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【感想まとめ】イングランドVSフランス

はじめに

普段はマリノス絡みでしか発信はしないが、たまにはワールドカップについても発信するぜ!
と、口で言ったはいいもの試合を見ているだけで体力を奪われ気がつけば次の試合がやってきている今日この頃。しかしこの試合に限っては感想をまとめておきたいぜ。あくまでツイートの連合軍と思ってもらえるとちょうどいいぜ!
試合展開や戦術に関しては他の素晴らしい方々が取り上げると思うので、GK目線やセットプレーについて深堀りしていくぜ!

折角トリコロールなのでフランス中心に。

(訳;この機会をいただきありがとうございます。自分目線で書きますので試合展開は流し読みして、「個人的に見逃せない点」をお読みください。)

イングランドはグループステージを見る限り欠点がなかなかない、完成度の高いチームの印象。そしてフランスも抜群に強い、横綱な印象。結果というよりも内容を見ればどちらも優勝候補のトップクラス。(ワールドカップは結果がすべてではあるが。)

ゲーム開始

前半

基本的にはイングランドがボールを保持する展開に。
イングランドは保持時中盤逆三角形の4-3-3、両SBを押し出した2-3-2-3といった配置で「綺麗に」前進を狙いたい。肝は右SBがウォーカーなため左SB上げの3枚もCB残しのビルドも対応可能。
序盤は後ろが詰まったときに降りてくるのはIHのどちらか(ヘンドが多め)。
こんな感じに見える。

これに対してフランスは4-2-3-1の初期配置にして、エンバペの守備サボり&グリーズマンの気遣いをポイントに、グリーズマンが落ちてラビオを左に出した4-4-1+エンバペ、グリーズマンがIHとして振る舞う4-1-3-1+エンバペを使い分けて対応。
中盤はベリンガムに対してチュアメニが、ヘンダーソンに対してはラビオがマンツーマン気味に見ながら上記の変更を行う。
こちらの肝はハイプレスをしないこと。相手の底のライスを経由させないようなプレスは最低限行うものの、基本的に両CBにプレッシャーはかけない。

なぜなら彼らの強みはスピードとその威力が半端じゃないから。そしてそれを本人たちが一番わかっているからボールを持たれても慌てる気配が全くない。

ゲームが落ち着いて

段々と試合が進む中で、意図的に(?)エンバペが前残りして4-4-2を構えるようになるフランス。それをみてウォーカーの位置をさげるイングランドの構図に。
エンバペの後ろのスペース、ラビオが出て行けないあたりでボールを受けまくるサカ。対応するために動いたテオとラビオのスペースを使う、というとてもとてもロジカルな攻撃でFIFAで自分がコントローラーを持っている感覚に。
考えられる攻撃は耐えられるぜ!理不尽だけは無理だけど!なフランスはやっぱりまったく動じずに守る。

逆にフランスの攻め手はエンバペ&ラビオ&テオの旋回アタックの左とグリーズマン&デンベレの右。こう書いてしまえばあっさりですが、シンプルなクロスでも中に待つのはジルーであるという怖さ。しっかりとナイフを見せながら試合を進めていた。

互角の勝負の中で、理不尽をひねり出したのはフランスのチュアメニだった。「うーむ」と無音で見ていたが、このときばかりは声がでてしまった。アパートの隣の部屋のカップルほんとごめん。


後半

ギアを上げたイングランドと変わらないフランスの構図。
その勢いでサカがPKをゲットしてケインが決めて同点に。

しかしここで一度ギアを上げるフランスは直後のキックオフからラビオの決定機を作る。ここも声がでてしまったシーンである。

そしてその流れから信じられないシーンが登場した。
エンバペがスピード勝負でウォーカーをちぎったシーンである。
正直、ウォーカーがよーいどんで前に入られたシーンはあまり記憶にないので(瞬間的にはあっても追いついてる)、この試合で一番声がでてしまったシーンだった。隣のカップルほんとごめんなさい。
ただ彼でなかったらカットインして、より決定的なビッグチャンスだったかもしれないし、それ以外の場面では完封していたと言ってもいいくらいに完璧だった。

終盤

その後もエンバペの裏を使うサカ&ヘンダーソンを起点に攻めるイングランドと、左右に振りわけてジルーで得点を狙うフランスの構図のまま時間が進み、押し込んだのはジルーの利き足の頭だった。彼の大一番で点を取る能力は本当に凄まじく、ここ最近のセリエでもビッグマッチになればなるほど決めている。ダービーでも、ナポリ相手でも。

最終盤ではPKが、試合終了間際にはFKがイングランドに与えられるものの、ケインとラッシュフォードがそれを決められずに終了。
とてつもなくプレッシャーがある状況だが、ロリス目線では最悪同点でもいいといった心理状況に思える。というか自分だったらそう思う。
ただ、ラッシュフォードのFKではキックの瞬間のステップはわずかながら逆を踏んでいる。枠外となり救われたが見逃せない点だろう。

個人的に見逃せない点

GK目線から小言

イングランドのピックフォード、フランスのロリスもどちらもビッグセーブをいくつか繰り出し素晴らしいパフォーマンスを見せていた。
どちらも流石の存在感だったが、血眼になって探して、あえて指摘したい。

  • チュアメニの得点シーン(https://youtu.be/LXtjS2Wsb54?t=87
    この場面でのピックフォードのポジショニングについてはどうだろうか。
    本当にごくわずかだが左にずれているように思う。
    もちろん、ベリンガムが右からアタックしているためシュートコースを限定したと考えるのはわかる。それにシュートコースも素晴らしい。
    だが、である。シュート距離を考えると中央に構えても良かったのではないだろうか。彼の能力を知っている身からすれば、もう半歩中央に構えていれば止められるシーンだったのではないだろうか。
    (※芝のカットがゴール中央にあわせてあるので、確認がしやすいです。)

  • ロリスのFK対応(前半20’07〜)
    距離は20メートル程度で、キッカーはショー。
    このシーンでは壁が4枚で、壁の下をケアする寝そべり担当はいない。
    そしてロリスはボールに反応するまで、足を移動させていない。(そしてヘンダーソンのまたぎでは敵味方全員が反応していない。)
    まさに理想的な対応で、壁の上を越えたボールは止められればラッキーで自分の担当の壁と反対側のエリアを確実に止める準備ができている。
    これは試合のラストプレーとなったシーンとは対称的だ。

  • ケインの決定機(前半21'25〜)
    ロリスのビッグセーブの場面だ。
    何も言うことはないし、世間的に見て、そしてサッカー界隈でもこの場面を気になる方は少ないだろう。
    ただ個人的には、ボールへのチャレンジ方法で一点気になった。
    GKと1対1になり、相手がシュートを打てる場面でのブロッキングの方法は2通り存在する。
    1つがこのロリスのように、ボールに対し腕を伸ばしながらダイブし体のどこかでストップする方法だ。
    もう1つはダイブをせずに上体を起こし、片膝をついて腕を広げるというブロックする面を最も大きくする方法だ。
    もちろん常にではないが、筆者の個人的な印象で説明をすると、
    海外サッカーファン向けに説明すると、前者がこのロリスやエデルソン(?)で後者がデ・ヘアやノイアーやキャスパー・シュマイケルだ。
    Jリーグファン向けに説明すると、前者が中村航輔や川島永嗣で後者が菅野孝憲やスウォビィクや我らが高丘陽平といった選手であろうか。
    個人的には、このシーンは後者の方法でボールにアプローチしたほうが、よりストップできる可能性は高かったように思う。

  • ロリスのCK対応(後半2’05〜)
    かぶりました!以上!

  • ロリスのFK対応(後半55'00〜)
    距離は22メートル程度で、壁が5枚+2枚、壁の下をケアする寝そべり担当も配置している。まさにラストプレーだからこそ、チームの強い意思が感じられる場面である。
    さらにロリスはキックする瞬間に、壁側に本当にごくわずかなプレジャンプを踏んでいる。
    もし仮にラッシュフォードのショットが落ちきっていれば、逆をつかれて決まっていたように思う。恐らくロリス本人が世界中で最も冷や汗をかいたのではないだろうか。

CKの守備配置

VARの登場でゾーン守備が増えた前回ワールドカップだったが、今大会は再びマンツーマンが人気となっている。各国リーグでVARが採用され、選手たちが慣れた、と言えるかも知れない。
スクリーンを採用してフリーの選手を作り出すプレーには弱いことが弱点であるが、強い気持ち&根性!でここまでは耐えきっている印象だ。

  • フランスのCK守備
    こちらはマンマークを採用している。
    グリーズマンがニアストーンで、ジルーがその次のストーンで構える。
    特徴はとにかく全員背が高い。(イングランドもだが。)
    それだけかよ!と言いたくなるが、高さは正義である。高さisパワー。
    唐突だが欧米各国と日本の差はそこも大きい。両チームのDFラインで一番小さいのがクンデとウォーカーで178cmである。日本だと大きい方のサイドバックか一番小さい3CBの一角といったところだろう。
    それ以外はグリーズマンとクンデ、テオの位置を入れ替えたほうがいいのでは?とは思う。
    しかしカウンターの準備という観点では、爆速のこの3人を前に残す事による驚異はとてつもないため、少し攻めた配置と言えるかも知れない。

    • ストーン役:
      173グリーズマン
      193マグワイア

    • マンマーク役:
      191ヴァラン   →188ストーンズ
      191ラビオ    →190マグワイア
      186ウパメカノ  →183ケイン
      187チュアメニ  →182ヘンダーソン
      178クンデ    →185ライス

    • こぼれ役:
      178エンバペ
      178デンベレ
      184テオ

  • イングランドのCK守備
    こちらもマンマークを採用している。
    ケインがニアストーンで、マグワイアが中央にストーンで構えている。
    特徴はマグワイアがストーン役をしていることだろう。
    セオリー通りにいけば、フランスのヴァランやジルーをマークする役割が与えられるはずだが、中盤の3人も180cmを超えるため一番危険な”人”ではなく”スペース”を彼に任せることができている。

    • ストーン役:
      183ケイン
      190マグワイア

    • マンマーク役:
      188ストーンズ  →193ジルー
      185ライス    →191ヴァラン
      182ヘンダーソン →186ウパメカノ
      185ショー    →187チュアメニ
      180ベリンガム  →191ラビオ
      178ウォーカー  →178エンバペ

    • こぼれ役:
      178サカ
      171フォーデン

感想

実はこの試合のあった日の前夜に、家族を亡くしました。
正直てんやわんやで正常ではいられないが、この企画のおかげでリアルタイムではないがサッカーと向き合う時間ができ、自分自身の心理状態が落ち着きました。本当に感謝します。
試合が終わって、やっと冷静に考えてからベンゼマ&カンテ&ポグバがいないことを思い出しました。それにキンペンベもいない。流石に選手層が半端じゃないが、ベンチメンバーの市場価値はイングランドのほうが高そうだなとは思いましたが。
どちらが勝ってもおかしくない試合で、今回はフランスが勝った。
素直な感想としては以上です。
Jリーグが、そして日本代表が学ぶことも大いにある試合で、個人的には忘れられない試合となりました。
フォーメーションの配置図やCKの配置については、後日加筆しますので、すぐにお読みいただいた方はお許しいただけますと幸いです。
以上。

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