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GAFAの人にオンディマンドと言われて音韻論に想いを馳せた話

こんな会話をしたんです

私「オンデマンドですか?」
彼「はい、オンディマンドです。」

僕は、英語を仕事にしています。

というのは、つまり通訳や翻訳、英語を教える事を生業としているのですが、エンタメ業界にいたので、英語を使った広告代理店業的な仕事もしています。
例えば、

日本のクライアントから

アメリカのこのデザイナーと一緒に仕事をしたい

とか。逆にアメリカのクライアントから

日本のこんなような人を起用した広告キャンペーンを打ちたい

とか。そんなものを微力ながらお手伝いさせていただいています。通訳の延長のプロジェクトマネジメントみたいな感じです。

ただ、英語を教えている職業病なのか、取引先や周りの皆様の使う英語に、変なところが気にかかったりしてしまって困ることもあるのです。

いちどお会いしたGAFA(GAMA?)の内の1社の担当者の方。アメリカに在住の日本人の方だったのですが、ある映像の配信形式の話をしていて、そこで発生したのが冒頭の会話だったのです。

「え?オン『ディ』マンド?」

私「オンデマンドですか?」
彼「はい、オンディマンドです。」

会話の内容に集中しなければならないはずなのですが、未熟な僕の頭の中は「オンディマンド?????」となってしまうのです。

もーぐいぐいひっかかってます。

解説: ひっかかったのは母音の発音

何にひっかかったのかというと
demand
この最初のシラブル "de" は
FLEECEじゃなくて
KITまたはSchwa

つまり
/dɪˈmɑːnd/または/dəˈmɑːnd/
/diːˈmɑːnd/じゃないのです。
聴いてみる

つまりつまり
digital デジタル
とか
delivery デリバリー
と一緒の母音で

detail ディテール
とか
deep ディープ
とは違う母音なんです。

だから…
「ディ」じゃないでしょ!「ディ」じゃ!

と心の中でなってしまったんです。反省。
別にそんなとこ気にしなくてもいいのに。

ディザイン、ディパート、ディバイス???

でも気になりません?

デザインをディザイン
デパートをディパート
デバイスをディバイス

と言ってしまうのと同じことなんですよ?
(全てschwaまたはKIT)

伝わってほしいなぁこの気持ち。

ディフェンスの「ディ」とドメスティックの「ド」は同じ母音

といっても、この法則を当てはめると

debateもディベートじゃなくてデベート
defenceもディフェンスじゃなくてデフェンス
decideもディサイドじゃなくてデサイド

となるはずなのですけれど。
これらは「ディ」が広くカタカナ英語で受け入れられてしまっていますね。なぜかしら。

ちなみにdomesticの「ド」も同じ発音です。

defence /d ə f ɛ́ n s/
domestic /d ə m ɛ́ s t ɪ k/

カタカナ英語はアルファベットに引っ張られてる運命なのですね。

以上、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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