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雪国の暮らしの豊かさ〜すきとおった本当の食べ物をあなたもどうぞ〜

昨朝は遠方よりわざわざ来てくださった知人を西和賀の凍てつく朝に案内してきた。霧氷や堅雪、ダイヤモンドダスト、サンピラーといった西和賀でも一冬に数回しか見られない現象が同時に見られた朝に。

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朝6時から歩きはじめ、7時頃朝日が昇った。戻り始めた8時頃には霧氷はもう溶けかけて普段の日常に戻る。これが一瞬の煌めき。

太陽はもう春になり、多くの地元の人達の高揚感を感じた。それは、雪あかりという年に一回のお祭りがコロナで中止になったにも関わらず、家の前に雪像を作っている人たちの動向から感じられる。

実はちょっと心配していたことがあった。雪あかりという“イベント”が中止になって、希望する家庭にロウソクが12個配られたことはいいが、もし誰も何も作らずそのままこの日が無かったことにされるのではないかと。でもそんなことは杞憂に終わった。夕方自宅の前にせっせと拙い雪像を作ってたら、近所のおばさんが手伝ってくれた。おばさんはひとり暮らしで、屋根から落ちた雪の除雪をいつも一人でしている。「雪はもう嫌だ」と言いながら、雪あかりに積極的に関わる姿を見て、この町に暮らすことに誇りが持てた。

朝6時から案内した知人に対して特に何かのプランを決めていたわけでなく、自分が幸せに感じる朝日を浴びてからその日を決めた。私の家族・友人の紹介や大氷柱へのチャレンジ、甌穴がある私も行ったことがなかったスポットへの同行、ネビラキデッキでのコーヒータイム、そして雪あかりづくり。冬の終わりが近づくことを知らせる春の光にきっと何かが含まれていて、私は昨日という1日がとてもハッピーだった。

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これこそが、春が来る喜びと冬が終わってしまう寂しさが詰まった何が出でるかわからない“暮らしの福袋”だ。


そして最後にもう一つ嬉しかったのは、昨日まる1日案内して、でもこれまでたった2回しかあったことが無かった知人が、深夜起こった地震に対して心配のメッセージをくださったこと。


結構強い地震でしたがこちらは大丈夫です。


朝歩いた雪の上にたくさんの足跡がついていた。その中の一つのキツネの足跡はきっと星の王子さまに出てくるキツネだったんだろう。


雪国の暮らしが絆を結ばせてくれた。

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好きなことを仕事にしたいと周りに公言したとき、「霞を食べては人は生きていけない」と言われた。

でも雪国の暮らし、苦しい除雪の日々の中で時折訪れる一瞬の煌めきを見に行ける喜びを感じたとき、この世に生きていてよかったと心から感じる。今日も明日も力強く生きようと思える。

私にとって大切な日々の栄養や活力になるのはこのすきとおった本当の食べ物をほんのちょっと食べること。

すきとおった本当の食べ物をあなたもどうぞ。

zen


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