マッチングアプリで爆速恋愛した話②天下分け目のプロフィール
数ある中からなんとなく、本当になんとなくで選んだマッチングアプリをインストールする。アカウント登録を済ませると、丁寧とも冗長ともとれるチュートリアルが始まる。
そこで、「気になった男性に「いいね」しよう!」と、10人ほどのプロフィール写真が並んだ。
正直、そのなかに私がいいねと思える方はいなかったのだが、チュートリアルなので必ず誰か一人を選ばないと先に進めないらしい。
仕方なく、一番イケメンで人気がありそうな人にいいねを送った。
沢山いいねを貰っている人の方が、いいねが目立たないと思ったからだ。
そして「本当は好きじゃないのに好きってアピールすんの癪だな」と思い、そんな自分のプライドの高さに少しげんなりした。
一通りチュートリアルを終えると、次に待ち構えているのがプロフィール作成だ。
プロフィールというのは、マッチングアプリにおいて兎にも角にも一番大事とされている。それゆえ、今までは優しく丁寧でほんのりチャーミングにチュートリアルを行ってくれたAIの語気も急に辛辣になる。
なるほど。たしかに、アプリが面倒とか、恋活はHPが削られるという声があがるのも無理はないと思った。
しかし、幸か不幸か私は文章書きの仕事をしている。
ある程度の文字数の文章を書くことには慣れていたし、普通の人よりかは「読み手目線」に立って書くことも出来る。
それに、様々な目的を持った、様々な性格の人が集うアプリで、誠実な人に見つけてもらうには、自分も誠実であることをアピールしなければいけない。
そのためには、やはり丁寧に作られたプロフィール文が必須なのだ。
そういうわけで、時間をかけてプロフィール文を完成させた。
それだけで軽く1時間は経っていたのだから驚きだ。
アプリ恋活は、決して気軽なんかじゃない。そう思い知った。
そしてもう一つ思い知ったこと。
それは、アプリ市場というのは女性側の超売り手市場だということ。
プロフィール文を完成させ、編集画面を閉じると、そこにはすでに数多くのいいねが届いていたのである。
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