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時間と心の整理の年表

私が病気になった日は、今同じ病気になった人のはじまりになる。
私が同じ病の人の文章をよんで共鳴したように。
1人の経過は大きな情報となる。

自分の過去を振り返ることで、少しでもヒントになればと症状や行動、内服薬を記載した病気年表をつくった。(手書き…見えにくかった…デジタルな人になりたい…)

手書きバージョン

私の病気は、多彩な症状が徐々に出現したり重なったりしていく。一喜一憂し、迷い、悩みながら病気と共に過ごす。横になる時間だらけで毎日は過ぎさるけど、動ける時間に、限りある時間に何が今できるか考えて、動くことで不安を拭うように、ただただまずはやってみた。

生きているだけでは辛くなり欲深い私は
楽しそうなことを楽しいに変えるようにも積極的に動いていた。

フリーの看護師で何かできないかと試みようともした。
でも、そんな状況ではなかった…
体だけでなく、脳も機能しない…
何かはじめること、新しいことを学ぶこと、自分のやりたいことのために人を巻き込む能力も体力も気力もない…全然ダメだった…
頭の中の期待していた自分にはなれなかった。

車の運転ができなくなり、
歩くことも長く立つこともできなくなっていった。
できなくなることの方が多くて
心を閉ざし、良くなることに希望をもたず、少しずつ悪くなっていくんだと諦めていた時期もあった。


無理してしまうことで頭によぎる恐怖

やっと眠れたと思ったら夜が明け
朝起きた瞬間から誰かが乗っているような体の重さと頭重感。
目の前も頭のなかも雲った霧の世界がはじまる。まだ目の前が回転してないだけマシな日か…
喉の違和感と胃もたれのような気持ち悪さを感じる。脳みそで考えている事がうまく繋がらず、思うように体は動かせず、頭にうかぶ言葉も口から発せられない。
そんな自分に苛立ちと悲しさを感じながら、頑張って起き上がるも、壁に手を添えたくなるような眩暈に襲われる。

ツライツライモウイヤダ 

何度呟いたことだろう。

壁にもたれ掛かりながら、無理矢理パンとコーヒーを胃につめ、薬をのみ、いつのまにか倦怠感に耐えられずにまた眠りに落ちていく


「頑張らないことを頑張る」
その目標をかかげたのも、そんな毎日に戻ることの恐怖がすぐそばにあったから。頑張ってしまう自分への戒めだけでなく、動けないことも恐かったが、動くことでも恐怖となっていた。

年表を作ろうと思ったのも、以前にも書いた芸術家の奈良さんが過去にヒントがあるという言葉が残っていたからだと思うhttps://note.com/emar/n/nab8871cc8ac1?sub_rt=share_pw

最近頭に残る言葉が、過去、逆再生、振り返りといった時間にまつわるものだった。最近、この6年間はとても濃いはずなのに記憶が前後したり抜けていることにも気がついた。


手術後ライブにいくことをまずは目標にしていた。だけど音楽を楽しむのではなくて、自分がその場所に行けたことへの喜びの方が大きかった。
それはライブだけじゃなく、この6年間で行けた場所も同じで、行けた、過ごせた、前と同じようにできている。
どう過ごすかはオマケのようなラッキーで(それがとても多きものになったけど)、行けたことだけが喜びだった。
だからか、記憶が薄いのだと思えた。

最近は、行くだけではないそれ以上の価値や意味を欲しい自分がうまれている。
誰かの役に立ちたいとも。
その思いからこの年表つくったが、振り返ることで自分の時間と心の整理のための年表になれた。

震災で、自分は弱者なんだと言う自覚を強く感じながらも、その状況でも自分にできることはあるのではないかと考える自分を知った。
新しく働かせてもらえている場所で、看護師として経験してきた技術を活かすことができた。
障害者となった今でもできることはあるのではないか。そう思えた。
あの日に返る恐怖心は拭いきれないけれど、それぞれができることをやり生かしながら、凹凸を埋め合うような世の中ができるのではないかと少しずつ本気で思っている

過去を振り返り一番の気づきは、動いていない止まっている時間と感じていた6年間でも、これじゃダメだと何度も何度も切り替え、止まっては動き止まっては動いて楽しもうと前にすすむ自分だった。
そして、一番辛い日々から少しだけど回復した自分がみえた。

スッキリと起きれる日があること
美味しいコーヒーとパンで朝を向かえること
友人と楽しく話すこと
音楽を楽しめること
蝋燭の火が綺麗だと思うこと
植物を愛でること
週に5時間働くことができること
好きなものに囲まれて過ごすこと

これからの数年後の未来を考えると、何もみえないけれど、日常の小さな小さな回復と幸せをちゃんと感じる自分でいようと思う

変わらずに好奇心を持ち
わからない未来を楽しみながら
今できることを一生懸命やっていく。
日々の小さな幸せを感じながら
心に残る、記憶に残る
思い出を紡いでいけるように。

日々邁進。

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