・なごうてのある朝。特に寝坊したとかでもないのに、不思議な力が作用して乗る予定だった電車には間に合わなかった。考えられる可能性としてはふたつ。ディアボロに消し飛ばされたか、俺の体感時間だけロロのギアスで停止させられているかだ。

・今回は新幹線を使う必要を感じなかったのでピンチケ列車。道中、移り変わる景色は通い始めてしばらくの間は新鮮に映ったものの、今となっては流石に慣れがあるので特に面白いものもなく、久しぶりに退屈を味わう羽目になった。強いて言えば、車窓から望む安土や関ヶ原が一段と寂れて見えたことに侘しさを感じた程度か。天下人に縁のある地ならもう少し観光地として盛んでもと思わなくもないが、産業が付け入る隙は微塵も見出せないのでやはり当然の帰結と言える。兵どもが夢の跡。

・昼前には名古屋に着弾。過酷な現場に備えて名駅構内でランチを探す。事前にアニクラ勢からも色々と候補が上がってきて大変有難かったが、今回はその中でも特に駅から近く、名古屋らしさのある「あんかけスパゲティー」なる未知の食べ物を食する事にした。

・なにやら渾然としている。こういうとっ散らかった感じは、なんとなく俺の抱く名古屋のイメージと符号するので好印象だ。具材はなんだかよく分からないものも含まれているが、赤ウインナーというのが良い。いざ食してみると、あんかけが想像よりも真っ当に洋風で、香辛料がほんの少し利いたデミグラス寄りのソースだった。餡自体あまり洋食の技法ではないと思うので先入観を崩されること必至だ。食べてみるまで餡掛けである必然性がまるで理解できなかったが、乳化とはまた別のベクトルでソースが麺と絡むのでアプローチとしてはありだった。

・いざ、なごうてへ。会場はZepp Nagoyaの近くなので駅をひたすら南下していくのだが、流石に三大都市圏に数えられるだけはあって目に入る街並みは完全に都会で、少なくとも京都駅周辺の景観は軽く凌駕していた。こんなビル街に只中に公園があって、そこでアニクラを催すというのだからイベント規模の大きさを改めて感じる。

・着弾。なんかでけぇー。都会にしかないデカいモニターがある！ しかも目の前には愛知大学。よくもまぁこんな所が借りられたものであるな。西寄りのイベでは会う機会が無い東のオタクがいらしてたので、「あけましておめでとうございます」などと今更ながらにご挨拶。ヘタするとこれまた来年に持ち越されるので、たまには西の方へもお越しください。俺もたまには東へ伺います。

・イベントの模様はまた後日。アフターは「暴れ回った後には肉と米！」という事でオタクが薦める店で打ち上げ。100kgオーバーのDJ2人が目を血走らせて語るその店の名は「感動の肉と米」。鉄板で焼いた肉と炊きたてのご飯（無料おかわり自由）が1000円で食べられる爆アドの店である。

・上の写真にある小鉢のキムチと牛肉しぐれはなんと無料で、しかもこちらもおかわりが自由ときている。また画面には写ってないが、他に野沢菜や味噌汁なんかも無料でおかわりし放題である。物価高が叫ばれるこのご時世においては、まさに破格（価格破壊の意）だ。まこと店名に偽りなく「感動の肉と米」である。俺に至っては、感動の度が過ぎて動揺すらしていたが。こんな店が関西にも出来たらな、と心底願ってやまない。

・先日の内容から気を遣われたのか「日記読んでます」と読者の生の声を頂戴した。いつもありがとうございます。あとそれはそれとして、俺のインターネットでの振る舞いがなんだか色んなものに噛み付く狂犬のようにも思われているみたい。恐縮です。開き直る訳ではないが素の性分であり、でなければこうして過去、5chのスレに名指しで叩かれる事もなかっただろう。

・これは別に血に飢えてるとか正義の棒で人を叩きたい訳ではなく、ただ、個人として目の届く範囲で行われる不義理や不誠実といったものを黙殺できないという父祖伝来の性格的な話である。黙殺するということは容認するのと同じ事だと思うから。これは特段インターネットに限らず、日頃からそんな感じでやらせてもろてます。きっとそういうのを見かけると誰彼構わず噛み付かずにはいられない辺りを指して、ずっとキレてると思われるのだろうな。誰に肯定されずとも俺は自己の良心に基づき、常に発狂しています。

・帰りは「でらクラ」のレギュラーである寝落ちくんが地元まで送ってくれると言うので、他のオタクと相乗りでご厚意に甘えた。低音が殊更に強調された車内音響では、終始「蓮ノ空」の楽曲が鳴り続けており、絶叫に次ぐ絶叫でオンリーアニクラの様相を呈していた。他のアニクラ勢の車に乗せてもらう時も、最近は何も言わなければ車内BGMは「蓮ノ空」縛りになるので相当なものである。実のところ俺も5月の神戸は申し込んだのだが、あえなく撃沈。中にはCD40枚とか買って全滅した人間もいるらしいのでかなりの倍率が予想される。この際Day2だけでいいからなんとか……。

・途中、鈴鹿のパーキングエリアで休憩。車に乗らないと夜行以外で降りる機会がないので新鮮だった。手洗いに向かったのだが、洗面所を見るとなんか鮮血にまみれており、床にも点々と血痕が残されていたので不意に物々しい雰囲気に騒然としてしまった。なんだったんだあれは。

・引き続き蓮ノ空カーに発狂して気付いたら地元に着いていた。地元にオタクが居るのってなんだか不思議な感じである。しかし毎度こうして乗せてもらえる事もそうだが、そのように誘ってくれる人が自分にも出来たのだという事実が何にも増して嬉しく思う。誘ってくれた寝落ちくんにおみつさん、今回は本当にありがとうございました！