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長雨の影響で、野菜がダメになっていく

「今年は、野菜は全然ダメ。全然、実が生らんのやさ。」

と、ご近所のおばさんが淋しそうな表情で言った。

このおばさんは、自宅の裏に自家菜園用の大きな畑を持っていて、おばさんの旦那さん(以下、おじさん)が、毎日手入れをしている。

おばさんの話によると、先日、春先に植えたジャガイモを掘ってみたら、土の中で芋は腐っていたそうだ。

その他、キュウリも、いつもならこの時期は、際限なく大量に生り続けるのに、今年はあまり生らなくて数が少ないらしい。また、トマトも全然大きくならないとのこと。他の野菜もさっぱりなんだとか…。

すべては、この長雨のせいだ。

雨が長期にわたって降り続いているため、土壌も飽和状態で、雨の水が土に吸収されず、畝に雨水がたまっているらしい。

だから、地中で育つ根菜は、(さっきのジャガイモの話じゃないけど)腐ってダメになる。

「今年は芋はダメやよ。農家の人たちも『今年は芋が採れない』と言ってたのを聞いた。もしかしたら、芋類は店頭から消えるかもしれんなぁ…。」

おばさんは心配そうな表情で私に話した。

おばさんの話を聞きながら、

プロの農家さんが「今年はダメや」と言うレベルということは、今年の日本の食糧事情は相当ヤバいんじゃないの?

…と、私も心配になった。

例年と比べたら、大幅に収穫量が減った今年の家庭菜園。

今はまだ、こうして食べられる量は生っているし、私もお裾分けで「おこぼれ」をいただいているけど、確かにいつもと比べたら、いただく量も非常に少ない。その上、味も例年より落ちている。

「頑張って苗を植えて、ずっと大事に育ててきたのに、それなのにダメになっていくのって、本当に悲しいことやさ。淋しいさ…。」

おばさんはため息をついた。

私は、おじさんが畑の仕事を一生懸命にしている姿をずっと見ているので、芋がダメだと分かった時のおじさんのことを思った。

きっとショックだったろうな…。

悲しそうなおじさんの顔が浮かんだ。

◇◇◇

家庭菜園のおじさんだけでなく、農業で生計を立てている農家の方たちにとっても、今年の長梅雨は大打撃だと感じている。

今はまだ変化を感じないかもしれないけど、これからジワジワと影響が出てくるかもしれない。

この雨、そして豪雨災害。農家の人たちも大変な中で、一生懸命に農作物を作り、頑張って収穫している。

だから、都会に住む皆さんには、スーパーに並んでいる農作物を見て「値段が高すぎる」「形が悪い」「見た目が良くない」「小さすぎる」などと文句を言って避けないで、おいしいうちにどんどん買って食べてほしい…と思う。

買って食べることでできる支援。

できるところから取り組んで、みんなで乗り越えなくっちゃ。

◇◇◇

おばさんと立ち話をしている間に、また雨が降り始める。

雨がやんで曇り空になった瞬間を狙って散歩に出たのに、ポツリポツリと降り出した。そのうちにザーザー降りに。道端の草花が雨でまた萎れていく。

持っていた傘を慌ててさして、私たちは分かれた。

なかなか明けない梅雨。

今日も雨。

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