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誰も知らないけど(レコードマニアは)みんな知ってる、KPM 1000 series

International Flight / David Snell

レコードディガー(川西さんみたいな)にはお馴染みだけど普通の人は全然知らないレーベルに「KPM 1000 series」というのがあって、これは放送局でジングルやBGMで使用するために作られた「ライブラリー音源」というやつ(できあえのサントラ音源みたいなもの)なんだけども、とにかくたくさん音源が出ていて、カッコいいものが多い(ひどいものも多い)。90年代のラウンジ系コンピに収録されて人気になったジャズ・ハープ奏者David Snellの「International Flight」はその代表的な曲。
youtu.be/dKib5wlxm7Q


Girl in a Sportscar / Alan Hawkshaw

KPM 1000 seriesには定番作曲家が何人かいるんだけど、その中でも特によく名前が出てくるのが Alan Hawkshaw。この曲も様々なコンピに収録され、ついにはAlan Hawkshaw単体のアルバムまでリリースされた。バカラック/トニー・ハッチスタイルのソフトロック系ラウンジ。
https://youtu.be/5VxG3a2wNpw


Morning Broadway / Keith Mansfield

もう一人の頻出作家がKeith Mansfield。こちらはバンド〜コンボよりの作品が多く、この曲もスインギンロンドン〜モッズ時代っぽい雰囲気のジャズファンクサウンドで、こちらも色んなラウンジ系コンピに収録された。実際作られたのは1969年頃らしいので、その時点ではこういうサウンドは既に時代遅れになっていたんじゃないかと思う。でも今聴くとこういうのが最先端だった時代に作られたものも、後追いで時代遅れになってから作られたものも、フラットに聴かれるようになってしまうので、どちらもカッコ良いとなってしまう。シティポップで70年代の当時最先端だったものと、80年代後半の当時もうダサくてしょうがなかったものが、現代では同列になってしまうのと同じ現象。
https://youtu.be/8YNwZ5N6vug


Liquid Sunshine / John Cameron

前出二者ほどではないが、この曲も色んなコンピに収録された。こういう感じはモリコーネ/エッダによるイタリアモンド系チネジャズとかの雰囲気に近いだろうか。日本の70年代のサントラ(ヤマタケとかナベタケとか大野雄二とか)にもこういう感じは結構多い。KPMはイギリスのレーベルなので007的と言ってもいいかもしれない(でもあまりジョン・バリーっぽいくはない)
https://youtu.be/jofDfEI2m_o


Quite Contrary / Syd Dale

この人もKPMのアルバムでよく見る名前のSyd Dale。この小品はネット時代になるまで知らなかったけど、やはりスインギンロンドンっぽいジャジーさに007っぽい歪みギターが一瞬絡んで、色んなイギリスっぽさを兼ね備えた佳曲。印象的なブラスもさることながら、小編成のストリングスのサウンド/質感がとてもカッコ良い。
https://youtu.be/GTrC8SVpqsc


Beat Me 'Til I'm Blue / Alan Hawkshaw

KPMの一連、ジャケ絵みんな一緒ですが、全部別のアルバムです。掘り出したらキリがないんです。せっかくなんで Alan Hawkshaw のファンキーオルガンラウンジ。これもまた別のアルバムね。
https://youtu.be/HuJmNEAfrTQ


Mermaid / Alan Hawkshaw · Brian Bennett · Michael Feltham, Geoffrey Woolley

Alan Hawkshawと、こちらもやはりよく見る名前のBrian Bennettの連名(こうやって連名になっているものは複数名前が連なっているものもあって、誰が作曲家なのか、演奏家との連名なのか判然としないが、クレジットされた人に印税を分配するというライブラリ音源の都合上そうなってるだけかもしれない)、こういうムーグものとプレ・フュージョン期の電子ジャズファンクっぽい時期との中間くらいの感じの、レアなシンセものもあったりして、そういうのが好きな人にも侮れない。底なし沼。
https://youtu.be/CTEY3LVrKh0


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