シーン02

展覧会への道

絵が大好き沢山描いてるけど、誰にも見せた事がない君へ

大好きでずっと絵を描いてきたけど展覧会をした事がない。
展覧会をしてみたいけど、どうやったらいいのかわからない?
開催するにはハードルが高い。
と思っている人がいるんじゃないかな。と思ったので
展覧会を開催するには、どんな事をすればいいのかを今回の僕の個展「PICNIC」の話を例に出しつつ、ツイッターの #展覧会への道 で制作の様子も挟みつつ。書いてみることにしました。

沢山絵を描いて来たけど、誰にも見せていない。という人向けの内容になっています。

絵を描く人の最初のハードルは人に見てもらうこと。
最近はSNSで見てもらえるのでハードルはかなり下がって来たように思いますが、SNSにあげて見てもらうのと実際に目の前の人に絵を見てもらうのだと緊張感が全然違います。
展覧会をして生で人に見てもらって反応や感想を聞く事で、得られるのもは作品を制作する上で、かなり大きい糧になると思います。

僕は2005年の初個展から今までの13年間で合計21回の個展をやってきました。どんな事も初めは、どうやっていいのかわからないし。怖かったりしますよね。
でも1回やってみると「な〜んだ怖くないやん。僕でも出来た!」みたいな感じになることが多い。そんな初めての展覧会をするためにしなかればいけない事を考えてみました。


展覧会を開催するまでの道のり
1.ギャラリーを探す
2.ギャラリーを決める
3.展覧会のテーマを考える
4.作品を制作する
5.展示プランを考える
6.展示する


1.ギャラリーを探す

展覧会をする決心がついたらまずはギャラリーを探しましょう。
どこでやるか?どんな人に見てもらいたいか?
そこを考えるのは重要です。誰もいない山奥でやってもなかなか見てもらうのは難しいですよね。
絵を描くのが好きな人は展覧会を見にいく機会は多いと思いますが
いろんな展覧会を見ると、ギャラリーごとに展示している絵の雰囲気や作家さんの雰囲気が違う事に気づくと思います。
このギャラリーはいつも自分好みの作家さんが展示してるな。とか面白い企画展をやってるな。とか。

無数にあるギャラリーで自分の絵がどのギャラリーと相性が良さそうか。考えてみてください。
客観的に自分の絵が見れなくて、どのギャラリーに合うのかわからない人は友だちに聞いてみるといいと思います。

2.ギャラリーを決める

やりたいギャラリーが絞れたら、次はそこで展覧会を出来るのかを確認しなければなりません。
ギャラリーのレンタル代を払えば誰でも展示が出来るギャラリーから
オーナーさんに見てもらって、展示してもOKと思ってもらえなければ展示が出来ないギャラリーまで、ギャラリーにも色々あります。
人気のギャラリーは1年、2年先まで予約でいっぱい。というようなところもあります。

僕の場合。展覧会をやりたいギャラリーがあった時は、作品のファイルや原画を持ってギャラリーに行って直接見てもらってから、展覧会がしたいです。と伝えていました。いきなり作品を持って展示期間中に行くのは、展示している作家さんにもオーナーさんにも迷惑がかかるかもしれないので、アポを取ってから見てもらいましょう。

ギャラリーが決まったら、展示の時期と期間を決めます。
ギャラリーは日にちで貸しているところから、1週間単位で貸しているところまで、いろいろあります。
気になるギャラリーのレンタル代は、1週間で安いところだと5万円くらい。
高いところだと2~30万円。ぼくが聞いた中で一番高いところは50万円というところもあるようです。

お金を払って展覧会をするだけじゃなくて、ギャラリー側から展覧会を企画してくれて無料で展覧会が出来る事もあります。

また個展じゃなくて企画の公募展などもあり、1点や2点だけの参加も出来たりします。参加費は1000とか3000円とかで展示が出来ます。
どうしてもいきなりの個展はハードルが高すぎるなぁと言う方は、企画展やグループ展から参加するといいかもしれません。

3.展覧会のテーマを決める

ギャラリーが決まったら、次はどんな展示にしたいのか考えます。
今まで描き貯めた作品を一気に展示して見てもらうのか。
新たにテーマを決めて展覧会用に描き下ろすのか。

本当にたくさん描いていて、作品がめちゃめちゃ溜まっている人は、それを選定して展示する事もいいと思います。
僕の場合。今までの展覧会は、ほぼほぼテーマを決めて新作描き下ろしでやってきました。
絵本を出版した時や、急遽展覧会をやってくれと頼まれて決まった展覧会の時は、すでに出来ている作品を展示した事もあります。

テーマを決めて描く事は作品に統一性が出るので見る人にとって
見やすかったり楽しめるポイントだったりします。

4.作品を制作をする

テーマが決まったら作品を制作していきます。(すでに作品がある場合は、その中から展示したいものを選んでください)

僕は、ここが一番ワクワクして楽しいところです!
制作期間はまちまちですが、今回の僕の「PICNIC」の場合。
1年前くらい前にギャラリーのオーナーさんから「久しぶりにうちで個展をしませんか〜」的な連絡を頂いて決まりました。
なので制作期間は1年。と言いたいところですが

実質は全然違いまして半年くらいは、どんな展覧会にしようかな〜とボヤァと考えていて「アニメーションがしたい!」と決まったのは今年の春くらいでした。

それからすぐに制作をしたのか?と言われると、これもまた違って
どんなアニメーションにしようかな〜と考えながら日々を過ごしてましたがなかなか決まらず(と言うか日々の仕事に追われて集中できていなかった。と言うのも言い訳で制作期間が長ければついついだらっとしてしまいますW)

6月にカナダのノースウッズという森に行った事がきっかけで、こんなアニメーションが作りたい!と言うイメージが決まりました。

さていよいよ制作!とはまたならず、8月までは仕事に追われまくってました。夏には追い込みで制作するぞ〜と意気込んでましたが
実家の和歌山に帰った事で毎日のように海や川に泳ぎにいき倒してしまい制作は全く進まず。。

ようやく制作に本腰を入れたのは9月10日くらいだったと思います。
この辺りからツイッターで #展覧会への道 を始めてますねW

ここからは、怒涛の集中力を発揮してガンガン制作しています。

初めて自作のアニメーションを作るって言うのに1ヶ月も時間ないけど大丈夫なのか?と焦る気持ちを抑えて目の前の事に集中する日々。

この頃は時間がないので少しでも寝る時間を少なくしようと床にヨガマットを敷いて寝る生活をしてました。
※体がカチコチになるのであまりオススメではありません

そんな状態でしたが、なぜかこの時期に1週間沖縄に家族旅行の予定を入れてしまっていたので、制作の道具を持って沖縄へ。(早く準備をしている予定だったんでしょうね。。)
沖縄にいる間も制作をしなければ間に合わないペースだったので、寝る間を惜しんで制作の日々。
ですが沖縄でも毎日海に行ったり川に行ったりして、しっかり沖縄を満喫しました。おかげさまで沖縄滞在中は、1度も寝室で寝れず
1人リビングで仮眠してました。。

合宿と名付けて自分でテンションをあげる!
沖縄に滞在中に20枚くらいは絵を仕上げたと思います。

そして東京に戻ってきてから最後の追い込みっ。
何回追い込むねんって言う声が聞こえてきそうですが...
この辺からようやっと素材が揃ってきたので編集作業が始まりました。

初めてのGIFアニメ制作だったので、わからない事だらけ。
あれやこれやと試行錯誤をしながらの制作。

編集は難しいし。時間はめちゃめちゃかかるけど、どんどんアニメ作りにハマっていきました。
夢中になると覚えるのも早い。

原画がまだ全部できていなかったので、編集作業をしながらも絵コンテと原画と編集を同時に進めていきました。

ギャラリーのオーナーさんから展示の絵を描くだけじゃなくて
作品は早く仕上げて告知や宣伝に時間を使ってくださいね。と言われていたので
制作と宣伝を同時に出来ないかなと考えて、#展覧会への道 を思いついて、制作の様子をnoteやツイッターに載せながら制作してきました。

そして、どうにかこうにかようやく昨夜、全ての原画とアニメーションの編集が完了しました◎
いや〜どうなることかと思いましたが、死ぬ気の集中力を発揮すればなんとかなるもんですね〜

・・・・とだいぶ話はそれてしまいましたが、僕のこの例はあまりいい例ではありません。初めて展覧会をされる方はしっかり制作期間を取りましょう。

今回はこんな感じでしたが、だいだい3ヶ月くらいは制作期間を作って制作しています。

5.展示プランを考える

4が長くなってしまいましたが、ようやく5。

作品の制作が進んできたら、次は描いた絵をどうやって見せるかを考えます。
どの順番が一番よく見えるか?お客さんにはどの順番で見てもらいたいか?
などを考えながら展示のイメージを膨らませます。
どの壁に何枚飾るか。配置の仕方はどうするか。色のバランスはどうか?
ざっくりとしたイメージでも展示は出来ますが
詳細に決めれば実際にギャラリーで絵を飾る時に、かなり時間を短縮してスムーズに展示することが出来ます。

今回、僕はオーナーさんに展示プランを共有してもらうために、pdfで見取り図を作って送りました。こんな感じです。

壁の大きさや絵のサイズ、額のサイズも実際の比率で縮小して作っているので実際の展示もほぼこれに近いです。

6.展示をする

ここまでくれば作品を展示して
展覧会が始まるのを待つだけです。

初めての展示は、ちゃんとキレイに飾れるのか?
水平、平行、絵と絵の間隔はきっちり並べられるのか?
などの心配はあると思いますが、最初から何でも思い通りに出来る訳ではないので、ここからは経験をすることで慣れたり上達していくもんだと思います。
大抵のギャラリーは、オーナーさんやスタッフの方々がお手伝いしてくれるので大丈夫です◎

実際に僕の展覧会は今日が搬入日だったので、さっきまで搬入をしていましたが
僕は見てたまに指示や指定をするだけで
ギャラリーのスタッフ方々が展示をしてくれました。

丁寧だし。早いし。キッチリしてるし。本当に助かりました!
枚数が多かったので、1人だとどれくらい時間がかかるか分からんな〜と思ってましたが、想像してたよりも早くキレイに展示して頂きました。

いよいよ明日は中川貴雄 個展「PICNIC」の初日です。

展覧会は何度やっても初日が始まる前はドキドキします。
見にきてくれるかな?どんな反応やろ?今後の広がりや繋がりが出来るかな?そんな気持ちを抱えながら初日を迎えます。

どうですか?展覧会をやってみようかな。という気持ちになりましたか?

このnoteを読んで1人でも展覧会をしました!と言う人が出てくれば嬉しいなと思いながら書きました。

中川貴雄 個展「PICNIC」
場所:OPA Gallery
期間:2018年10月5(金)〜10(水)
open 11:00〜19:00(最終日は17:00)
会期中は毎日在廊する予定です。


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