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蛍光ピンク印刷が難しかった話

5月のコミティアでCMYK+蛍光ピンクの5色刷で初めて本を作りました。

今まで、自分で版の分解といった作業をする必要のある多色刷りなどは避けてきていました。

でも今回百合の本を初めて出すにあたって、(短絡的なのですが)かわいい女の子+がっつりピンクの本を出したい…!という気持ちが強く、この機会にチャレンジしてみることにしました。

※完成品イメージはこんな感じ(イラスト:紫のあ様)

1.入稿データの作成

印刷所はオンデマ印刷でも比較的安価にピンクが使えるSTARBOOKSさんです。

ピンクの版についてはモノクロのレイヤーで入稿しますので、どうにかこうにかしてイラスト部分をくりぬいたレイヤーを作ります。

CMYKのレイヤーはこんな感じ

そしてピンクの版の濃さを決定します。

ですが、どのくらいの濃さにするとどのくらいの蛍光ピンクになるのかがいまいちわかりません。

starbooksさんのHPにある見本はこんな感じ。

デザインのひきだし付録や下記の本に蛍光色の見本があったので、それをじっくり見たりもしつつ、せっかくピンクを追加するならピンクらしさを出したいので、濃さ80%としてみることにします。

ピンクは透けるインクということでしたが、背表紙やタイトル文字等は絶対に見えなくなっては困るので、そこも切り抜いています。

多色刷りデータの作成についてはネットやこの本を参考にしました。

2.紙えらび

次に表紙用紙を選びます。

蛍光色を活かすためにはクリアppは必須だと考えていました。

※starbooksHPより、真ん中がクリア(グロス)PP

ですが、クリアppをかけると、紙の端がくるくる丸まってしまうのが個人的にめちゃくちゃ気になります。

手持ちの同人誌でもめちゃくちゃ丸まってしまうことが多いです。個人的には気になるので、できれば避けたいと考えていました。

このことは、カバーであればクリアppをかけても生じません。ですが今回、ピンクを追加する印刷費が加わることを考えると、カバー付きは予算オーバーです。

紙の端が丸まらないようにする対処法としては、紙を厚めにすることが考えられます。

厚めの紙は多少費用がかかりますが、カバー付きにするほどではありません。
ただし、特に文庫本の表紙は厚いと読みにくいのです。

ここでまためちゃくちゃ悩んだのですが、今回はとにかく蛍光ピンクを活かす!と思いOKスーパーポスト220Kという分厚い紙を使用しました。

3.実際に完成してみると……

こんな感じで、かなりぱっきりとしたピンク色の活きた表紙になりました!

ピンクを活かしたい!という意図にはかなったものになったかと思います。

既刊や他の新刊と並べてみても、かなり目立ちます。

ピンクはスルーインクなので、裏表紙の人物の線画部分は切り抜いていないのですが、いい感じに印刷できました。

反省点としては、表紙が固くてやっぱりどうしても少し読みにくい(すみません……)こと、人物の肌についてはデータをいじるのがこわくてピンクを載せなかったので、やや青白くも見えることなどがあります。

蛍光色の追加は箔押しとはまた違ったできあがりの楽しさがある、ということは学べたので、また予算や〆切の許す範囲で作成してみたいなと思います。

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