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初心に戻って未来を語ってみる〜ネビラキカフェ2ndシーズン

2020年はネビラキカフェのオープン&初めての子どもを出産、文字通り「産む」年でした。2年目の今年は「育てる」年。これからが本当に大変で、やりがいがあって、楽しくなっていく、予感。


簡単なふり返りと今おもうこと

4月からのカフェ再開まで一ヶ月を切った。焦る。昨年作ったメニュー等のベースはあるけど、同じことを同じやり方ではできない。例えば、昨年はたった11個のパンを毎日手捏ねで焼くという非効率的なことをしていて、それだって売上を作る上でバカにできなかったんだけど、今年はもっと要領よくしないと育児と両立できない。狭い厨房のキャパなりに効率化を図ることは、今年のテーマの一つ。

一方で、効率化しつつお店を去年と同じレベルで維持するだけでいいのかといえば、それも違う。子どもが生まれてから、この町で子育てすることのメリットとデメリットをよく考える。そして10年後のこの町の姿を想像する。でも結局のところ、良い町になるかどうかは、1年1年、私達がどう暮らしをつくるかにかかっている。選択肢の多い東京(都市)では“選ぶ“ことで暮らしを形作っていけるけど、ここでは欲しいものは作らないと手に入らない。この小規模感は、面白さであり、希望でもある。

・・・なんてことをつらつら考えつつ、初心を振り返って理想形を言葉にしておきたい。

原点は、「世なおしは、食なおし。」

これは去年まで働いていた東北食べる通信創刊時のコピーだ。食べる通信以前から、食に関わるいろんな仕事をする中で、根底にはこの思いがあった。飢餓が世界から消えない一方で、食品ロスや売れない野菜の廃棄が問題になっている。食べ物を生み出してくれる自然は、膨れ上がった人口と欲望に収奪されて疲弊している。そのしわ寄せは、自然と経済の板挟みになった生産者が被っている。日本食を代表する豆腐や納豆の製造はほぼ機械化されて、職人がいるような中小メーカーは風前のともし火。日本の食文化に欠かせない大豆は輸入に大きく依存している、などなど。食と社会と人の問題は広範で多岐に渡るけど、課題に立ち向かう糸口は、分断された消費者と生産者のつながりを回復すること。農水省時代から漠然と考えていたことは、冒頭の食べる通信のコピーを見た時に「それや!」と腹落ちした。

さて、ずいぶん大きな話から入ってしまったけど、カフェ(=食に関わる仕事)を続ける以上、少しでも、生産者と消費者をつなぎ、西和賀と外をつなぎ、切り捨てられかけている地方の力の回復の一助になりたい、と思うわけです。

西和賀町という環境

はっきり言って、デフレの町である。町で唯一のスーパーオセンは、激安スーパーとして近隣市町村からも買い物に来るほどで、おかげで家計は助かっているが、この感覚に慣れてしまうと、安くて当たり前みたいになってしまう。実際、かなりレベルの高いお菓子が比較的安かったり、地元の人が高いと言っていた店に行ってみたらお値打ちだったり、また、地元の酪農家のブラウンスイス牛を使ったシャルキュトリーとワインのイベントの参加費が3000円くらいだったりする。いや、これ他のところだったら倍くらいの価格するんじゃない?と思う。そういえばジャズコンサートも美味しいご飯つきで2000円と破格だった。いくら地元向けで、儲けが目的じゃないとはいっても。

こういうデフレ下では、値段の付け方が悩ましい。まず値段で判断されてしまいそうな気がする。でも前述の「食なおし」的視点からは、良いものを適正価格で売れるようにしていきたいし、稼げる地域にならないと町の未来も暗いと思う。この町にはちゃんと良いものがあるから、それを伝えるアンテナショップ的役割をしたい。とはいえ、町の人たちのためのカフェになりたいという想いもあって、気軽に訪れやすい値段もとても重要で。葛藤は尽きないけど、町の人たちにとっての利用しやすさと外の価格基準に合わせていくことを、工夫しながら両立させていきたい。


町の特徴のもうひとつは、競合がいないこと。かつてはお店があったのに、今なくなっちゃったのは、お客さんの潜在的人数が少なくて儲からないから?体力的にしんどいから?後者は仕方ないけど、前者ならば、いまここでお店やってたらむしろ一人勝ちだよなぁって思う。私達も時々町の食堂へ行くけど、いつも混んでいる。

競合がいないどころか、チャンスロスをしているくらいだ。昨夏、錦秋湖大滝のライトアップを町がやっていて、かなりな人数が町を訪れたはずだけど、ライトアップが綺麗な夕方〜夜の時間にはお店はどこもやっていなくて、お金が町に落ちなかった

こんな状況だから、お店をやるのは楽じゃないけど、やってみる価値はある。競合が出てきたってそれは脅威ではなくて、外から来る人にとっては選択肢がいくつもあるという町の魅力になり、通う動機になる

チャンスはあるんだよ〜。一緒にやりましょ〜! 

という話をこれからします↓↓

2年目の展望

前置きが長くなってしまったけど、2年目の今年は去年手を出せなかったけど要望の多かったランチをやりたいと思います。そこでは、地元の食材はもとより、東北食べる通信で知り合った生産者さんの食材も取り入れていくつもりです。

いずれは夜の営業もやりたくて(デザートより酒が好き!)、なんだけど、然とやってるエコツアーガイドの仕事もいつか復活したいとか、子どもと一緒にいる時間とか考えるとどうしたって手が足りない。

だから一緒に働いてくれる人を募集します。まだオペレーションも試行錯誤中だからすぐにとは行かないけど、来年くらいに徐々にカフェタイムを任せられるようになっていきたいと思っています。今年は冬季の予定が立たないので期間限定の募集ですが、3年以内に正社員で雇えるようになるのが目標です。今年で言えば、育児しながらのオペレーション(ちょいちょい私が抜ける)にご理解いただける方にお願いしたいです。


ご応募お待ちしております〜。

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