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アラヒフノウタ 〜団塊Jr.〜 #25

25   我走学道


高台にある白い校舎

その白い校舎は3階建
3階の窓から見える筑波山
あそこが関東平野の末端で
あそこからこっちが関東平野

高波という地区から小張という地区
一本の県道でつながる

その小張という地区に小学校があった
家から小学校まで歩いて30分
別に普通に歩いても遅刻ではないけれど
濃紺の手提げかばんの持ち手に腕を通して
揺れを押さえるように脇に抱える

春休みが終わって桜が咲いて
花びらが散っていく
新学期が始まる日

高波から小張までの県道の脇
沿道で小旗振る黄色いタンポポ
足を止めて田んぼの用水路を見れば
きっとメダカの学校も新学期
でもオイラは走る
メダカの小学校に通うわけではない

人間の小学校に通う小学校4年生
手提げ鞄を右脇に抱えながら走れば
黄色いスクール帽が揺れる

高波から小張まで続く県道
車だとそのまま道なりに進む
でも黄色いスクール帽は
途中を右に曲がる
それが通学路

たしかな記憶が曖昧だけれど
愛宕住宅と呼ばれた地区
その地区を越えた辺りを右に曲がる
そこからは田んぼ道を走る

小さな谷、小さな丘を2つ越えた
自然の起伏が残る
住宅が少ない小さな村だった

建物そのものがないからこそ
自然の起伏が素直に感じられた

田んぼ、畑、雑木林
景色は繰り返す

最後の坂

走り上がれば見えてくる
3階建ての白い建物

オイラが卒業した小張小学校



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