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マッチングアプリで爆速恋愛した話④お店選びは大事

【前回までのあらすじ】
孤独に耐えかねてマッチングアプリに登録した私。初めてマッチングした、年下の純也さんと初対面することに。

***

思ったより小柄だな。
それが、純也さんの第一印象だった。
写真では細身で骨張ったイメージだったのが、実際に対面してみると視線の高さはさほど変わらず、控えめな肩幅や全体の肉感がどことなく女性的だったのだ。

また、想像よりも愛想がいいんだなと思った。落ち着いてるがゆえに、あまり愛想笑いなどしないんだろうと思い込んでいたがそんな事はなく、笑いながらペコペコと挨拶をしてくれたからだ。

とはいえ、よく聞く「写真と別人が来た」というわけでもないから、なんの問題もない恵まれた出逢いだと言える。


今日は一緒にランチをする予定だ。
土地柄的にあまり洒落た店があるわけではなかったが、老舗風の喫茶店を純也さんが見つけてくれた。

入店してみると席の間隔は狭く、隣に会話が漏れ聞こえてしまう距離。私は自意識が過剰な恥ずかしがり屋なので、隣のテーブルの人に「あぁ、マッチングアプリの初アポだな」と思われるのが嫌だった。そのため、一抹の不安を抱きながら席に着いた。

そんなくだらない不安をよそに、おおむね和やかに会話が続いた。純也さんはあまり緊張していないみたいで、食べている料理のことや仕事の話を思いついたままに話してくれた。
特に趣味のワインの話については目をキラキラさせながら饒舌に語った。自分が話すよりは相手に沢山話してもらいたいタイプの私はその饒舌っぷりに悪い印象は抱かなかった。

お店はそこそこ混雑していたので、1時間ほどで退散。散歩がてら少し歩きながら、私の知っているカフェへと移動した。
そこは夜の営業ではワインバルをやっているところだったので純也さんも気に入ってくれるかもしれないと思ったのだ。

お店に着き、店内の至る所に並んだワインを見た彼は分かりやすく高揚していた。そのおかげで会話はよく盛り上がり、気がつけば3時間も話し込んでいた。
更に会話の中で紅葉を見に行きたいと純也さんが言い、「次一緒に見にいきませんか?」と誘われた。しかもお互いの予定的に3日後に行くこととなった。まさにとんとん拍子だ。

その日は駅まで送ってもらい、解散した。ランチとお茶だけなのに半日も一緒にいられたことが嬉しかった。しかし、さすがに少し疲れもした。

解散してすぐにラインも届いていた。

今日はありがとうございました。
想像以上に素敵な方で、お会いできて本当に嬉しかったです。
また3日後よろしくお願いします。気をつけて帰ってくださいね。

気遣いまで行き届いた純也さんに想いは募るばかりだった。


そして迎えた2回目のデート。紅葉狩りへ行く日。
私たちは長蛇の列に並んでいた。

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