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日記:2024年4月12日 晴れ

・なんとなく今朝はのんびりと出た。いつもと比べて余裕のある朝とかではなく、ただの気分の問題だ。どちらかといえば、むしろ極めて微弱に身体が勤労を拒絶する意思を示している、或いはその前触れなのではないかと疑ってすらいる。いや、そもそも労働などオールウェイズやりたくない一択なのでそこは今さら疑うまでもないが、いずれにせよ些細な変調ほど気にするに越したことはない。幸いにも土日に入るので本日はいったん心を無にしておく。

・丸美屋の混ぜ込みわかめ(梅しそ味)が密かにマイブーム。というのも目下、俺の主食たる労働飯(ラオダオファン)のバリエーションには、うどんとおにぎりのセットもあるのだが、その仕込みをチラッと目にした時に業務用の混ぜ込みわかめが垣間見えたことに起因する。特別、言葉を尽くすほど美味い訳でもないのだが、馴染みの味をご家庭でも気軽に……というのでなんか買ってしまう。俺の性質上、労働の記憶と接続されるから本来は忌避すべき行いのはずであるが、まぁ混ぜ込みわかめそのものに罪はないし。わざわざ外で同じもの食うよりも安上がりでよろしい。

・「劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星 (みちしるべ) 」を鑑賞。公開初日から律儀に思われるだろうか。実はこう見えてほとんど毎年のように劇場でコナン映画は嗜んでいるし、メイン・テーマも各種聴き分けることも出来る。もっとも楽しみにしてるというよりは習慣的な、ある種の風物詩みたいなものであるが。

結束バンドの皆も一緒だ

・具体的なネタバレにならない程度に感想を述べておくと……いや、これどう見てもコナン版ゴールデンカムイですよねえええええ!?(女オタク) 五稜郭がテーマの時点で実際覚悟していたが、ここまで来るともはや意識してないというのは到底無理という程に金カムそのままであった。劇中でも律儀に北海道中を廻ってるヤツも居るし。こうなるとあとは皮を剥ぐか否かと、変態の有無の差でしかない。敗軍の将でありながら後世の創作でここまで擦られる土方歳三も、向こうでさぞ苦笑いを浮かべているだろう。

・肝心の作品評価としては、ラストシーンで明かされた衝撃の事実(自分の目で確かめてくれ!)を除けば、今回もまぁ例年のキッド映画を逸脱しない程度に収まるであろう。なまじ昨年の「黒鉄の魚影」が興行成績的に当たりが半ば確約された黒の組織回の中でも、さらに文句なしの大傑作としてスマッシュヒットを決めているから、制作発表の時点で既に相当カラい番付であったが。

灰原が良すぎただけという説

・劇場版ファンの間ではわりと以前から「怪盗キッドがメインで絡む回はあまり振るわない」というジンクスがまことしやかに囁かれている。実際の興行成績までは逐一見ていないので実情までは把握していないが、俺個人の主観的な評価としても「世紀末の魔術師」以外の作品はあまり印象に残っていない、というのが正直なところだ。第一、今でこそ怪盗キッドは「名探偵コナン」の準レギュラーでありながら、本業はあくまでも「まじっく快斗」という別作品の主役であるから、そういう制約の元でどうにも持て余している感が否めない。観る側の姿勢としても、いつまでもコナンとの間で決着は付かず、縦軸の進展も無いままなので、究極的には作品ごと観なくてもいいみたいな扱いに落ち着いてしまっているような気がする。(ほっといても翌年には金ロー行きだし)

・2010年代はなかなか険しい展開が続いていたコナン映画も、爆発的にヒットした「純黒の悪夢」以降はギアがひとつ外れて、より密接に原作とリンクしたり、秘蔵の設定を蔵出ししてでもキャラクターの関係性にスポットライトを当てて滅茶苦茶する機会が増えてきた。特にここ数年は、いまやガンダムと互角かそれ以上にアムロとシャア、黒の組織、服部と和葉のイチャイチャで回してばかりである。この点においてもキッドは不利だ。なにせ黒羽快斗としての側面を掘り下げようにも、コナンサイドに正体を知られる訳にもいかないので立ち回りに自ずと制限が生じるからだ。まぁこれは彼が悪いというよりは、劇場版の設定が本筋にまで影響する造りの方が変なのだが、近ごろは青山先生自身も監修に前のめりなので仕方がない。逆に今作終盤の“切り札”はある意味そうした面に対するキッドへの最大限の配慮なのかもしれない。

・話を戻すと本作のノリは最近で言うと「紺青の拳」によく似ていた。劇場版コナンは毎度キャラクターのフィジカルと爆発の規模にブーストが掛かる事で知られているが、最近はその手のバフもずいぶんと程度が著しく、もはやドラゴンボール辺りとほとんど遜色のないレベルの近接戦闘を繰り広げる。今回ものっけから真剣剥き出しで斬り掛かる西の高校生探偵などはまったく序の口であったとクライマックスが近付くにつれて変な笑いが出てくる程だった。まだしもいつもと比べればさほど火薬の量も多くなく、比較的真面目に推理している方だと思うが、それでも後半に差し掛かると急にメキメキとIQが下がっていくのを感じた。こんなアニメなんか見てたら頭がバカになります!

・あとまぁ今回に限った話でもないが、出てくるやつがみんな金持ちばかりだ。都内在住者があまりにもカジュアルに函館までやって来るため(しかも飛行機ではなくわざわざ北海道新幹線に乗って!)尚更そのように映る。とにかく画面に居る全員がどこか裕福そうな感じであり、プロレタリアートなどはひとつも出てこない。コナンワールドは戦後にも関わらず財閥が解体されていないため、平然と金に物を言わせる真似も可能なのであろう。こうやってアニメの何気ない描写にまで揚げ足を取り始めたらいよいよだが、持たざる者としては現実の対比で微妙に世知辛くなってしまったのでした。


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