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■ 其の177 ■ 広島県公立入試では、事実上の調査書廃止

2年前、広島県の公立入試がガラリと変わりました。
この事に触れようと思ったのは、医師の木下博勝さんが発言された記事を読んだからです。

 プロレスラー・ジャガー横田(62)の夫で医師・木下博勝氏(56)が9日、自身のインスタグラムを更新。「青年革命家」を名乗るユーチューバー・ゆたぼん(15)が県立高校の受験で不合格になった要因とされる内申点について私見をつづった。
 木下氏は、ゆたぼんが自己採点で高校に合格した友人よりもテストの得点が高かったにもかかわらず、中1、2年で不登校だったことが響き内申点が低かったため不合格だったと自己分析していたことに触れ「自分の弟の時と同じかぶってしまって、こころが痛くなりました」とつづった。
 木下氏の弟は「志望校に不合格だったのですが、合格した同級生よりは得点は、はるかに上でした。弟の内申点が悪い理由は、定期試験が悪いわけでも、不登校や遅刻が多いわけでも無く、単に先生に嫌われていて、授業態度が悪いと判断された為でした。



🔴公立高校入試はそれまで、内申点と入試当日のテストがほぼ半々でした。           

┃  17%  ┃  17%  ┃  17%  ┃      49%     ┃

 内申1年 内申2年  内申3年            当日のテスト


🔴これが大きく変更され、内申点は三年分で2割、当日のテストが6割、
あらたに始めた「自己表現」が2割となりました。
入試改革としては劇的変化だと思います。

┃   20%   ┃    20%   ┃                   60%                    ┃

   内申三年間   自己表現                            当日のテスト

🔴配分だけでなく、内容的にも以下のように大きく変更されました。
 調査書は「通知表の数値」だけになり、先生の所見、出欠やクラブ活動な
 どの記録は書かない。 
 なので、先生からどう見られているかを気にしなくてもよくなった。
 遅刻や欠席を気にしなくてもいいし、不登校でも不利にならない。
 また、よい評価が欲しくてクラブや生徒会活動などをする必要もない。
 ただし、それを補うモノとして「自己表現」を行う。
 自己表現とは、完全自由な自己プレゼンです。
 部活、趣味、特技、夢や目標、関心がある事柄などからテーマを選定。
 作品や写真、資料やフリップなどを準備し、それらを使って5分ほどで発
 表をする。ダンスを踊る、落語をするなどもOKなくらい自由。
 なお評価はほぼ全員が20点中16点はもらえます。
 結論としては‥‥同じ高校を受験する生徒同士では、内申点と自己表現は
 あまり差がつかないので、当日テストによる実力勝負になりました。
 ゆたぽんも、広島県だったら合格していたかもしれません。

 
 ところで、これだけ大きな変更をした理由の一つとして考えられているのが、2016年の事件です(最後に記事)。この事件があった当日、わたしの所にも当該中学から「そちらの塾に、中三の生徒が通っていませんか」という電話が掛かってきました。事情を知っている者がいないかの確認だったのでしょう。

広島県府中町立中学の3年男子生徒が昨年12月、誤った万引記録に基づく進路指導の直後に自ら命を絶った。生徒は2年前に起きた万引事件のとき、生徒指導会議で自分の氏名を取り違えられてパソコンのデータに入力されていた。
学校の報告によると、生徒が1年生のとき、広島市内のコンビニ店で別の生徒2人が万引をした。店からの通報で出向いた教師は生徒指導の教師にその顛末(てんまつ)を口頭で連絡し、連絡を受けた教師がパソコンに誤って男子生徒の氏名を入力したという。後日の生徒指導会議でコンビニ店に出向いた教師が配布資料に記載された氏名が違っていることに気づいて指摘し、出席者は当日配布された資料を直した。しかし記録を保存するパソコンのデータは修正されないままに、誤った万引記録に基づいて進路指導がされていた。
担任教師が生徒に個人面談したのは計5回とされているが、それは教室前の廊下で立ち話のような1回5分ほどの短いもので、私立高校受験に際して校長推薦ができない理由を告げるものだった。面談で、生徒から2年前の万引についてハッキリした否定の意思表示がないため担任教師はパソコンに記録されているデータの誤りに気づかなかったという。ちなみに、担任教師は2年前の生徒指導会議の内容を知らなかった。
「なぜ生徒は自分が万引したのではないと、ハッキリ担任の先生に言わなかったのか、それが不思議だ」と多くの人は思うが、それは大人だから言えることではないだろうか。
パソコンに入力された誤ったデータを信じて万引の事実の確認を迫る担任教師に濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)であることを説明するためには、2年前に万引したのは自分ではなく友人の2人であることを改めて話さなければならない。
ところで、亡くなった翌日の全校集会で学校長は生徒の死因は「急性心不全」と伝えて自殺の事実を伏せていたという。

産経新聞の記事より抜粋


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