見出し画像

小津安二郎【朗かに歩め】|お洒落な小津のサイレント

日本映画 無声|1930年|95分|U-NEXT

■小津安二郎、サイレント時代のシャシン

小津安二郎がアメリカ映画に影響を受けていた頃のシャシン。
ヤクザ者の主人公・謙二が、真面目なOL・やす江に惚れて、ヤクザから足を洗って変わろうとする話。
女のために変わろうとする男という点では、同じく小津のサイレントの傑作ノワール【非常線の女】と通じるところがあります。

小津がアメリカ映画に傾倒して作った作品で、作品中には自動車、ゴルフ、タイピスト、ピクニック、アパート、ベッド、洋服など、当時の日本の生活様式の中ではなじみのない洋風のものが登場し、主人公たちがモボ・モガであるなど、ハイカラ趣味を示している作品となった。また、俯瞰や移動撮影(自動車の走行シーンなど)の使用や、ツーショットで2名の人物が向かいあって会話するなど、後の小津映画にはない技法や演出が見られる。

Wikipedia

■映画の本質はサイレントにある

映画とはなにか?というと
サイレント映画を観れば、その答えの尻尾をつかめるように思います。
運動を見せる、ということが”映画”の本質だと解釈していますが、
となると、サイレント映画での動きの演出や演技こそが”映画”を生み出していると考えています。

また、運動を見せることが映画ならば、画面の中の運動を見ることが、映画を観るということに他ならないと解釈しています。

サイレント時代の小津安二郎のシャシンは、画面の中の運動としても、とても面白くて、名人芸だと思います。
今回の【朗らかに歩め】でも、役者の手の動きのアップなど見ても、とても気をつかって撮られいます。

■サイレントを経験した監督

小津安二郎や溝口健二雨や成瀬巳喜男、そして山中貞雄は、サイレントを撮ってきた下地を持つ監督ですが、例えば黒澤明は違います。
ちなみに、ジョン・フォードもサイレント映画を経験しています。
ここには、映画演出の差が、あるようです。

■YouTubeにあった全編

Wikipedia【朗らかに歩め】

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?