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一流の練習

「一流の練習は立派なエンタテイメントになる」というコンセプトで先日開催した、佐藤悠基ひとりハーフこと、Friday Night Time Trial。2022年10月のシカゴマラソンを日本記録更新ペースで走ってみたい。そのために強度の強めなハーフマラソンを走って刺激をいれながら、現状把握をしておきたい。という佐藤悠基選手の要望に「それできるかもよ?多摩川で」と、その場に居合わせたTWOLAPSの山田マネージャー、SGH西川コーチ、そしてEKIDEN NEWSの西本が場所や日程調整へ。その企画趣旨に公益財団法人 世田谷区スポーツ振興財団が賛同してくださって、コースやレース運営に必要な備品を無料で提供。市民ランナー向けのタイムトライアルや運営ボランティアへのドリンクや補給を株式会社明治が提供。会場にはこれないけど、このとりくみや佐藤悠基選手を応援したいファンたちが「運営資金」を一口馬主のようにサポート(中には何口もサポートした人も)。真っ暗な河川敷のコースを照らす思い思いの照明器具をもって集まったひとたち。暗い夜道でも夜目が効くサングラスを用意して、選手たちをサポートしたオークリー。数ヶ月に及ぶマラソントレーニングの中における「たった一日」の練習を応援するために、これだけの人が集まった。それだけで、この企画は大成功でした。

レース後、悠基さんと話していると
「今日は姉も応援しに来てくれたんですよ」とドリンクを飲み干しながら
うれしそうに語ってくれました。

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佐藤悠基ひとりハーフのラップです。途中、時間がかかっている場所は悠基さんがペースメーカーと離れ、ペースメーカーと再度合流するために費やした時間。

大谷くんはこのように言ってくれてますが、ハイペースだけでなく、涼しい菅平から降りてたばかりだったことや、ただずんでいるだけだと涼しい夜風も走っている選手にとっては呼吸にまとわりつく湿度を含んだものだったこと。そのせいもあって、ペースの割りに心拍があがってきたこと。本来動かしたい部分の筋肉にうまく力が入らなかったこと。いろんな要因が重なって悠基さんが狙っていたタイムでは走れなかった。でも、彼は最後まで走りきった。調子が出ないとわかったら、世界陸上(モスクワ)でも平気でレースを止める悠基さんがこの日は最後まで走った。あのクールな佐藤悠基がフィニッシュ後は地面に倒れ込み、立てなくなるほど自分を追い込んだ。

「狙っていたタイムでは走れなかったし、動きも良くなかったから、鍛えたい部位も使えていない。今日の収穫は最後まで走り切ったというメンタルだけ。しかし、このメンタルこそが、フルマラソンでは一番大事なこと。翌日の身体の疲労とラップタイムと心拍数などを分析しつつ、高地から平地に降りるまでの間隔をどれくらいとると良いかも今回データがとれました。3日以内がいい人もいれば、10日以上間隔をあけたほうがいいという人もいる。どの間隔が自分に合うかは自分で見つけるしかない」

レース後、食事をしながら悠基さんといろんな話をしました。終わったばかりの世界陸上オレゴンのトラック・レースからマラソンレースまでの感想やそこから読み取れること。

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