#62 行政書士試験に合格するために(記述式(過去問)・民法【総則】編④)
今回も、行政書士試験の民法(総則)の
記述式(過去問)について書いてみたいと思います。
無断は良くないです
平成23年試験では、「権限外の表見代理」が
出題されました。
被用者Aが雇用主Y名義で5万円以下の
Yの日用品を購入する権限しか付与されて
いなかったが、Yに無断でXからYのために
50万円相当の事務機器を購入し、
XとYの争いになった、という問題です。
相手方Xは、雇用主Yに対して、
民法110条の権限外の表見代理を根拠に
代金支払い請求する方法と、
民法715条の使用者責任を根拠に
損害賠償請求をする方法があるので、
それらを問題文に沿って解答する形になります。
似ている所は出題されやすい!
この問題は、
「権限外の表見代理」と「使用者責任」の
事例がとても良く似ている構造であることを、
あらかじめ把握しておかなければ、
試験本番での対応は難しそうな問題です。
また、表見代理の問題では、
条文を読み込むだけではなく、
具体的な事例を確認しながらでなければ、
「権限外の表見代理を根拠に代金支払い請求する」
と解答することは出来ないのではないか
と思います。
対策としては、肢別や模試での出題の際に、
図を書くことです。
無権代理の問題では、登場人物がAさん、
Bさん、Cさん・・・、3人以上出てきます。
善意無過失なら○○ができる、
代理人の権限があると信ずべき正当な理由が
あれば○○・・・、これらを問題が出る度に
繰り返していると、図を書かなくても、
パッと三角形の図が頭に浮かび、
Aさんが□□と△△なら、
履行の請求をすることができる!
という流れになってくると思います。
ただ、この状態になるのは、試験本番のみで
良いので、それまでは何度もひたすら反復を
することで、自力をつけていくことに
なるのだと思います。
まとめ
「代理」からの記述の出題は、
平成23年、平成25年、令和4年に
ありました。
これからも定期的に出題されるところだと思います。
権限の定めのない代理人の権限(103条)や
代理権の濫用(107条)、
無権代理の相手方の催告権(114条)、
無権代理の相手方の取消権(115条)、
これらについては、条文を見る度に、
「記述で出されそう・・・」
と思っていました。
(但し書きまで含めて、
読んでおいた方が良いと思います)
よく、スポーツでは、
「練習のための練習をしてはいけない」
と言われます。
肢別を毎日解くために解くのではなく、
試験本番で180点を取るために毎日解く、
という意識を常に持つことで、日々の勉強にも
やりがいを見出せるかもしれません。
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