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結果ではなく楽しむために。

これはもう昔のこと。私がホームページで書いていた日記を、ある出版社の編集者から”出版しませんか?”というメールをいただき、後日、その編集者と会ったときのこと。

「こんな無名の私なんかの本を出版してもいいのでしょうか?本当に売れるのでしょうか?逆に損をして迷惑をかけないでしょうか?」

私は不安で、そんなことを聞いたのだ。

その編集者の方は、60代くらいの男性だった。遠方からわざわざ私に会いに来てくれた。その人は、喫茶店のよく冷えた珈琲を一口飲むと、優しい笑顔で私にこう、話してくれた。

「僕はこの仕事を長くしているのですが、いつも、こう思うんですよ。僕は僕の好きな本を、この世に生み出したい。ただ、それだけなんです。僕にとって結果は問題じゃないんです。大切なのは自分の好きな想いを作り出すことなんです」

私はこの言葉で、出版を決意したのだった。

今も仕事をしていて迷ったとき、時々、この言葉を思い出すことがある。そのとき私は「今、この仕事を楽しめているだろうか?」と考えるのだ。

結果は問題じゃない。結果なんて、あとからついてくる。こんなことを言うと、会社のエライさんから叱られそうだけど、それでいいのだ。その仕事の過程と作り上げることに熱中し、楽しめばそれで十分なんだ。

今朝はとても気持ちよく晴れている。

今日もがんばろう。そして、楽しもう。
その仕事をすることで、きっと生まれる笑顔のために。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一