伝書鳩になるな。デキるディレクター・デキないディレクターの違い
「仕事ができるディレクターってどんな人?」
最近、私が周りのライターさんに聞き回っているのがこの話題。
「ディレクター」とひとことで言っても、いろんな業務があり、正直に言うと”デキる人”と“デキない人”がきっぱり分かれる。
今日は、私が周りのデキる人たち、そして現役ライターさんの愚痴フィードバックから学んだ、ディレクターに大切なことを綴っていく。
“デキる”ディレクターに共通すること
いま、お手伝いしている会社さんのPM(プロダクト/プロジェクトマネージャー)さんたちを見てて「PMってすげぇな」と感心することが多い。
この際、PMやディレクターの違いはおいておく。どの仕事でも出てくる「進行管理」や「クライアント↔クリエイター間のコミュニケーション」が共通しているから。
そんな“デキる”人たちは、メンバーの状況を見ながら調整したり、クライアントの要望をそのまま伝えるのではなくてしっかり"板挟み"されてくれたり。
つまり、クライアントから言われたことをただクリエイターに“横流し”するのではなく、間に入って情報を整理してくれるのだ。
具体的にはこんなことをしている👇
クライアントからの修正やフィードバック文言を、わかりやすく&マイルドな言葉に変えてから、クリエイターに伝える
クライアントからの要望をすべて「YES」にしない。できること・できないことを取捨選択して、クライアントに説明してからクリエイターに伝える
情報が分散していたら、整理してからクリエイターに伝える
「やります!」と言いがちなクリエイターのスケジュールや仕事量を把握して、「ここまではやりましょう」「ここまでは先延ばししましょう」とスケジュール調整をする etc.
と、ディレクターが入ることで、直接やりとりするよりもお互いに仕事がやりやすくなる。
正直、情報を伝えるだけのディレクターは三流だとさえ思う。伝えるだけなら「伝書鳩」でもできる。
こんなディレクターと仕事がしたい!
ここから、私が周りの現役ライターさんに聞いた「ディレクターさんのこんなところがすごい!」を書いていく。
毎回、仕事を褒めてくれる
原稿が遅れがちなライターさんに、数日余裕を持ったスケジュールを伝えてくれる
クライアントから大量のフィードバックがきたとき、Zoomで2時間くらいつなげて、一緒に修正してくれた
クライアントの要望をそのままYESと言わず、「できること」「できないこと」を調整してくれる
フィードバックをマイルドにして伝えてくれる
仕事ができるディレクターさんは、進行管理もさることながら「相手が"人"だ」という認識を忘れていない。
良いことは褒める。フィードバックはマイルドに伝える。人によって納期の設定を変える。相手への敬意を忘れないのも大切な心がまえだ。
また、できないことを責めるのではなく「できない"仕組み"を疑う」のも、デキるディレクターに共通すること。
納期が守れないなら納期の設定や伝え方を見直す。仕事が進まなければ作業時間を取る。テキストで伝わらなければオンラインMTGを設定して口頭で伝える――「できないこと」を解決する方法はたくさんあるのだ。
こんなディレクションしてない?NG行動
次は、ライターさんからの「こんなディレクターさんは仕事がしづらかった…」という意見をまとめてみた。
クライアントの記事へのフィードバックを、ライターにそのまま送ってきた(キツいフィードバックや、意図にそぐわない内容も多い)
取材同行するも、まったく質問をしないどころか、した質問は必要ない雑談だった
ライターの予定を考えず、無理なスケジュールを勝手に設定して、押し付けてくる
仕事を投げっぱなし
知らない間に記事が公開されていたし、内容もほとんど書き換えられていた(書き換えるにしても、公開時にひと言ほしい…)
もしかしたら、これを読んでいるあなたもやってしまうこともあるかも?
時に、編集者やディレクターは、自分が「上の立場」「発注者だから偉い」と錯覚してしまう。でも、ライターさんをはじめとした、クリエイターがいなければ仕事は成り立たないことを忘れてはいけない。
「立場に驕るなかれ」ディレクションに関わる人すべてが肝に銘じておきたい。
関わる人が気持ちよく仕事ができるための仕事
「ディレクターとはどんな仕事か?」と聞かれたら、人によって定義はさまざまだと思う。
いろいろな人と一緒に仕事をしてきて、私が思うディレクターの仕事とは進行管理だけではない。
「関わる人が気持ちよく仕事ができるために、コミュニケーションをとり、環境を整える仕事」だと思っている。
もしかしたら、甘いと言われるかもしれないし、私自身もまだまだ至らないこともある。
ただ、私は一緒に仕事をしてくれる人たち――ライターさんをはじめとしたクリエイターさん、そしてクライアントさんが、気持ちよくお仕事ができるように、これからも"ディレクター"という仕事をしていきたい。
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