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梅のある暮らし

梅干しを手がけて20年近くになる。最初は塩分20パーセントの初心者マニュアル通りに作り、塩っぱくて食べられなかった。そこで塩分15%の減塩仕様に挑戦したものの、今度はカビとのたたかいで疲れ果て、作るのをやめた年もあった。

でも幸い近所に梅農園を発見し、完熟の大梅を使うと美味しいと教わった。実家の近所のその道50年以上の達人からは、梅総量の2倍の重石を使うと梅がひからびてしまうから、自力で梅酢を行き渡らせるコツを伝授していただいた。さらに昨年、アルコール分77%のドーパーパストリーゼと出会い、ようやく減塩仕様かつカビと無縁の梅干しが作れるようになった。

2022年はいただいた自家栽培梅を使用

そうこうしているうちに、今度は体力的に作るのが億劫な年頃になってしまった。来年も手がけられるか心許ないが、備忘用にコツをメモしておきたい。

・水に浸けながら梅を洗ってザルにあげ、風通しの良い場所で十分に乾燥させた後、梅総量に対して15%の食塩で塩漬け。(アク抜きのために浸水するのは短時間にしないと梅が変色して腐りやすくなる⚠️)

・梅と容器に満遍なくドーバーパストリーゼを噴霧しておくとカビが出にくい。(焼酎で試したこともあったがカビ発生⚠️)

・容器は野田琺瑯がオススメ。重ねられるし内蓋がついているので使いやすい。梅ジャムを大量に作る時には鍋代わりにもなる。(陶器は重いので後述するように揺さぶるのに不向き。でも重石は陶製がオススメ)

・減塩仕様は梅酢を早く上がらせる必要があるので重石がオススメ。梅酢が上がるまでは梅と同量の重さで。以後は半量以下で。重すぎると梅酢が出過ぎて梅がスカスカになるので、軽い重石で早く梅酢を上がらせるために、毎日、容器を揺らして梅酢を早く行き渡らせるのがポイント。当然ながら、重石を載せたまま揺らすと梅が潰れやすい。重石をそのままにして梅酢を行き渡らせるようにゆっくり動かすこともできなくはないが、一番良いのは1日で梅酢を上がらせること。そのためには熟し加減と塩の分量が肝心。塩梅とはよく言ったもの。(梅酢が上がって安心して放置したら、素手で触った重石にカビが生えていたことがある。重石を触るのもビニール手袋着用推奨⚠️)

・竹ザルは昔ながらの金物屋さんで入手したもの。仕込みと天日干しに重宝している。(竹ザルもカビ防止にパストリーゼ消毒後の天日乾燥を十分に⚠️)

なんせ自然相手の仕事なので、土用干しを無事終えるまでは安心できない。でも、この手仕事ができること自体が天の恵みだと思っている。

この瞬間が待ち遠しい
2021年産のマイ梅干し
紫蘇もいいけど
こんな白梅の天然色の美しさに見惚れる