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思い出のアメリカン・フード

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子ども時代・大学院生時代にアメリカ合衆国に住み、その後もたびたび訪米した経験から、アメリカの食に関わる話題で書くエッセイシリーズです。
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#アメリカ

思い出のアメリカン・フード(8: クリスマスとみかん)

第8章 アメリカのクリスマスと籠盛りみかん  大学院生時代、米国ワシントン州の友人宅にクリ…

思い出のアメリカン・フード (7:アメリカの名もなきスイーツ)

第7章 アメリカの名もなきスイーツ 外国文化、特に食文化や服飾雑貨など、目に見えるモノの…

思い出のアメリカン・フード (4: りんご、アップルサイダー)

第4章 りんごの季節、アップルサイダーの季節  りんごの季節が始まると、心が浮き立つ。ここ…

思い出のアメリカン・フード (3:ボストンクリームパイ)

第3章 ボストンクリームパイというケーキ  パイというものには二種類ある。一つはフランス式…

思い出のアメリカン・フード (2:レモネード)

第2章 子どもたちが売るレモネード 「夏休み」から連想される定番の飲み物といえば、日本では…

思い出のアメリカン・フード (1:ベリー類)

第1章 ベリー類:ハックルベリーとマリオンベリー アメリカの食についてひとつ特徴を挙げる…

思い出のアメリカン・フード (0:はじめに)

はじめに きっかけは、「大将」の質問だった。 「アメリカには、美味しいものってあるの?」  彼は母方の親族で、滋賀県で料理旅館を営んでおり、料理長として皆から「大将」と呼ばれている。有名料理学校で和洋中の技術を学び、アジア各地を食べ歩き、料理人として豊富な経験を持つ人である。わたしはアメリカ史研究者で、この旅館で行われる研究会の打ち合わせを大将と始めようとしていたところだった。 「それはもちろん、ありますよ。世界中から人が移住しているので、いろんな国の料理が食べられます」 「