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『イージーライダー』

・・と、いうことで。(^^;

『イージーライダー』(1969)

この映画について、
2011年に、初めて見た時、以下の様なこと書いていた。

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上映時間は約95分なんだけど、はじめは長く感じてしまった。
 たとえば、『逃亡者』や『ブラッド・ダイヤモンド』は二時間以上あるけど、長いとは思わなかった。
ことに、後半、ドラッグやらによるトリップ映像は・・? そこは長すぎ、な感じ。
 二人で、気ままに楽しく旅してなんやなやでそんでラストはやられちゃうで、いぃんでないか?それでもって思ったけど・・。
やっぱ、ジャック・ニコルソンの役柄は重要だな。彼が喋ってることは、けっこう重要みたい。
前半の、ヒッチハイクしてたヒッピー?の男より。このコミューンのシーンで、たとえば、もっとUSAについてとかその頃の社会情勢のこととか、表現しえたはずだろうに。それと比較してみれば、ジャック・ニコルソンとのシーンが、より際立つ。
・・第一印象、って、、けっこう大事だったりするんだけど、これはまた見直して見るべき映画だと思った。
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その後再度みて、
今回ここに書くにあたり、また見てみた。
率直な感想は、やっぱり長い、だった。
なのだ、けれど。
この映画は、あの頃のアメリカの時代背景を抜きにしては語れないものだった。
その意味で、歴史的記念映画、と言っていいものになる。
ヌーベルバーグ映画における『勝手にしやがれ』(1960)の様に。

では。
あの頃のアメリカはどんなだったか。
(どうか『アメリカンNew シネマ』もよんでほしい)。

『イージーライダー』、日本での公開が1970/01/31で、アメリカでは1969年7月14日。
DVDでのメイキングドキュメンタリーで、デニスホッパーが『編集に一年近く費やした』、と言っているから、
撮影は1968年。

改めて、(アメリカンnew cinema のところでも記したが)、1968年。
ポーランドワルシャワ3月事件、フランスパリ5月革命&カンヌ映画祭粉砕事件、プラハの春、
そして日本では学生闘争(日大全共闘、新宿駅騒乱)。
アメリカでは、1月早々にベトナム戦争テト攻勢で、アメリカ軍大敗。キング牧師暗殺、ロバートケネディ暗殺。
世の中、騒乱に満ちていて、(ベビーブーマー&団塊の世代)の若者達は、それまでの価値観を否定、カウンターカルチャー(ヒッピーアングラドラッグ等)が誕生していた。

アメリカでは、西海岸(主にサンフランシスコ)、だったけれど、南部ではそういった若者達は忌み嫌われたのだ。
『イージーライダー』、冒頭部分で、既にその象徴的シーンを見ることができる。パンクを直させてくれ、と言って食事までご馳走になるところ。
カソリックでは中絶堕胎は禁止だった(子沢山)、食事前のお祈り。何よりも、ワイアット(Pフオンダ)が『素晴らしい暮らしだ』と言っているし、パンク直してる手前で馬の蹄やってるシーン、その見事な対比。
そして、やはり後半の、レストランに入ってのシーン。
そういうことが、(殊にアメリカ南部では)常識だった、という時代。
ここを把握しておかずして、この映画は語れない。
まだまだある(ヒッピーコミューンでのシーンとか)、けれど。

私自身、同時代世代ではないことを自覚している、だからこそ記しておきたい、と思った。
1960年代後半から1970年代にかけての歴史を、改めて覚えておく必要がある。
(『映画で読むアメリカ』も、要参照)』
https://note.com/eigamuro/n/n1052301813fb

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