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オーストラリアでの給料とビザの関係

オーストラリアでの給料の相場感からはじめ、筆者Mがシドニーで経験したマーケティングジョブの給料やビザ事情についても紹介。筆者Mの独り言アドバイス付き。

これまで3カ国で働き(🇯🇵・🇨🇳・🇦🇺)、オーストラリアでは3社目、就労ビザ取得にも苦労し、人生迷子になって犬グルーミングの学校にも通ったことがあるけど、今は理想の会社でウェブ担当のMと申します。

目次


オーストラリアの給料の相場感

・最低賃金

・業界・職種別の相場

・手取り額計算機

筆者Mのマーケティングの仕事でのこれまでの給与とビザの関係

・Mの年収とビザの時系列

・ビザによる給与交渉時の違い

・ビザによる就活時の違い

オーストラリアの給料の相場感


ここでは、最低賃金、業界・職種別の相場、手取り額計算機についてご紹介。

最低賃金

毎年7月1日に最低賃金は見直されますが、今現在の最低賃金は、時給$19.84

最新の情報は、政府のFairworkという機関のウェブサイトから確認ができる。

なお、学生やワーホリの方で、バイトをする時に、最低賃金以下だったり、キャッシュ支給だったり、という話は残念ながら結構聞く。いろーんな事情があるのはあると思うけど、違法には変わりない。今後のビザ切替の際に影響が出てくる可能性も大いにあるというのはもちろんだけど、一番声を大にして伝えたいのは、「自分を安く売らないで!」です。

「英語がまだできないから仕方ない」「まだ経験が浅いから、経験値を積むために」という声を良く聞きますが、最低賃金はそういった学生や移民のことも考慮した上で決められているし、最低賃金以下やキャッシュで受け取ることはどんな状況でも不要!たった2, 3社を受けてみただけで、「こんなもんかー」と落ち込まず、最低でも100社は受ける意気込みで、最低賃金どころか、時給のいいところを見つけましょう!インターンをする際にも、無給ではなく、有給のところを頑張って探しましょう。

例えばですが、私の周りで、英語のレベルは同じくらい(初心者)で留学にきていたアラサーの友達が二人いて、一人は控えめ、一人は積極的な子がいた。なお、二人とも大学を出て、いい企業・機関で7年くらいは務めていたから、経験豊豊富というところまで似ていた。

控えめな子は「英語がまだまだだから仕方ない」と、なんと違法の時給$13のジャパレスで働いていた。

一方で、同じくらいの英語レベルの積極的な友達は、同じくジャパレスだけど時給$25くらいで、しっかりスーパーアニュエーションも出るところで働いていた。

ということで、2点物申したい。

まず一つは、経験や英語力の違いではなく、履歴書作成や面接の練習、いろんなところに当たるためなどなどの時間をかけて積極的に努力をしているか、が鍵。「違法なところで働いちゃダメ、絶対。」(笑)

もう一つは、日本人は謙遜しがちだけど、こっちでは特に仕事探しの際には、謙遜はゼロで、しっかり自分の経験やスキル、人間性をアピールしていきましょう。ただ、マインドセットが変わったからといって、すぐにペラペラと出てくるものでもないので、しっかりと準備もしていきましょう。

業界・職種別の給与相場

さて、まずは最低ラインの賃金についてだけでも熱い思いを語りましたが(笑)、続いては、業界・職種別の相場・平均も是非ともしっかりもらって頂きたい!とはいえ、就労ビザが絡んでくるとここはちょびっとハードルが上がるのが現実ですが。それについては、筆者Mの体験談のところで、更に熱く語ります。笑

SEEKが出しているSalary Guideで、職種を書き込むと、オーストラリア全体や州毎の相場が出てくるので、ぜひ皆さんも調べてみてください。給料交渉にも使えるかと。


例えば、Marketing Specialistで検索をしてみると、こんな感じで出てくる。

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手取り額の計算機

会社から年収を提示された際に、念のため、そこから手取りはいくらになるのかも確認しておきたい。そんな時に役立つのは、これもSEEKが出している計算機能Salary and pay calculator。年収を入れれば、簡単に、手取り・税金・スーパーアニュエーションの3つの金額が出る。

たまに、提示額の年収だけ見ると「わーい!年収アップ!」と一喜一憂しがちですが、累進課税なのでね、しっかり手取り額も確認しましょう。年収が上がっても、税金額も増えるし、スーパーに行く金額も増えるしで、「あれ?手取り額むしろちょっと減ってない?」なんて事態も無きにしも非ず。苦笑

以上、ここまでは誰でも書けちゃう内容でしたが、念のためおさらいまで。以下からは、なかなかあまり聞けない、個人の給料体験談に参ります。

筆者Mのこれまでの給与とビザの関係


Mのシドニーでの年収とビザの時系列

では早速、マーケティング職でのビザの種類や給与の関係を時系列で、ざっとご紹介。

1社目

年収:$A

ビザ:ワーホリビザ

会社:1社目

役職:アカウントエグゼクティブ(アシスタント的な)

期間:1年ほど

年齢:29歳


2社目

年収:$Aの137%

ビザ:就労ビザ

会社:1社目

役職:アカウントマネージャー(まあまあ責任あり)

期間:1年半ほど

年齢:30歳


3社目

年収:$Aの145%

ビザ:就労ビザ(雇用主切替)

会社:2社目

役職:リージョナルマネージャー(名ばかりマネージャーで、お気楽)

期間:1年未満

年齢:31歳


4社目

年収:$A の220%(!!!)

ビザ:パートナービザ申請中のブリッジングビザ

会社:3社目

役職:デジタルプロデューサー(部下なし・売上額などの責任なし、という意味では割とお気楽)

期間:最近スタート

年齢:31歳


会社からビザをサポートしてもらう必要がなくなった瞬間、年収がドアップの転職に成功!つまるところ、ビザ問題は本当に大きい、という悲報でもある。苦笑

なお、シドニーだけでの経歴を見ると「経験数で年収もアップしてるじゃん」と見えますが、人生的には中国駐在時の25〜27歳がピークだった。なので、私は「いい給料との引き換えに、自分の好きな国で働くためのビザをもらえる」というモチベーション(?)で、年収ガクンと減ってもいいや〜と考えていた。強気のオージーのパートナーからは、それこそ「自分を安く売るな!」という叱責が飛んできたけれど(笑)「でもねー、実際問題さー、就労ビザってまあまあハードル高いんですよ、会社側が現地調達できないスキルと経験が必要だし、ビザサポートは費用が高いだけでなく、会社側も色んな書類の申請をしないといけないからね・・・」とグチグチと言いつつ、パートナーに叱責されてからは、給料交渉や転職に力を入れてみた筆者M。その具体的な体験談を以下で。

就労ビザ vs Myビザ

さて、「分かっとるわ!」って感じですが、「給料交渉」と「就職」の2つの観点から、こちらの図式で改めてビザ問題の現実を突き付けさせていただきます(笑)以下では、具体的に就労ビザが必要な時はどのように不利だったか、自分のビザに切り替わってからはどう有利に動いたか、を紹介していきます。あわせて、その経験から言える、アドバイス的なこともちょいちょい入れていきます。

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給与交渉の違い(就労ビザ vs Myビザ)

就労ビザ (不利):

1社目で、2年経った頃に初の給与交渉を試みた。その際に、事前に「担当売上高は、最低でも自分の年収のxx倍である必要がある」という明確な数字を持った説明をされ、計算をしてみたところ、当時私が担当した年間額はそれを余裕で超えていた。ラスボスに交渉する前に、他にも社内の先輩たちにも相談し、交渉の数字やロジックが通っていることを確認してから、自信満々にいざ出陣!

結果、なんと敗北(笑)

色々理由を言われつつ、真意はどうもビザの費用が高いから。なんと言ってもストレートに、「就労ビザのサポートにお金がかかってるから、同じオージーの役職の子と比べて、その分給料は低くなるよ」と言われた。ちなみに、これ違法なんだけどね(笑)でもまあ、雇われ側にいる分には、会社の最終判断は従わざるを得ないので、すぐ転職活動を開始。

そして、無事転職に成功したけど、2社目でも、採用時の給料交渉をした時にやっぱり「ビザ代が高いからきつい」と言われる。経験をアピールして、給料交渉ちょびっとできたけど、本当にちょっとだけだった。(笑)

ちなみに、ここは辞める際になんと、「ビザ申請費用返して」って言われた。違法であることを伝えたら、「いやそういう意味じゃなくて、エージェント代返して欲しいって意味だったけど大丈夫」という弁解にならない弁解を入れつつ引き下がったけど、それも違法なんだけど・・・という(笑)

なお、以下の通り、雇用主側はビザをスポンサーしている従業員に対して、「同じ役職のオージーと同等の収入を支払う義務がある」と「イミグレのエージェントの費用を含めて、リクルート時に発生したあらゆる費用を従業員に払わせてはいけない」と、どちらも移民法に明記されている。しかも、たった6つの項目しかないにも関わらず、残念ながら私の雇用主たちはそれを理解しないまま、ビザサポートをして人を雇っていたのが実情。せっかく法律が存在していても、雇用側と雇われ側両方が理解をしていないと法律に守ってもらえないので、せめて自分で自分を守れるよう、しっかりと自分の権利は理解しておきましょう。

Your rights under the Migration Act 1958

Under the Migration Act, your sponsor is required to meet a number of obligations which ensure that you are provided with appropriate terms and conditions of employment.

These obligations require your employer to:

provide you with equivalent pay to that of any Australian employee who has the same occupation as you in your workplace

only require you to perform duties that relate to your approved occupation

pay reasonable and necessary travel costs to allow you and your family members to leave Australia, if requested in writing by you, your family or Home Affairs on your behalf

not make you pay for any costs relating to your recruitment, or the costs associated with the business becoming or being an approved sponsor, including migration agent costs

make sure that you do not work for any other employers without authorisation

pay you in a manner that is capable of being verified by an independent person (e.g. electronic funds transfer or cheque).

なお、もし職場で何かしら違法・ルール違反なことがあれば、政府のfairworkに通告することで、現状の環境を改善することができたり、辞めた後でも多少なりとも今後の人たちのために改善することができたりもするので、ぜひご検討を。

fairworksの人に、詳細に相談したい場合は、名前や連絡先ありでのレポートが可能(登録が必要みたい)。

逆に、いざこざを避けたいけど、世のために通告はしておきたい場合は、匿名でレポート可能。会社情報の記入が必須になっているけど、もしそこも伏せたい場合は、てきとーに「xxxx」「xxx@gmail.com.au」「0000000」とか書き込んでもOKかと。

Myビザ (有利):

会社からのスポンサーがいらない かつ ワーホリみたいに期限がないビザになってからは、まだ一回しか給与交渉の機会はないですが、驚きの結果が。

今の会社を受ける際に、人事から希望最低年収を聞かれ、後で交渉の時に下げられる可能性を考慮して、まぁまぁ強気で提示したところ、オファーをもらった時に「ぜひうちに来て欲しい。提示頂いた額のxx%増しの年収で引き受けてもらえるだろうか?」と、まさかの結構増しでオファーされ、勢いよく「ぜひ!」と快諾。笑

「ビザあるだけで全然違う〜♪」とルンルンで喜んでいたら、後から、パートナーからは「交渉はそこからでしょ!なんで即OKしたん!?」って怒られたけど(笑)

パートナーによると、そもそも会社側から「年収はいくら希望?」って聞かれること自体おかしい、と。さらには「経験によるからなんとも言えない」とかいう人事はもってのほか、だと。確かに、仕事内容を把握しているのは会社側で、最低必要な経験値は会社側がわかっていることだから、せめて「経験値に応じて変わるけど、$xxxxスタート」くらいは言えるやろーって感じよね。日本の求人には絶対年収書いてあるよね。でも残念ながら、シドニーで結構求人を見てきたけど、結構な確率で会社側が求人に年収を提示していないケースが多い。

これから就活という方は、万一会社側から「希望年収はいくら?」と聞かれたら、こちらからの価格提示は避けるようにしつつ、向こうが考えている金額幅を聞き出すのがおすすめ。

もしこっちから希望年収を先に言ったら、「お!?本当はA出そうと思ってたけど、この人はBでも大丈夫なんだ。ラッキー!」なんてなる可能性も無きにしも非ずだし、もし向こうからの提示価格が超低かったら、それ以上面接を進める前に断れるしね。

就活時の違い(就労ビザ vs Myビザ)

就労ビザ (不利):

シドニーに来た当初から、1社目で経験をある程度経験を積んだら「日系以外の現地の会社で働くこと」を目標にしていて、まだ転職をする気がそこまでない時から転職活動はやっていたため、会社からビザサポートが必要な状態で3年近く就職活動はちょいちょいやってきて言えるのは、ビザ問題は本当に大きい。

一つは、そもそもアプライする時点で、「ビザサポートしていません」と明記されていて、その時点でふるいをかけられるパターン。

もう一つは、せっかく人事との1次面接まで辿り着いて、その面接がうまくいっても、「あ、次の面接に進む前に、そういえばビザってどんな状況?」と面接終了後に聞かれ、「あら残念、ごめんね、このポジション(or 会社)はビザサポートしていないのー。またビザの状況変わったらぜひ声かけてね。」パターン。(もしかしたら、本当は「こいつダメだわ」と思われ、断るための一番手っ取り早くて簡単な口実だったのかもしれないけど。笑)

一見「そしたら、事前に私ビザ必要ですって伝えておけば、無駄な時間が省けるじゃん!」と思うかもしれないけど、とりあえず面接まで進んで「本当はビザサポートする予定なかったけど、このポジションにぴったりな人材だし、出すか」となる可能性も狙いたいから、聞かれてもいないのに無闇に自ら面接前からビザについて言及する必要はないと思う。ちなみに、実際に筆者Mは2社目の時はその作戦で、なんとかビザサポートをゲット。

あと、万一面接後に「ビザ出していない」と言われたとしても、こちらとしては、貴重な生の面接の練習の機会になるから、時間の無駄にはならないと思う。そもそもビザなしで面接までたどり着ける機会が稀だからね、練習できる時に練習しておこう。

一つ、今も鮮明に覚えている筆者Mの体験談ですが、とある日リクルーターからLinkedInで声をかけられた求人についても触れておきたい(笑)リクルーターからビザについて事前に聞かれたため、ビザサポートが必要であることは伝えていて、リクルーターからは「大きい会社だし、給料もめちゃめちゃいいから、それくらい大丈夫!」と言われていたのに、まさかの3次面接前に「会社の方針で、どの役職でも全員最初の12ヶ月は契約社員からスタートして、その後正社員になる流れだから、初めからのビザサポートはしないらしい」と言われたことがある(笑)

私からしたら、面接の練習になったし、2次面接してくれた人と仲良くなったし、その方にダメだった報告したら「流石に面接の時は言わなかったけど、実は私も入社前に言われていたことと色々ギャップがあって、あんまりおすすめしないんだよね〜」と言われたし、結果オーライなんだけど、本当使えないリクルーターだった(笑)

ということで、ビザサポートが必要な状態での就活はなかなか難しいのが実情、という悲報でした(笑)

でもでも、事前にその心構えができていれば、「今すぐは転職するつもりないけど、近い将来したいと思っている」という人でも、今のうちから動くことが大事だとわかってもらえるかと。とにかくたくさんCVやカバーレターを書いて、実際にどんな書類を書くと通るか・落とされるかをみてみて、コツコツと書類をブラッシュアップしていくのがおすすめ。客観的に見てもらうためにも、周りにも見せてみましょう。

もし面接まで辿り着けたら、そこに就職するつもりがなくても、生の面接の機会ってなかなかないから有休を取ってでも、行くべきだと思う。とにかく、書類も面接も、トライアンドエラーで、ブラッシュアップ!

Myビザ (有利):

今の会社も、やっぱり最初の面接で聞かれた質問の一つはビザ。必要であればスポンサーしてもらえそうな雰囲気はあったけど、やっぱりあった方がスイスイと進んだ気がする。あと、実際に働くことが決まってから、色々と身分証明関係の書類の提出が求められ、その中でビザの証明書の提出も含まれていた。

あと、ビザサポートをされている間は基本的に「その会社を辞める=国外追放」になるけど、自分のビザであれば、万一仕事をしたくない時期が出てもフリーターになる選択肢もある、というのが精神的にも有難い。実際に、筆者Mはパートナービザを申請すると決めた日に2社目に退職届を出して、次の仕事は妥協をしたくないと思い、本当にやりたい仕事が見つかるまで2ヶ月くらいフリーランスという名のフリーターをした(笑)

あとあと、やっぱりチャンスがかなり増える。就労ビザのサポートが必要な時は、会社側に「この特殊な役職は、現地人ではなかなか見つからないから、ビザサポート代と労力を欠けてまでもこの人を雇いたい」と思われる必要があるため、やっぱり日本人的には「特殊スキル + 日本語必須」のポジションとかに限られてくる。ビザサポートがいらなくなると、全然自分の持っているスキルだけで、一般オージーと同じ土俵に上がることができる。筆者Mは今も日本語必須のポジションなんだけどね(笑)でもそれは自分が望んでいるか、やむを得ないのか、で全然モチベーション違う。

まとめ


想像していた通りって感じだったかもしれないですが、なかなか他の人の経験や実情、特に給料あたりについて詳しく聞けることってないのかなーと思うので、少しでも参考になっていれば嬉しい限りです。

さて、精神論みたいなの多くなっちゃったけど(笑)、3年ほどビザ問題に悩まされ、色々就職活動もやってきた筆者Mの独り言アドバイスを、改めて以下にまとめます。

その一

自分を安く売るな。数社程度で「海外では自分の価値はこんなもんか」と諦めず、100社くらい受ける勢いでがんばれ。

その二

とにかくCVとカバーレターは、書いて書いて書きまくる。周りにも読んでもらって、建設的なフィードバックをもらおう。

その三

面接の練習は、やっぱり本番が一番。まだ転職する予定はなくても、将来的にスキルアップのために転職したい場合は、今のうちから時間を見つけてプレ転職活動をしてみよう。練習になるし、自分のその時点での市場価値を理解するのにも良い。

その四

せっかく従業員を守る法律が存在していても、雇用側と雇われ側両方が理解をしていないと法律に守ってもらえないので、せめて自分で自分を守れるよう、しっかりと自分の権利は理解しておくこと。

以上!

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