短編小説|タイム・トゥ・セイ・グッバイ
「今日天気いいだろ。な、海行かねぇ? チャリでさ」
日曜日の朝午前10時過ぎ。人を傍若無人なチャイムでたたき起こして、信じがたい事にミキオはいきなりそう切り出した。
海? 自転車?
寝起きのパジャマ姿で話を聞いた私は、訳が分からず、眉をひそめてもう一度彼の顔を見た。
が、残念ながら彼の顔に、悪ふざけという感は浮かんでこない。
どうやら本気で、自転車で海まで行こうと考えているらしかった。
「ここからY浜なんてすぐだって。3時間ちょいで行ける。体なまってんだろ? 絶対いい運動になるしさ…」
Y浜なんて!!!
私は心底驚いた。 むしろ、呆れたのかもしれない。
電車で行ってもかなりかかる距離だ。3時間やそこらのサイクリングで行けるような場所じゃない。
それに、自転車だって、私が持っているのはごく普通の —— 後ろにはちゃっかり荷台まで付いてしまっている正真正銘のママチャリなのだ。
行けない。いや、行ける訳がない。
私は彼の提案に、首を横に振った。
しかし、そんなことで一度言ったことを曲げるミキオじゃない。彼は普段寡黙な分、時折発する言葉には、強く明確な意志があった。
良くも悪くも、有言実行なのだ。この坂口幹生という男は。
彼は私をきつく睨んで、
「俺が納得するような理由があるなら、やめてやる」
—— それは、私に対する明らかな挑発だった。私は少し吐息をついて—— 苦笑した。
私にはわかる。
挑発に聞こえるその言葉は、優しさでもある。ミキオはミキオのやり方で、私を気遣ってくれているのだろう。
だから、こんなにも強情に、強引に、私を連れ出そうとしてくれている。
彼の強さと優しさはずっと変わらない。
—— そう、忍が生きていたころからずっと。
正直、最近の私は腐っていた。
どうもやる気がない。目に映るもの全てに情熱を感じられず、ただただ、だらしなく毎日を甘受していた。今の私にあるのは、絶望と落胆だけで、すべてが何の意味も持たないのだ。
忍が死んで、私自身も深い眠りについた。それだけのことなのかもしれなかった。
幼い恋心だったのかもしれない。
恋人と呼べるほどの付き合いではなかったのかもしれない。
それでも、忍の死は、私からすべての情熱を奪ってしまうほどに、衝撃的で残酷な出来事だった。
悲しすぎて、切なすぎる出来事。
知らない間に、私の体中にしみこんでいた彼が居なくなって、私には巨大な喪失感だけが残された。
忍は私にとって、当たり前の存在で、彼のいない日常など考えたこともなかったのだ。
ふとした瞬間、忍の影を追い求めている自分に気づく時、私は深く、絶望、する。
「いない」と実感させられる時の虚脱感 —— 耐えられない。
叫びだしそうになる自分を、理性と深呼吸とで、なんとか諫めるので精一杯だった。
誰かが救い出してくれたらいい。
こんな暗闇を照らす、一条の光があればいい。
それは切ない祈りだった。
私には、彼の残像と必死に戦いながらひたすらに夜明けを待ち続ける事しかできなかった。
光は、遠すぎる。
今の私には掴めそうな予感すら感じさせないほどに。
「どうして海なのよ?」
私は訊いた。
「話がいきなりすぎるんじゃない? 運動するにしたって、泳ぎたいならプールがあるし、休みたいなら温泉があるのに、わざわざ海なんて…」
「海がいいんだ」
私の言葉を遮ったミキオの声が、あまりにも強い断定の意を含んでいたので、私は口をつぐんだ。
こうなっては、もう誰にも止められない事を、私が一番良く知っている。
私は、ため息を一つついて—— そうしてパジャマを脱ぎ捨てた。
——————
「ねぇ、どっちかが先に死んじゃったら、どうしようか?」
一緒に映画を観に行った帰り道、私達は感想がてらそんな話もした。
夢を見ているくらい毎日が幸せだった頃の、笑顔に包まれた輝かしい時間の中で。言い出したのは私。聞いていたのが忍。彼は笑った。
「一緒に死のうか? 今日の映画みたいに」
私の問いを、完璧に冗談としてしか受け取っていないような口ぶりで言う。私は軽く怒って、
「真面目に答えて。人間なんて、いつどこでどうなるかわからないんだから」
今になって、全くその通りだと思う。
最も、それをあの頃の私が理解していたとは思えないけれど。
忍は慌てたように手を振った。
「いやいや、真面目に考えてるよ。でもこればっかりはさ。そうなってみないとわからない事だと思うんだけど。今は全く想像できないよ」
それは実際もっともなことだったので、「まぁ…そうだけど」と私は唇を尖らせた。彼は苦笑いするみたいに、私の頭をポンポンと軽く叩く。彼は、自分がどういえば私が満足するのか、わかっているのだ。からかうみたいに言う。
「じゃあ君はどうなの? もし、俺が死んだとしたら」
その時、
拗ねた私は、彼の言葉を笑い飛ばして、
「大丈夫。その点私は心配ないわ。忍が一番知ってるじゃない。全然平気よ。私は、生きる」
冗談でもそう突き放した私を、秋の木漏れ日みたいな深い眼差しで見つめて、忍は穏やかに —— うっすらと微笑んだ。
私がはっとするほど、清らかで、神聖な笑顔だった。
こんなことになって今更気づく。
私と忍の思い出はどれも、どこか澄み渡って、儚い影を落としていたことに。
薄いガラスのように美しく、そして脆い。
あの頃の私と今の私の間には、手を伸ばせば届きそうな、しかし、掴んでも掴めない絶対的な距離が存在していた。
私たちの意志とは全く関係のないところで、太陽は毎朝上り続ける。
人は、あんまりにも、ちっぽけ。
忍が居なくなっても何一つ変わらず、だけど彼を置いていくようにゆっくりと変化していく毎日が、たまらなく苦しい。そういう普通の時の流れが、今の私をひどく傷つけた。
もう戻れない日々。
私は生きる。
輝かしかったあの頃よりもずっと、今、自分が現実に沿って歩いていることを感じながら。
——————
「ねぇ、今どの辺にいるの~?!」
私は自転車のペダルを踏み続けながら、はるか前を黙々と行くミキオの背中に、3、4度目かのその問いをぶつけた。ミキオはその度に一応振り返って地名を叫んだが、地理に疎い私には、さっぱりよくわからなかった。
ジリジリと太陽が私の頭を灼く。
空は嫌味なくらいカラリと晴れ渡っていて、私の帽子になってくれそうな一握の群雲もすらも見つけられない。
額にじっとりと汗の珠が浮かんでいた。—— 暑い。
熱せられたアスファルトから陽炎が立ちのぼるくらいの真夏日だ。ハンドルを握る手も汗ばむ。
Y浜へ向けて自転車を走らせてから、まだ1時間弱。私はすでに、この選択を後悔していた。
寝てばかりいた運動不足の体を叩き起こすには、やや強烈すぎる目覚ましだった。
一度も振り返らずに、ミキオはどんどん先へ進んでいく。
私は息を切らせながら、その背中を追う。
まるで終わりのない追いかけっこみたいだわ、と、私は思った。
私がミキオに追いつこうといくらスピードを上げても、故意か偶然か、彼は私を置いて逃げるように疾走するばかりで、2人の距離は一向に縮まらないのだ。
—— 何かに怒っているみたい? 今ミキオの背中は、あまりにも遠い。
ミキオは忍の親友だった。
私が忍と付き合い出す前からの仲良しだったから、私とミキオが仲良くなるのも自然の成り行きだったのかもしれない。この2年間一番多かったのは忍と二人でいた時間だけれど、二番目に多かったのは、ミキオと忍と3人でいた時間だと思う。
私には甘い忍と、絶対に私のワガママを甘受しないミキオ。
3人でいると、丁度良くバランスが取れているようで、私はそういう時間が好きだった。
喧嘩しているような私とミキオのやりとりを、いつも笑顔で眺めていた忍。手を叩いて爆笑していた日もあったし、子犬を見るような温かい目で微笑むもあった。
—— 今二人になって改めて気づく。
私とミキオが一緒にいる時、そこには必ず忍がいて、私たち2人をうまく繋いでいたのだ。彼が私たちを繋いだ。
「ミキオはね」
ミキオのことがわからないと私が言うたび、忍は私に言い聞かせた。
「何も考えてないから、口数が少ないんじゃなくて、考えてることが多すぎて言葉にできないんだよ。
不器用だから誤解されるけど、目を見ればわかることなんだよ。
だから困ることがあったら絶対にミキオの目を見て」
でもね、忍。
ここからじゃミキオの目さえ見えないのよ。
追いつきたくて仕方ないのにまるで届かないのよ。
私は孤独すら感じて泣きそうだった。
ミキオは何のために私を連れ出したのだろう。励ますためだと思っていたのは、私の勘違いだったのだろうか?
彼が私のことを疎ましく思っているような予感さえしてくるほどに、沈黙が痛いくらいに私に突き刺さる。
それは悲しい予感だった。
せめて彼の目を見たい。
—— 何を思っているのか知りたい。
私にできるすべての事は、彼に追いつくために、一心不乱にペダルを踏むことだけだった。
——————
—— 何も話さないまま、例の追いかけっこを続けてさらに一時間ほど走っただろうか。道は徐々に勾配をつけてきた。長い長い坂道が続く。
傾斜が5度傾くだけで、ペダルは勢い重くなる。
私は太腿とふくらはぎの筋肉にしっかり力を入れて、一歩一歩、踏みしめるようにペダルを踏んだ。ギラギラと照りつける太陽も手伝って、私の体中から汗が吹き出し始める。
ふと視線を上げると、悠々と坂を上っていくミキオをの背中に辿り着いた。
あんなに軽々と。それが、今の私にはひどく羨ましかった。
私だって、この坂を越えたい。
心の中に降って湧くように、「負けたくない」という言葉が浮かんだ。
今ここで自転車を降りたら「負け」という気がしたのだ。
見えない自分との戦いに、私はだんだん本気になってくる。サドルからゆっくりと腰を上げる。
私にはもう、目の前のアスファルトしか見えなかった。
—— 絶対に自転車を降りない。それは一種の執念と言ってもよかった。
私は、この坂を一体何に例えていると言うのだろう。
自分でも、そんなことはわからないし、そもそもそんなことは問題では無いのかもしれない。
それでももしこの坂を自転車のまま登りきれたら 。今の私のままで、登りきれたら ——。
雲が切れるように、この暗い私の世界にも光が差し込むんじゃないか?
そんな気が、した。
いよいよ太腿が痛くなってくる。
痛いと言うよりは、足が自分の足じゃないような感覚で、力を入れようにも上手く動いてくれない。
ハンドルはぐらぐらと揺れ、真っ直ぐに走ることはできなかった。
目の前がぼんやりと歪み、いよいよ体力の限界を意識させる。
一歩。そう、一歩ずつ。
ゆっくり踏めばいいんだ。歩いて行くように。
大丈夫。と、私は自分に言い聞かせる。
まだ頑張れるはずだ。いつでもこうやって、自分を強くして生きてきたんじゃないか。
私は精神でもって肉体を押し殺すように、全ての力を足に注いで自転車をこいだ。
—————?!
ペダルを踏むことだけに躍起になっていた私には、何が起こったのかよくわからなかった。
目の前が一瞬、真っ白になった。
一瞬の空白で、自転車が大きく左に傾いて—— 刹那、地面がすぐそこに見えた。
——————
幾つの夜を、忍と一緒に過ごしただろうか。
幾つの夢を、私たちは共有しただろうか。
とりとめのない思い出の一コマ一コマが、まるで昨日のことのように鮮やかによみがえる。
くだらないドラマの話を熱く語り合ったこと。
初めて手をつないだ日の、お互いの手の熱とか、ベンチに座って一緒に食べたアイスの甘さ。肩を並べて見た夏祭りの花火と、蚊取り線香の匂い。記憶はこんなにも鮮やかなのに、そこにもう忍が居ないだなんて、驚きだ。
—— そうだ。
忍の訃報を聞いてから、今まで私はずっと、驚き続けているのかもしれない。
犬も猫も飼ったことがなかった。
親戚が亡くなったこともない。
両親も兄弟も、私自身もみんな健康そのものだったから、私は死の与える恐怖とか、寒さからかけ離れた、明るくて、眩しい世界にいた。
真の驚きとは暗闇を伴うものだということを、私は初めて知った。
世界が急に色を変えて、眩暈と一緒に足元から崩れていくような感覚。
—— まるで日蝕みたいだ。
初めて与えられた死は、こんなにも、痛い。
私はその痛みに、ただただ驚き続けている。
——————
ガシャン!!
派手な音を立てて、自転車から放り出された私は、無様に地面に転がった。
「いたた……」
私が一瞬の出来事を理解して起き上がるそれより前に。気がついたら、私のかなり前を走っていたはずのミキオがいつの間にかそこにいて、私の手をすごい力で引いたので、びっくりした。
彼は私を起こすなり、ものすごい形相で私を睨みつけて怒鳴った。
「馬鹿野郎!」
私は後にも先にも、ミキオがこんなに怒っているのを見たのは初めてだったと思う。
彼は一発、私の頬を叩いた。私は叩かれたことよりも、まず、呆然としてミキオを見た。
「どうしてお前はいつもそうなんだよ!
どうして一人で起き上がろうとするんだよ!
転ぶ前に何か言えよ! 俺に言えよ!
どうして俺が一緒に走ってるのかとか、そういうこと全然わかってないだろ、お前は!」
そう怒鳴られて、身をすくめて、
私は上半身だけを起こしたままの間抜けな状態で、ただただ唖然としてミキオを見つめた。…いや、見つめることしかできなかった。
「どうしてそこまでして、一人で我慢するんだよ…」
ミキオの肩が一瞬、大きく震えた。泣いているのかと思った。一言言って俯いた彼を覗き込んで、そこで初めて、私の目はようやくミキオの目をしっかりと見た。ずっと見たかったミキオの瞳は、プリズムのように多彩な色彩を帯びていた。怒りとも、悲しみとも、絶望とも捉えかねるその色。
あぁ、鏡の中の私と同じような…。
—— 瞬間、体の中を電流が走ったように突然、全てがようやく、理解った。
ミキオ。あなたは一体、どれだけの優しさで私に接してくれていたの?
彼が求めていたのは、私からの弱音「待って」という言葉だったのだ。
人を頼る言葉、それだけを私から言わせるために、彼は私を連れ出したのだろう。
人を頼っても良いのだと言うことを私に理解させるために。
「待て」と言われれば待つことを私に教えるために。
私はそれをしなかった。だから、そのことをミキオは深く哀しんでいるのだ。
「ごめん……」
反射的にその言葉が口をついて出た。
「ごめん……ごめんね、ホント…ゴメン……」
本当は、ずっとわかっていた。
忍を失ってから、私の周りの人たちがどんなに優しく私を守ってくれていたのか。
傷が早く癒えるように、みんなが手をかざしてくれていたこと、ちゃんと気づいていた。わかっていたんだよ。
それでも私は一人で立ち上がらなくてはいけないことだと思っていたから、みんなの手を振り払って、強くあろうと頑張った。
全く一人で。
それは、私にとって過酷な戦いで、長く明けない夜の中を行っているような毎日だった。
でもそんなのは、必要のないことだったんだとようやく気づく。
言葉にならない私の感情がほとばしって、涙ばかりが頬を伝う。
今まで我慢してきた鬱憤を晴らすように、涙は景気よく流れた。しかし今は、それを止めようとは思わない。
我慢する事はないんだよ。
一人で、無理する事はないんだよ。
ミキオはそう言いたかったのだと思う。私を見つめるミキオの目は、とても優しかった。
「ほら見てみろよ。海は、もう すぐそこにあるんだぞ」
そうして、ミキオの指差した方向に目をやって、そこで初めて私は、眼下に広がる燦然と水をたたえる大きな海を見た。
遠い地平線に溶ける空と海。私は声を上げて泣いていた。
——————
もう無理なことだとわかっている。
それでも人は願ってしまう。
せめて夢に出てきて欲しい。
幽霊でもいいから、そばにいて欲しい。
たった一目で良いから、会いたい。
—— 会いたい。
もしもたった一つだけ、願いが叶うのならば。
—— 極彩色の色が氾濫するこの世界にあって、彼だけが透明だった。
——————
坂を越えてしまえば、あとはあっという間だった。
信じられないほどミキオが私に優しくて、さっきまでの息苦しさが嘘のような、気持ちの良いサイクリングとなった。
Y浜市内を観光して、ゆっくりと遅めの昼食をとり、買い物を済ませて、目的の海へと着いた時には、すでに西日が傾く時刻となっていた。
私は砂浜に自転車と靴を放ると、海へ向かって勢いよく走った。
飛沫を散らせながら海を駆ける。
潮の香り。陽の光を反射させて照る波が、幾度も足元に小さな流れを作っては、海に還ってゆく。
空は、悲しみが溶けるほどに美しくて、海は、全てを包み込むように暖かくて、海につかったままの状態で、私は黙って、夕闇に霞む地平線を見つめた。
いつの間にか隣にはミキオがいた。
夕陽が波間に、沈もうとしている。
「忍は本当に、死んじゃったんだね。」
私はひとりごちるように呟いた。ミキオは無言のままで、静かに頷いた。
もう忍には会えない。それだけは悲しい事実として受け止めなければいけないことなのだ。
—— 忍のいた風景。
今思い出すと、胸が痛むような。
……せめて私の中では、ずっと、あの頃の忍のままで。
「もう、陽が沈む時間だな」
水平線から目を反らさずに、ミキオは、小さな声で言った。
止まっていた歯車を、動かす時が来たのだ。
たくさんのありがとう。そしてさようなら。私は大丈夫。忍の死を乗り越えて、ここで生きていく。
地平線の狭間で、海も雲も空も黄金色に染め上げた太陽が、別れを惜しむようにまるで手を振るように、光の帯を揺らした。
——さようなら。
—— …さようなら。
私とミキオは並んで、いつまでも海へ還っていく太陽を眺めていた。
いつまでも、いつまでも、眺め続けていた。
——————
あとがき
この小説は、高校三年生の頃に書いて、小さな賞を受賞したお話。
私の人生と共にあった小さな作品集は、私にとって「書いてもいいんだ」と思わせてくれる大切な物でもありました。
頭の中をめぐる文字を、表に出しても大丈夫なんだと。
ただこの小説を、人前に出すことは、これまでしてきませんでした。
粗削りで、ツッコミどころも満載で、ちょっと恥ずかしかったから(笑)。
先日、本棚を整理していたらこの作品集が出てきて、読み返してみたら、私の書きたいものはこの頃から変わっていないんだな、ということに気づきました。
こちらのnoteで一番最初に公開した絵本用に書いたストーリーと、話の展開が一緒だったりもして…。
きっとこういうのがちょっと照れくさいのですが、「私らしさ」でもあるのでしょう。
そう気づいた時に、恥ずかしくはあるけど、私にとって大切な作品である事には変わりないこのお話を、いまのデジタルの波に乗せて、残してもいいのかな。と思う事が出来ました。
賞に出したときは、枚数制限がある関係で、思ったように改行できなかった部分を好きなように改行して余白を加えたことと、最後のミキオのセリフだけはどうしても恥ずかしくて変えたという経緯はありますが、話は当時のままです。
高校生だった私も、今は二児の母になって、
小説を書くほどのパワー(と時間(笑))が無いこともあり、物語は書いていないけれど、きっとまた時期が来たら。
どんなことがあっても、私は文字とともにあるのだと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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