長野の街をそぞろ歩いたあとは、新幹線で一駅戻って上田へ。
お目当ては上田城？
いえ、別所温泉の北向観音に参拝して、善光寺と両参りを（そうすることで現世と来世の両方にご利益があるという）。
いえいえ、本当はそこまで信心深くはなく、上田電鉄別所線というローカル私鉄に乗ってみたかった。
何を隠そう、鉄分が高い体質なんです、ワタクシ。

昔は、ヘッダー写真のような、丸窓デザインが特徴のレトロな電車が、風光明媚な塩田平をトコトコ走っていた。見てみたかったな。
現在は、東京の東急電鉄から譲渡・改造された、比較的新しめの電車が使われている。
そして、面白いことに、ぼくが住んでいる福島市の福島交通飯坂線でも、まったく同じタイプの電車が使われているのだ。
上田電鉄別所線は、上田駅から別所温泉駅までの約11km。
福島交通飯坂線は、福島駅から飯坂温泉駅までの約9km。
どちらの会社も、かつて（昭和の中ごろ）は国鉄駅に接続する複数の路線を抱えていたが、いまや温泉行きの短い一路線のみ。
それでも、地元の人たちに愛され続けて、盆地の底の田園地帯を今日もゆっくり走っている。
終着駅を降りた先の、温泉街のなかなかな寂れ具合に至るまで、驚くほどそっくりなのだった。

本当は温泉の共同浴場に浸かりたかったんだけど、風邪が治りきっていなかったので、断念。
再訪の暁には、無言館も巡りたい。

八木沢駅編に続く。