。2013年の年末に出たファーストアルバムにして名盤「シャーマン狩り」の1曲目に収録。ピアノとドラムスのデュオが刻む変拍子に鮮やかなボーカルを乗せて。再構築。
【名曲セレクショ13】かなしいうた/工藤祐次郎
楽しいこと、うれしいこと、勝ったこと、安心なこと。そういう前向きさとは別の、そうでなかった気持ちをずっと好きでいる自由があっていい。『悲しいね、きみのうた、悲しくてとても好きだった』と、工藤祐次郎が爪弾き歌う「かなしいうた」2分8秒。
【名曲セレクション12】Smile/HOCUS POCUS
フランスのホーカス・ポーカスというグループの「スマイル」という曲。2010年頃に良く聴いていた。フレンチ・ヒップホップとでも呼ぶのか分からないが、洒落たフロウはやはりフランス語特有の発音とリズムによるところなのか。MVもかわいい。