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ゴールデンウィークとウナギ

今日の授業でどうも学生がソワソワしていると思ったのですが、それもそのはず、私の授業が終わったら待ちかねたゴールデンウィークなのですね。それは確かに心ここにあらずになるか(苦笑)。

この時期になると必ず思い出すのが大学1年のゴールデンウィークのこと。

前にも書いたように、私が大学生になったときはサークル勧誘花盛りでした。気になるところを見学しにいくと、すぐに「新歓コンパだ」といってゴハン食べさせてもらったりしたものです。たくさんのサークルを見に行っていろんな先輩と話をして、どのサークルにするかをちょっとずつ絞り込んでいった覚えがあります。

で、ゴールデンウィーク。

入りたいと思ったサークルには「ゴールデンウィーク合宿」なるものがあったのですよ。合宿と称した遠足みたいなもので、そこで親睦を深めるわけですね。バス一台を借り切っているので人数が増えるほど参加費は安くなるというファジーなシステムでしたねえ(今こういうアバウトな方法は出来ないのでは)。

当時両親は離れて暮らす父の両親(私から見ると祖父母)のところに足しげく通っていて、この年のゴールデンウィークも祖父母のところで過ごすとのこと。姉も友達の別荘(!!)に遊びに行くとかで、それなら私も気兼ねなくサークル合宿に参加しようとウキウキしていたのです。

ところがどっこいですよ。両親も姉もいない家で合宿の準備をしていたら、急激に体調が悪くなってしまいました。原因はよくわからないのですが、大学に入学して、慣れない長時間通学が始まって(高校時代は徒歩数分だったのに、大学は電車で片道1時間半)、授業だサークルだバイトだと新しいことが次々あったわけですからね。ずっと気を張り詰めていたのがゴールデンウィークで突然緩んで、たまっていた疲れがドッと出てしまったのだと思います。

そんなわけで結局合宿はキャンセルして、誰もいない自宅でフラフラしながら冷凍庫の中身をあさる数日を過ごしました。

ゴールデンウィーク終盤に両親が帰宅したとき、合宿に行って楽しんでいるはずの私が暗い顔をしてパジャマのままうどんをすすっているのを見て、母親が絶句。

すごい勢いで買い物に行ったと思ったら、ウナギを買ってきてくれたのでした。私があまりにしょぼくれているので、元気出してもらおうと思ったのですって。

それからもう数十年経っているのですが、ゴールデンウィークの頃になると必ずこのことを思い出します。今日の授業に出ていた大学1年生諸君も、今日久しぶりに実家に帰って張り詰めていたものが急に緩んでいることでしょう。体調を崩さないよう願うばかり。