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エッセイ:元気のGは始まりのG

 ゴールデンウィークの初日は日本橋のオタロードを物色してました。思えばアニクラ界隈に出没するようになって以来、難波の周辺に顔を出す=イベントだったので、純粋にオタ活目当てで足を踏み入れるのはずいぶんと久しぶりでした。よく通っているはずなのに街並みが変わって見えるというか、まぁ実際にテナントごと変わっていたりもしたのですが。おかげでしばらくぶりに惰性でない、新鮮な気分でオタク街を満喫できたような気がします。

 遊戯王マスターデュエルの影響でこれまた久しぶりに紙をシバく事に意欲が燃えているのでカドショ巡りなどもしてきました。この期にOCGも復帰したいという気持ちは日ごとに強まる一方ですが、周囲にいい歳してカード握ってるオタクが存在しない事や手持ちのカードプールの乏しさから二の足を踏んでいます。まぁ前者は飛び込むだけ飛び込んでコミュニティに属する事で如何様にもなりそうですが、後者はなんとも……再録状況も踏まえた汎用札に最低いくら掛かるかなどの相場も把握できてないので、詳しい方がいればぜひ教えてください。個人的には「エクソシスター」辺りを組むのが狙い目かなと思ってます。

 メシ。グルメ情報的にはオタロード周辺はいわゆる「裏難波」に属するらしいです。最近お気に入りの「饉ト餫」(キントウンと読む)という店。あの辺の地理を知ってる人に分かりやすく言えば、TENGAショップの間隣りにあります。
 この店の良い所といえば、このご時世にも関わらず中華そばを一杯650円で提供している点。関西にしてはやや濃い目ながら、いい意味で価格から想像できるあの頃の「ラーメン」の味で郷愁すら感じさせます。ちょっと価格を盛ると海老ワンタンメン(850)になりますが、こっちはなかなか価格以上のクオリティで好感が持てます。海老を用いた天心っていざ食べてみると、こっちの予想に反して餡が甘めのフェイク野郎に当たる事が多くてその都度ムカついていたんですが、この店のそれは期待通りの塩味で非常に好みの塩梅でした。まぁ食い過ぎた反省と気恥ずかしさから上のツイには写真載せてませんが、お越しの際はお立ち寄りください。どう見てもさらに隣の牛カツの方が繁盛してるけど。関西で有名なうどんの名店「き田たけうどん」がごく近隣にあるのも痛いけど。

 この日の一応の目的がこちら。あまり大っぴらに言っていいのかわかりませんが、長年の知り合いが刊行に携わってメディアに顔を出してまで宣伝していたのに漢気を感じたので思わず手に取ってしまいました。彼がライトノベルに注ぐ情熱たるや目を見張るものがあり、在学中、実際に自分の著作を刊行するまでにこぎ着けたほどの傑物でした。傍から見ていただけですが、そんな彼の長年の想いが報われた成果だと思うと誇らしくもあります。こちら楽しみに拝読させていただきます。
 あとはまぁ流しで色々見たり。途中でたまたまブラックマヨネーズの小杉の外ロケに遭遇するなどしましたが、もともとこの辺は吉本本社のお膝元であることに加えてこの日はそれを凌駕するビッグイベントに直面する事になったので半分、記憶から消えていました。思えばこれが伏線だったのかもしれませんが。

 環境に配慮したエロゲのPOPが大好きだから……。こちらの駿河屋の3階だか4階には『シンデレラガールズ劇場』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のBlu-ray、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の第13話「よみがえる翼」を延々と垂れ流すだけのモニターがあって気に入っていたんですが、暫くぶりに見ると跡形もなく撤去されていて悲しくなりました。日本は貧しくなるばかりだ。

 野外アニクラのアンセムの中にはこういうプレミアの付いた音源がいくつか点在します。特に東の同人曲とかは大変らしい。こうなると大抵は駿河屋からしんばんのショーケース行き。こないだポニテとアフロ(後述)で飲んでる時に30~40万くらいする『スーパードンキーコング2』のサントラ盤をカンパで出し合って界隈で共有するかどうかと与太話を繰り広げていたのを聞いて、DJも大変なんだなと思いました(こなみ)

 夕食はどうしようかと考えつつ、気付けば馴染みの店の方角に足が向いていました。日本橋から歩いて15分くらいで難波~心斎橋界隈に着ける事実に恵まれた文化資本を実感しつつ、エンタメ酒場「ポニテとアフロ」へ。
 心斎橋にあるこのお店は、こないだの「なごうて」でおジャ魔女やリズム天国を流してバズった「でらクラ」の主催である「DJ雑炊」ことそーじゅさん(ポニテ)とかざふさん(アフロ)が経営しているバーです。最近は大阪のアニクラ後は自動的にここで打ち上げるのが個人的なルーティンと化したため、イベの頻度もあいまってすっかり常連となりつつあります。

 そのうち出禁になりそう。この日は特にイベもなかったのでマターリと飲み食いして早めに上がるつもりだったのですが、突然オーナーと思しき人物が店に駆け込んできて……

 同じビルにある隣の店は『ジョジョの奇妙な冒険』をコンセプトにした「Bar SPW財団」といういかにもな名前のバー。そこになんと、第四部『ダイヤモンドは砕けない』と第五部『黄金の風』でいずれも後半クールのオープニングを担当されていたアーティストのハセガワダイスケさんがご来店との報せが。そんな事あるか!? 大方ジョジョラーの店主がスタンド攻撃を受けて見た幻覚だと思いつつ、たまたま隣の店に居合わせただけの自分がご厚意で寄せてもらう事に。結果……、


 マ ジ で い た 。

 店に入ると、緊張のあまり腰を抜かした店主とひと目で本人と分かるオーラを保ったハセガワダイスケさんの御姿が。「僕が誰か分かりますか?」的な問いかけに思わず早口でオタクの模範的態度で返答したことは辛うじて記憶にあります。僕の血中成分の半分が『ジョジョ』で構成されている事は今さら言うまでもない事ですが、『ガンダム Gのレコンギスタ』のエンディング「Gの閃光」も血中濃度の80%をガンダムが締めている僕には更に衝撃的でした。当方、Gレコは全部劇場で観ておりますがゆえに……。

 僕のほかにも二名ほどたまたま店に来た客がいて、その際には本人確認と称してジョジョ5部「黄金の風」のオープニング「裏切り者のレクイエム」の一説を生でお聞かせいただく好機に恵まれるなどしました。具体的な事は話していいのか分からないので伏せますが、レコーディングの裏話や音源に関する小ネタ、富野監督の人柄など貴重な話を色々とお伺いすることが出来ました。
 ちなみに俳優さんとご同席されていましたが、そちらの方はなんと現在放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』にご出演中との事。お名前を出していいのかわからないので伏せておきますが、毎週欠かさず見ているので度肝を抜かれました。彼には肉体美を披露していただきましたが、ジョジョバーだけに初対面の店長と二人で「ヘルメス神の化身だ」と感想が一致しました。

 ご退席の際にはサインや写真撮影にまで快く応じて下さいました。ハセガワダイスケさん、改めてこの場をお借りしてありがとうございました!

 ハセガワダイスケさんがご出演のラジオ、「不適切なワンダーランド」。皆さんも是非聞きましょう。

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