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保護猫カフェに行ったらめっちゃ猫ちゃんに遊んでもらえた話 #いい部屋ペット

猫好きな皆さん、こんにちは。猫ライターのサトゥルヌスです。

皆さんは「保護猫カフェ」をご存知ですか?

聞いたことはあるけどあんまりよく知らないなという方、知っているという方、なんとなく入りづらいなと思われている方、結構多いと思います。

そんな方々に向けて、保護猫カフェって実際どういうところなのか、普通の猫カフェとは何が違うのかをご紹介します。

(店舗の方針にもよると思いますが、多くのお店は誰でもウェルカムで、猫ちゃんも皆人懐こい子ばかり。猫好きにとっては天国みたいな環境ですよ!)


高円寺にある保護猫カフェ「猫縁~ねこえん~」さんにお邪魔してきました

こちらが今回お邪魔した、高円寺にある保護猫カフェ「猫縁~ねこえん~」さん。ドアの横にあるインターホンを押すとスタッフさんが出迎えてくれます。

入り口で受付を済ませ、しっかり手洗い・消毒を済ませて猫ちゃんたちのいる部屋へ。

夕方頃に伺ったのですが、ほとんどの猫ちゃんはお休み中。今日は遊んでいただけないかな、と思いきや、まだ子猫のつくも君が「遊んでやってもいいよ」と言わんばかりに自らおもちゃを取り出してくれたんです。

お言葉に甘えて全力で遊ばせていただきました。

動きが早すぎて残像しか捉えられなかった・・・

他にも起きている猫ちゃんがちらほら。つくも君につられて遊びに参加する子や、私の側まで歩いてきて、私にお尻をくっつけて寝始める子も(ありがたき幸せ)

たぬきみたいにまるまるとした貫禄のある猫ちゃんや

リラックス感満載で過ごされている猫ちゃんも。

皆思い思いの時間を過ごしています。


どの猫ちゃんも人懐こくて、頭をなでたり首を掻いてあげると気持ちよさそうにゴロゴロ喉をならして身を任せてくれました。

猫ちゃんたちを喜ばせることができて幸せだなあとしばらく遊びほうけていたのですが、今日は取材しに来たのだと30分経過してようやく思い出し、店長さんにお話を聞いてみることに。



保護猫カフェは「譲渡」がゴール。殺処分される猫ちゃんを1頭でも減らすために

猫縁さんは、もともとは練馬区にある動物病院「桜台ペットクリニック」さんが運営していた保護猫カフェを、店長の浅利祐恵(あさりゆうえ)さんが引き継ぐ形で2年前にオープンされたそう。

浅利さんももともと前身の保護猫カフェ運営に携わっており、諸事情で桜台ペットクリニックが運営できなくなったため、オーナーを引き受けることに。

ボランティア団体リトル・キャッツさんが保護した猫ちゃんを引き取り、常時12頭ほどの個性豊かな猫ちゃんたちが在籍しています。


ここで、保護猫カフェと猫カフェの一番の違いを聞いてみました。

実際に自分が伺ってみて感じたのは、保護猫カフェは一見、普通の猫カフェとほとんど変わらないというところ。(血統種付きの猫ちゃんがほとんどいないところぐらいでしょうか)

清潔感のあるお部屋で猫ちゃんと戯れることができるのは一緒なんですよね。

浅利さんに聞いてみると、一番の違いは、猫ちゃんの「譲渡」を目的としているところだそう。様々な事情で引き取られた猫ちゃんを預かり、飼育を希望する方がいれば、面談した上で譲渡するまでの役割を担うのが保護猫カフェなんです。


保護猫カフェが生まれた背景には、猫の殺処分問題があります。環境省の調査によると、2017年度の1年間で34,854頭の命が奪われました。
(引用:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

年々殺処分数は減っているものの、それでも尊い命が奪われている状況は続いています。

生まれてきた猫ちゃんには、何の罪もありません。ただ生まれた場所に問題があったり、飼い主の事情一つで殺されてしまうのって、あまりにも理不尽だと思いませんか。

そんな、殺処分されてしまう猫ちゃんを1頭でも多く救うために活動しているのが保護猫カフェです。


「保護猫の譲渡会もよくありますが、保護猫カフェが良いのは、何回も通ってコミュニケーションをとれるところ。ケージ越しで見るだけじゃなく、何度も通って実際に触れ合って、相性が良い猫ちゃんをじっくり探せるので、実際に飼われた後でも皆さん幸せに暮らしています。

あとは、人に慣れていない子でも、お客さんたちと遊んでいるなかでどんどん慣れてきて、人懐こくなっていくんです。保護猫カフェと言うと、譲渡前提で来る方じゃないと歓迎されないイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、そんなことはなくて。

遊びに来てくれる方々が猫ちゃんに愛情を注いで人に対する警戒心を解き、人懐こくなった子をお迎えしたいという方が現れる。もちろん私たちも猫ちゃんたちが健やかに暮らせるよう最大限ケアしています。

愛情のリレーと言えばいいんでしょうか、関わっていただいている皆さんのおかげで、幸せになれる猫ちゃんを増やせていると思っています」(浅利さん)

譲渡を目的にしている以上、猫ちゃんたちにとって、保護猫カフェは仮の住まい。「家族が見つかって、新しいお家に迎え入れられてから猫ちゃんたちの本当の暮らしが始まるんです」と浅利さん。

譲渡目的ではなかった方でも、保護猫カフェに通ううちに猫ちゃんを迎え入れたいという気持ちが強くなり、ペット可物件に引っ越す方も多いそう。


一方で、ペット可物件がまだまだ少ないという問題も。

退去後、原状回復の費用が敷金を超える場合があったり、住民同士のトラブルが起こりやすくなったりと、管理者側にとってのデメリットが多いんですよね。(※)

「ペット可物件でも犬はOKでも猫はNGという物件も本当に多いんです。猫がOKでも、今度は1頭までと、頭数制限されている物件も多くて。
部屋の広さよりも相性が大事。一頭しかダメと区切られるのは悲しいです。
環境に応じた適正な頭数を飼えるような物件がもっと増えるといいですね。」

頭数制限する物件が多いのは、際限なく猫を飼ってしまい、飼育しきれなくなって他の住民に迷惑をかけてしまう飼い主が少数ながら存在するからだそう。

むやみに頭数を増やさないよう、脱走できないよう対策して不要な妊娠を避けるなど、できることはいろいろあります。なんとか仕組み化できるといいですね・・・


収益が出ずに1年足らずで閉店してしまう保護猫カフェも

保護猫カフェの収益面も聞いてみることに。

利益を目的にしていないため、決して経営は楽ではないそうです。
一方で、猫砂やキャットフードなどを支援してくれるお客さんや猫好きの方が少なからずいらっしゃるそう。


「猫縁は、前進の保護猫カフェ時代も含めるとおかげさまで5年近く運営できています。これもひとえに支援いただいている皆さんのおかげですね。

ただ、1年たらずで閉店してしまう保護猫カフェさんもたくさん見てきました。収益化がなかなか難しいので、やはり有志の協力がないとなかなか成り立ちにくいんです」(浅利さん)

殺処分されてしまう猫ちゃんを減らすための取り組みなのに、採算が合わないという理由で閉店してしまうのは社会的損失なのでは・・・と思ってしまいました。



これから猫を飼おうと考えている方。まずは保護猫カフェに行ってみませんか?

1頭でも多くの猫ちゃんに幸せになってほしい―

そんな想いのもと運営されている猫縁さん。
気になった方はぜひ一度遊びに行ってみてください。


猫縁さんに限らず、保護猫カフェは少しずつ増えているそう。(ただ、やはりすぐ閉店してしまう店舗も多いのですが)

皆さんのお住まいの地域にも、保護猫カフェがあるかもしれません。
猫好きの方なら、一度足を運んでみるといいかもしれません。

また、これからあたらしく猫ちゃんを家族に迎え入れようと考えている方。ペットショップだけでなく、保護猫カフェでの譲渡も選択肢に入れてみませんか。

【取材協力】
里親募集型猫カフェ猫縁~ねこえん~
住所:東京都杉並区高円寺北3-45-16
JR高円寺駅北口より徒歩5分(庚申通り商店街)/バス停高円寺通り(早稲田通り)より徒歩1分
HP:https://necoen.amebaownd.com/
Twitter:@necoen773
※写真のいくつかは猫縁さんのTwitterアカウントからお借りしました。(許可済み)



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※ いい部屋ネットのお店で紹介している「DK SELECT」のお部屋では、安心してご入居いただけるよう、敷金の代わりに「定額クリーニング制」を導入しています。「DK SELECT」のペットと住めるお部屋は、飼育の有無に関わらずペットの愛護について理解し、ペットと人が共生できる快適な生活環境づくりにご協力いただくよう、原則合意をいただいています。もちろん何でもOKというわけではありませんが、猫と一緒に暮らすことも可能です。(2019年8月時点)


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