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自我が降参した時にだけ現れる「天国」がある。

パンデミックが世界を震撼させ始めてから1年が経つ。

パンデミックによって、私の小さな人生の”普通だった(計画可能、予測可能な)”毎日も震撼した。

フランス留学中の娘が、昨年7月に通っていた学校をなんとか卒業するも、昨年秋のフランス国内の第二波で一時帰国せざるを得なくなった。

輸入会社を営む息子は、昨年春に東京に拠点を移す予定だったが、止めた。

ということで、20代後半になった息子と20代半ばになった娘(つまりいい歳になった子供たち)が家に戻り、能登の片田舎で一緒に暮らすことになった。

夫と私と子供たちと家族4人で暮らすのは上の息子が大学進学のため家を出て以来10年ぶり。

成人した子供たちと一緒に暮らすのは、実に楽しい。外出に制限があるからそれぞれがそれぞれの未来に向かってじっくりと準備をし、一緒に遊び、学んでいる。私も夫も子供たちから学んでいる。子供たちも私たちから学んでいる。

若い感性、若い情報、若い知識、若い知恵の”風”が、家の中に爽やかにふいている。

このパンデミックが収束したら、子供たちは、家を出ていくだろう。

私たちに多くの不自由と制限をもたらし、健康と経済を震撼させているパンデミックだけれど、そのおかげで、私はお金では得られない大切な時間をいただいている。

「震撼」は悪い意味で使われることが多い。しかし、「それまでの普通の人生が震え動く」ことで思いもかけなかった「天国」が出現することもある。

自我が降参した時にだけ現れる「天国」。

きっと、みんなにも現れているに違いない。

※写真は、南仏の「幸福の蒸溜所 ブルーダルジャン社」の石鹸、「レーブブルー(青い夢)」。





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