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ワインブックレビュー 『毎日のワイン手帳』 講談社プラスアルファ新書

田崎真也 著
講談社
2000/7/1 253p  940円(税別)

今から20年以上前の2000年発行です。
1997年頃に、赤ワインブームがおきました。
フランス人は肉類をたくさん食べるのに、健康な人が多いのはどうしてか?
それは赤ワインを飲んでいるせいでは無いのか?
原因はなんだろう?
赤ワインに多いポリフェノールを多く摂取しているおかげでは無いのか?
ポリフェノールは抗酸化作用や血圧降下、殺菌効果、抗がん作用などの健康作用があり、そのせいでは?
など、これらの事を「フレンチパラドックス」と言っていた頃です。
当時はワインは今ほど一般的では無く、あまり飲まれていませんでした。
ですが、普通に飲まれるようになり、消費量も1988年から1998年の10年で3倍近くになりました。
ワインを毎日飲むというのが、特別でなくなった時代でした。
その時に、日本一有名なソムリエの田崎真也さんが出したのがこの本です。

『毎日のワイン手帳』の目次としては
●自分のワイン手帳を作るー選び方のコツのコツ
●失敗しない一本を選ぶーあなたがソムリエ

・デート篇
・ホームパーティ篇
・アウトドア篇
・季節篇
●喜んでもらえる一本を選ぶーお祝い、記念日、贈答編
・お祝い、記念日編
・贈答篇
●料理をグンと美味しくする一本ー料理とワインの微妙な関係
・肉料理篇
・魚介料理篇
・中華料理篇
・パスタ篇
・日常のお惣菜篇
●肉、魚介、中華、パスタ編ー
●おすすめ&注目のワイン30篇
●ワインの簡単基礎知識

料理やシチューションに合わせたQuestionがあり、田崎さんがAnswerで答える形式で書かれています。
例題をあげると
Question
「すき焼きにワインはピンときませんが、合うワインがあれば教えてください。」
田崎さんのAnswer
「すき焼きというと、特有の甘味のある割り下ですね。それに肉の他にネギやエノキダケなど、やや土の香りのする食材を使います。この条件によく合うのは、ピノ・ノワール種やメルロー種のワインです。」などと言うように答えに合ったワインを紹介していく形式になっています。

Questionの数は46問。それに対し、選んだワインは768本。
ここで選んだワインは、すべてこれまで田崎さんが飲んできたもので、その1本1本に、テイスティングコメントと造り手や産地などのデータもつけられている労作です。

この頃は、今ほど情報もあまりなく、ワインのことを知りたいという意欲のある読者も多かったよなぁ。
最近ならネットで、簡単に真偽は別として、情報だけは溢れいて、いろいろと調べられるし、ワインだって通販で、レアなモノ以外は購入出来る。
昔の方がワインに対する熱量や飢餓感があったのかも知れないよなぁ。

しかし、20年経っても日本一有名なソムリエは、田崎真也さんなんですよねぇ。
今でも「ソムリエ 日本人 有名」でググると
・田崎 真也
・勝山 研二
・森 覚
・石田 博
・中本 聡文
・岩田 渉
と出てきて一番最初には田崎真也が出てきますから。
これってスゴイよなぁ。
なんて事を、この本を読み返しながら思いました。

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