見出し画像

昼休みにばっくれた

バイトの昼休みに逃亡したことがある。

こんにちは、兎Y月(トワイライト)です😈

先に言っておくと、バックれを推奨するわけではありません。できるならしない方が良いです。

というわけで、詳細にれっつごー。

フリーターをしていた頃、服屋さんでバイトを始めた。

キラキラアパレル!という感じではなく、雰囲気で言えばセカ〇トに近い。

1階から3階までが店舗で、フロアごとにジャンルが違う。レディース、メンズ、靴やカバンなどなど…。

私が配属されたのは2階にあるレディースコーナーだった。

声をかけるような接客はないものの、商品がバンバン売れるので売れたら地下にある在庫室へ行って商品を持ってくるなど結構忙しかった。

同じフロアで働くのは主婦の方ばかり。自分、浮いてるなと思いつつも他のフロアには同年代の人もいたので完全に場違いとは思っていなかった。

最初はゆっくりと仕事を教えてもらい、自分なりに頑張っていた。

1週間程したところで、様子が変わった。

兎Yさん、ずっと思ってたけど先輩に仕事やらせてるよね? そういう時は新人が率先して変わってあげないと

要するに、先輩が在庫の補充に行こうとすれば「私がやります!」と言い、先輩がレジに入ろうとすれば「私がやります!」と…

ここ1週間で気が付かなかったが、どうやら少し体育会系っぽいところがあるようだった。

その後もさっき先輩がアレやってたよ!とチクチク……体育会系のノリが苦手な私には苦痛だった。

もちろんある程度は新人が率先してやらなくてはいけないのはわかる。けれど新しい職場で既にいっぱいだった私には自分の仕事+先輩の様子も気にして仕事を変わる、というのはかなり神経をすり減らすことだった。

このあたりではまだ辞めたい!とは思わずキツイな〜慣れるまで頑張るか…といった感じ。

そしてこの時点でもう1つ、気になることがあった。
それは休みの取り方だ。

一般的にシフト制の仕事といえば月初めにシフトが出て…という流れだと思う。

ただこの職場は休みの取り方が少し特殊だった。

週の始めにフロアリーダーに「何曜日と何曜日にお休み貰えませんか?」と口頭で申告しなくてはならない。

なので週の休みが分かるのはその週の月曜日。それが通らないこともある。

予定が立てにくい上に、私の気質上見通しが立たないのはやや不安だった。

この職場は自分に向いてないのかも、という気持ちが少し出てくる。

この時点で3週間が経過していた。
ほんのりあった辞めたいという気持ち。その気持ちに蓋をしながら仕事をこなした。

一日の営業が終わり、締め作業。
みんなで協力して終わらせちゃおう!というアレ。 

いつものように締め作業を行っていた時、私は先輩に呼び出された。

明日から締め作業は兎Yさん1人でやってもらうから。今日は締め作業の流れを確認しよっか

!?

締め作業を……1人で?

在庫の補充、店内清掃、他フロアに行って連絡事項があるか確認、レジ締め、社員に売上諸々の報告……やることはたくさんあった。

それを1人で?

今まで分担してやっていて、誰か一人だけでやっている姿は見たことがなかった。それはどこのフロアでも。

何故急に1人で?と疑問に思ったものの、それを聞く勇気はなかった。

まぁ、今思えば嫌われてた説はある。

ひとまずその場で先輩に締め作業の流れを教わる。

帰路について、私は考えた。

えっ……キツくね?
体育会系のやり方、休みの取り方、締め作業……。

や、辞めたい…。
そう思いつつあった。

そして次の日、退職を決意する出来事が起こる。

いつものように仕事をしていて、午前中のあるタイミングで服が大量に売れたため地下の在庫室へ。

在庫室は天井まである棚に服がパンパンに収められていて、それだけではなく通路にあるラックにも服がビッシリと掛けられていた。

探している服が見当たらず在庫室で四苦八苦していると扉の開く音がした。

「でさ〜……」
「うんうん……」

聞こえた声は同じフロアで働く先輩2人だった。私が戻るのが遅いから来たのだろうか、とひとまず見つけた服を抱えて顔を出そうとすると……

「てかとわいさんってさぁ……ねぇ?」

含みのある言い方。私の話をしているようだった。
私がここにいるとは気づいていない!ヤバい!そう思った私は咄嗟にしゃがんでラックと棚の隙間に隠れた。

「若いし、仲良くなれる気がしないわ笑」
「わかる〜さっきもさぁ……」

私がいることに気がついてない二人は私のことを話している。それもあまり良い内容ではない。

そのまま隠れていると幸いにもバレることはなく先輩2人はすぐにいなくなった。

心臓はバクバクだった。
あぁ、やっぱり良く思われてないんだな……とハッキリした。

辞めよう、そう決意が固まった。

というよりパニックに近いものがあった。自分の悪口をダイレクトに耳にしてしまい涙が出そうになるのをグッと堪えて、昼休みになったら逃げるぞ…!と決めてフロアに戻った。

ここで「見返してやる!」とか思えたら良かったんだけど私はそうならなかった。職場の体制や諸々、そして悪口。逃げることしか考えられなかった。

※きちんと手順を踏んで辞めるべきなのは最もなんですが、この時は半ばパニックになってたのもあって今すぐに逃げるという選択肢しか浮かびませんでした※

そして昼休み。

ひとまず持参していたお弁当を食べ、ロッカーに入れていた僅かな荷物をカバンにぱんぱんに詰め込んだ。

幸か不幸か、休憩室から裏口までは売り場を通らなくても行けたのもあって私は誰にも会わないことを祈りながら裏口へ急いだ。

そして裏口から出る!
駅までの道を走る!

マリオがスターを取った時のごとく、私は無敵状態で駅へと走った。

テンテンテテンテンテンテテンテン!!!!!!

そして駅を駆け抜け、地下鉄に乗る。

一安心したのもつかの間、緊急連絡先に実家の番号を書いていたのもあってもし実家に連絡されたら終わる!と気がつく。

バイト先(既に元だが)宛に辞めますという内容のメールを送信!

ミッションコンプリート。

こうしてわたしはバイトを辞めた。心臓はバクバクだったが、開放感の方がすごかった。

この時期は躁鬱の躁状態が酷く、辞めたら生活がだとかお金がないだとかそういうことを考えることが何故か出来なかった。

なんというか、深く考えることがとにかく出来ない時期だった。

そのため嫌なことがあった→向いてない→辞めよう!となってしまったのだと思う。

お金がなかったこともあり病院にも満足に通えていなかった。
躁あるあるらしいのだが、鬱と違って動けるため治った・調子が良いと勘違いして通院を辞めてしまう人は多い。わたしもその一人だった。

余談
私が辞めますというメールを送ったあと、返信が来ていた。怖くて見れたもんじゃないと開かずに放置していたのだけどある時友達にメールを開いてどういうことが書いてあるか確認してもらった。

見ても大丈夫だと思う。

そう言われて確認すると「何かありましたか?」と一言だけの返信だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?