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【レビュー】この世界にiを込めて

過去に書いた、本のレビューです。

【これは熟成下書きです】

2018年12月16日に飛行機の中でレビューを書いたはいいけど、どうやら投稿してなかったようです。めっちゃ体調悪かったのもあって、すっかり忘れてましたよ💦

良ければ佐野徹夜さん著「この世界にiを込めて」を読んでみてください。体調不良や飛行機の不快感も忘れてしまうほどに熱中できます。

【レビュー】

北海道から沖縄へ向かう飛行機の中で、このレビューを書いています。

私は久しぶりに紙の小説を読みました。この行動は自発的なものではありません。就職に伴い東京へ旅立つ友人が、半ば押し付ける形で「これは面白いから読んで」と渡してきた。だから試しに読んでみたのです。およそ1年ぶりくらいに紙でできた本を読んだと思います。
読んでみて、私に不思議な現象が起きました。心が妙に落ち着いて、思考がクリアになったのです。しかしそれと同時に目には涙が滲みました。一体何に感動したのか、私にはよく分かりません。
私の頭の中では普段、音楽や情景や文字が乱雑に流れています。朝起きてから夜眠るまでずっとです。この本を読み始めたころもそうでした。しかし、第3章に入ったあたりから私の中に「虚」のようなものが少しずつ増えていったような気がします。一番最後になれば、前述のようにとてもクリアな感覚になりました。
今、この文章を書き始めて15分ほど経ちますが、私の中にはまたも今朝見たニュースや今後の活動について、つまり思考が溢れ出し始めています。虚に包まれた気持ちは一瞬で去ってしまいました。もしかすると虚というものは現実に実在しなくて、考えている間しか存在できないのかもしれません。
高校で私は、虚数に触れずに卒業しました。なので虚数の正確な定義は分かりませんが、この小説を通じて僅かな時間、それをイメージできたかもしれません。

最後になりますがこの不思議な時間を与えてくれたこの小説にiを込めてレビューをさせていただきました。貴重な体験をさせて下さり、感謝いたします。面白かったです。

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熟成下書き

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