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東京オリンピック後の日経平均はどうなるか・・・一考察(改訂版)


 (注記)
INDEX後半部分4,5,6については、2018.12月に一部改訂をいたしました。「おわりに」を付け加えました。1,2,3は当時の予想なので手を加えないようにしてあります。何卒ご了承ください。


 東京オリンピックまで、あと2年・・・。
 日経平均は、2012年12月の安倍政権誕生以来のアベノミクス相場で、長い上昇相場に入りました。オリンピック関連の建設、インバウンド関連も長期間に渡って上昇してきました。
 そして、今年2018年の1月高値を更新した後、2月初めに日経平均は急落。
 急落の原因は色々と説はありますが、ここでは触れないでおきます。
 その後はアメリカ・トランプ大統領の発言やFRBの利上げ方針、保護主義色を強めつつある米中貿易戦争、アメリカと北朝鮮の動向・・・などによって、日経平均は大きな下落とリバウンドを繰り返しながら動いています。

 日本経済は、日経平均の動きを見ることで、先々の動きが見えてきます。市場の相場は、未来を先取りした動きを常に行うからです。
 私は、日経平均や市場相場の動きに注視することで、未来の日本経済がどうなってゆくか、未来予測をしていきたいと思っています。いち個人の考えでしかありませんが、一つの一考察として捉えていただければ幸いです。

話のポイント
1 結論
2 2013年当時の自分の予想
3 今後の日経平均について
4 今後の日本経済の2つのリスク
5 私が考える解決策
6 「創る力」の重要性と経済成長性
おわりに

 1. 結論
 結論から申し上げると、正直、半年先、1年先の日経平均が、現在より上がっているのか、下がっているのか、方向性を掴みかねています。

 2. 2013年当時の自分の予想
 2013年ごろ当時、個人的に予想していたのは、おそらく東京オリンピックの1~2年くらい前に、日経平均は高値を更新するだろうと考えていました。
 したがって、2018年1月の日経平均高値は、ある程度想定内でしたが、その後どうなってゆくのか、おそらく日経平均は下がるのだろうけども、どこまで下がるのか、2013年当時は見えそうで、よく見えないと思っていました。そして、その東京オリンピック前に日経平均が下がる理由は、オリンピック後の不況を先取りしての動きで下がるのだろう、と予想して考えていました。

3. 今後の日経平均について
 さて、2018年2月以降は、大きな急落とリバウンドを繰り返していますが、今後日経平均はどうなってゆくのでしょうか。

 現在から2020年までの動きについての中期的視点では、正直、まだ日経平均が強く上向く、という実感ができていません。
が、確かに近年の機械や半導体関連産業などは強く伸びてきていましたね。
 成長鈍化が危惧されていますが、半導体はスーパーサイクルに入った、ともいわれる説もありますよね。
 また、日本経済の要でもある製造業の、機械受注の民需(船舶・電力を除く)は、5年スパンで見ると緩やかな上向きになっていて(下記参考:内閣府サイトの参考図表 第2図 )、民間設備投資は概ね上向きで推移しているのかな、と考えると、日本の製造業は緩やかな上向き傾向は続いていきそうだ、ともいえそうです。

 また、内需関連のインバウンド産業も近年伸びています。米中の貿易戦争激化で中国経済の減速懸念による需要低下などは心配材料ですが、中国のみならず様々な国の方々が日本に訪れている中、インバウンド需要の成長は東京オリンピックまで続く、もしくはそれ以降も続いていける可能性があるとされています。

4. 今後の日本経済の2つのリスク
 一方で不安材料であるのは、一つは、日本の財政問題のリスク。
 二つ目は、超高齢化&少子化社会の中での経済成長性への懐疑リスク。

 色々な考え方があると思いますが、今回は、一つ目の「日本の財政問題のリスク」については、述べると長くなるので省略いたします。
 ただ、この問題は2020年を境に外国人投資家からの厳しい視線が、次第に表面化するのではないかと思っています。今日本はリスクに目をつぶって国債を増発している状態。いつまでも、この状態が許される環境かは、外国人投資家の視線、にかかっているのではないか、と考えています。

 二つ目の「超高齢化&少子化社会の中での経済成長性への懐疑リスク」については、このまま従来通りのやり方で何も対策を取らずに、また都市と地方の格差拡大や所得格差の拡大が増幅した場合、起こりうる必然の問題だと思っています。ここは外国人投資家も、厳しい目で、見ているのではないでしょうか。

5. 私が考える解決策
 日本の経済成長力は、今後もあまり高くならない。必死にがんばって維持・少し上昇できる程度かと思います。そのような成熟・高齢社会がどう今後成長してゆけるのか、世界が注目している訳ですが。
 今の日本が従来の古い権益構造を捨てて、新しい枠組みをつくる、という意気込みが政治・経済ともに活発化していれば、話は別かもしれません。
 けれど、従来の構造にしがみついて、このまま変わらなくていい、今のままでいい、と思う人々が多ければ、またそういった人々が現在の権力を多く握っているとしたら、成長と変化は期待しづらいかもしれません。
 成長と変化の波は、一部の大都市圏だけではなくて、地方にも興さないと、変わっていけないかもしれませんね。地方は安定を好みますので、そこをどうやって変えていくべきかは、多くの人々との議論が必要なことと思います。
 
 ただ、今後の日本経済が、少しでも成長して変化していくためには、何がキーワードになるのかを皆が認識しておくことは、必要だと思います。
 何が今後、日本経済が成長・変化するためのキーワードになるのか、それは、シンプルに、「新しい時代の技術・生活スタイルへの適応」だと考えています。

 AI、IoT、ロボットを使った新しい産業社会スタイルの確立で、超高齢化&少子化社会を乗り切り、経済を成長させていく、という強い意志を皆が持つことができれば、新しい社会の確立も進み、世界から見ても日本は超高齢化少子化社会の中の稀有な成長国モデルになる可能性はあると思います。
 大都市圏も地方経済圏も、皆が認識することが、必要です。

6. 「創る力」の重要性と経済成長性
 働き方改革が昨今流行っていますが、私は、コスト削減や効率化のみの改革では、人の心や精神が疲弊するのではないかと危惧しています。
 働き方改革は、確かに、効率化・削減することで、労働時間を減らし週休の休みを多くするといったようなインセンティブは、ある一面においては大きな効果を発揮すると思います。
 けれども、長い目で見た場合、企業も個人も真の成長力・向上力を身に着けていくには、効率化・削減のみでは成長できないと考えます。
 そこでポイントになるのが「創る力」。
 これが重要になってくるのでないかと考えます。
 
 真の働き方改革とは、効率化と削減だけを目的としたものではなく、人々がやりがいや満足を実感でき、なおかつ企業も個人も成長できるビジネスモデルでなければならないと思っています。
 だからこそ、働き方改革をはじめとした「新しい労働スタイルへの適応や確立」とともに、人間本来が持つ「クリエイティブな能力を伸ばしていくこと」が、企業と個人が成長するのに必要なのではないかと考えます。

 新たな成長力の源泉は、コスト削減や効率化を進めた上での「創造性」つまり「クリエイティブ性」を加えるビジネスモデルにすること。
 やりがいや生き甲斐、人間が本来持っている能力を伸ばすこと、を指針に加えていくとよいと思います。

 その「創造性」つまり「クリエイティブ性」をどうやって育てていくか。
 それを企業内で養成するのか、社会生活の中で培っていくのか、はたまた家庭生活の中で培っていくのか、人それぞれに「創る力」を養成する「場」は異なってくると思います。
 「創造性を育てる"場"」は人それぞれに違っても良いのだと思います。
 それは、大都市圏であろうが、地方経済圏であろうが、課題は同じ。
 従来方式を壊すという視点で見るのではなく、効率化と削減が目的なのでもなく、よりよいやり方に改善していくんだ、それによって生まれた時間を、より新しいものを創るのに、考える時間、試す時間に変えていければいいんだ、という考えでまず「創る力」を養成する取り組みを始めてもよいかもしれません。
 この「創る力」が、人間の本来持つ能力を伸ばすことになっていければ、より皆が生き生きと仕事に、育児に、生活に邁進できるかもしれません。

 このような新しい時代に適応した、コスト削減&効率化のみならず、
「創る力」を全体で養成していくような経済社会になったとき、日本の経済成長性は徐々に高まってくると考えています。

 そうすれば、おのずと東京オリンピック後の日経平均も、日本の新たな経済成長性が世界からも見直されて、2030年に向けて、新たな成長と上昇を遂げてゆけるのではないかと考えています。

おわりに
 今回のトピックスは、あくまでも楽観的・希望的シナリオです。悲観的に見た場合は、その逆をいくことになります。現在はマイナス金利、低金利の中で国債増発による経済支えが顕著です。そこに頼る経済のままでは、2020年以降、日本は深刻な財務問題が表面化されて、急激なインフレが起きるかもしれませんし、財政破綻という言葉がイタリアのように飛び交うことになるのかもしれませんし、今は保っている状態でも、それに甘んじたままで何も変わろうとしないでいると、痛い目に遭うかもしれませんよね。

 ここに挙げた話は、このような楽観・希望シナリオにいってほしい、というわずかな願いも入っております。
 実際の可能性としては、厳しい方向に向かいそうなことも念頭に置きつつ、少しでも明るい材料を見つけ出して、そこから良い方向に持っていけるような気概が必要だと思います。


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