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「つい人の目が気になる」「自分なんか」思考に効く!クールな原始仏教の処方箋

つい人と比べて「自分なんか……」と思ってしまう。
SNSを見て「私はこのままで大丈夫なのかな」と不安になることがある。

こんなとき気分転換をするのもいいのですが、
「他者比較して一喜一憂する」といった根本的なクセを手放せたら、とてもラクですよね。

実はここで役に立つのが、原始仏教の考え方なのです。

え、いきなり仏教?説教くさそう……
無宗教だし、私には関係ないよ……

このように思われるかもしれません。
しかし、仏教のもともとの教え、すなわち「原始仏教」の教えはきわめて合理的で、実生活に応用可能な「考え方」なのです。

本記事で紹介する「反応しない練習」(著者・草薙龍瞬/発行・KADOKAWA)という本は、
その考え方、実生活への応用の仕方について詳しく教えてくれます。
実践すれば、他者比較などの悩みに振り回されることが大幅に減るはずです。

内容の一部を、以下でご紹介していきます!


悩みは「ムダに反応しない」ことで解消できる

悩みの原因は「ムダに反応してしまうこと」

本書では、「どんな悩みも『心の反応』から始まる」としています。
SNSを見て、あの人に比べて自分は……と「反応」する、
がんばった自分よりも、適当なあの人が褒められていてモヤモヤと「反応する」……
たしかにどれも、「事実」に対する「心の反応」がありますよね。

そのため、なるべく「ムダな反応をしないこと」「マイナスの感情が湧いてきてしまったときは素早くリセットすること」が大切です。

具体的には、「気持ちを言葉で確認する」か、「気持ちを分類する」ことになります。

いまの気持ちを「言葉で確認」して「分類」する

「いま自分の心はどんな状態かな」「どんな感情になっているかな」
まず自分に問いかけて、心の状態を言葉で確認してみましょう。
イライラや嫉妬、もどかしさ、落ち込み…あってはいけないものはありません。
ただ、「そういう状態なのだな」と認識します。

また、気持ちを次のいずれかに「分類」してみましょう。
あらゆるネガティブな気持ちが、「人間の三大煩悩(※)」に分類されるからです。
三大煩悩とは、
①何かを過剰に求める気持ち ②怒り ③妄想 の3つを指します。
ネガティブな気持ちが湧いてきたとき、それを言葉で確認したり、上記①〜③に分類するのです。

そのように自分を客観的にとらえて気持ちを分類することで、気持ちがおさまっていきます。

ここでいう「③妄想」とは、「頭の中でぼんやりと何かを考えている状態」を指します。
三大煩悩のうち、この「妄想」が一番やっかいかもしれません。
人と比較して疲れるのも、不安になるのも、この「妄想」が原因だからです。
では、自分が「妄想して疲れてしまっている」と気づいたとき、どのようにしてそれを洗い流していけばいいでしょうか。

※煩悩…仏教の用語で「身心を悩ましわずらわせる心のはたらき」を意味する(参考:日経ビジネス

「妄想」をやめ、本物の自信をつけるには

体の感覚に意識を向ける、シンプルに自分を肯定する

自分を否定的に判断する気持ちが湧いたときは、まずは「これはただの妄想で、意味がない」と自分に言い聞かせます。

次に、その「否定的な気持ち」ではなく、「体の感覚」に意識を向けてみましょう。
少し時間をとって深呼吸してみたり、体の感覚に意識を向けながら歩いてみたり…。
「妄想」は頭の中だけのものなので、「体の感覚に意識を向ける」ことで妄想状態から脱しやすくなるためです。

そして自分に対してシンプルにこう言い聞かせます。「私は私を肯定する」。
何度も繰り返し、心のなかで言い聞かせてみましょう。
次第に「妄想」から抜け、力が湧いてくると思います。

「自信」なんて考えなくていい!?とりあえず体験を積むだけでいい

仏教的には「自信がない」も余計な判断、つまりは妄想で勘違いにすぎないと考えます。

何をなすにしても、時間の蓄積が必要です。
であれば考えるべきは、自信について「妄想」するのではなく、行動すること。「ただ体験を積む」ことです。

妄想に気づいたら手放して、「結果に執着せず、とりあえずただやってみること」を大切にしましょう。

体験を積むにつれて、おのずと成果もついてくるはずです。
逆説的ですが、「自信なんて考えずにただ目の前のことを積み重ねる」ことが、「本物の自信」につながります。

他人の目から自由になる

「承認欲が作り出す妄想」のワナ

それでもやっぱり、つい人と比べてしまう。人からどう評価されているのか気になってしまう。ソワソワして落ち着かないことがある…

そもそもなぜ人と比べたり、他人の目が気になったりするのでしょうか?
目的はただ一つです。「人から認められたい気持ちを満たして安心したい」のです。
いずれも承認欲が作り出す妄想にすぎません。
妄想をやめ「正しい努力」をすることで、他人の目から自由になりましょう。

目的を叶える「正しい努力」とは
ここでいう「正しい努力」とは、以下のことを指します。
・今の仕事や生活を「改善」する。
・自分ができる目の前のことに「集中」する。
・結果にこだわるのではなく自分の「納得」を指針とする。

承認欲そのものが、仏教的な考え方で否定されるわけではありません。
行動の起爆剤になるのであればOKなのです。ただし、それによりネガティブな反応が生じたらリセットしましょう。

また、「目の前のことに集中する」際は「SNSをつい見てしまう」といった反応に注意したいところです。
仏教ではそのような反応のことを「漏れ」と表現します。
「大切な物事に心を向けることができず、『小さな心の穴』から反応が外に漏れてしまう状態」です。

目の前のことに集中できず、ついSNSなどに手を伸ばしそうになったら…
一度グッとこらえて、その代わりに深呼吸したり少し散歩するなど、「感覚」に意識を向けてみましょう。すると徐々に、ソワソワと落ち着かなかった気持ちが静まっていくはずです。

「妄想」を手放し、自分の「納得」を指針として目の前のことに尽力する。
この姿勢で仕事や学習に臨めば次第に他人の目から自由になり、日々のなかで充実感を得られることが増えるでしょう。

原始仏教の考え方で、ブレない自分を取り戻そう

気持ちの状態を言葉で確認する、体の感覚に意識を向ける、妄想は妄想にすぎないと理解して目の前のことに集中する。

私もそう心がけるうちに、以前よりも人との比較や他人からの評価から自由になれたと思います。
「自分は自分」と考えてだいぶラクに、仕事や学びに臨めるようになりました。

まだまだ、ネガティブな感情にとらわれて抜け出しにくいこともあります。
しかし、上記の心がけを繰り返せば「心のクセ」も少しずつ緩和されると実感しました。
原始仏教の考え方を、これからも実践していきたいです。

あなたもぜひ原始仏教の考え方を取り入れ、人と比べたりせず、
軽やかで充実した感覚をもっと増やしていきませんか?

この記事では「つい人と比べて落ち込んでしまう」といった悩みに焦点を当てていましたが、
そのほか「人間関係などの悩みを原始仏教の考え方で解消する方法」も
本書は教えてくれます。
ぜひ一度、読んでみてください。

今よりもスッキリとした気分で、自分に納得しながら仕事や学習に邁進できる。
そんなきっかけの一冊になれば嬉しいです!

本記事は、SHElikes(女性向けのオンラインキャリアスクール
)のライティングコース課題として執筆しました。
https://shelikes.jp/


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