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雨とコーヒー

ゲリラ豪雨がきたー!

すごい土砂降り。

買い物に行こうと思ったけど、雨の勢いがあまりに激しかったので、怖じ気づいて止めてしまった。

代わりにお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。

ちょっと大きめのカップにコーヒーを注ぎ、パソコンをいじりながらぐいっと飲む。

本当は、買い物ついでにカフェに寄って、あそこのコーヒーを飲みたかったんだよなぁ・・・。

でも、この豪雨の中を出かけていく勇気は無い。

自分で入れたコーヒーで、今回は満足しよう。

水曜日に梅雨入り宣言があり、木曜日に入梅を迎え、そして金曜日の今日はゲリラ豪雨。

順当に梅雨は進んでいる。

◇◇◇

こういう雨の時には、片岡義男の短編小説を思い出す。

なんてタイトルの小説だったか忘れたけど、美男と美女が出てくるストーリー。豪雨の中を走る車の描写が非常に的確で美しかった。80年代のあの独特の空気感。学生時代、講義の合間に夢中で読んでいた。背表紙が赤の角川文庫。当時は、村上春樹を読んでいる子が多かったけど、私は片岡義男派だった。あと、宮本輝も好きだったなぁ・・・。


雨が降る日は、昔のことがふと甦ってくる。

雨の匂いが、記憶を呼び起こすのだろうか・・・。

◇◇◇

こうしているうちに、雨音がしなくなった。

車がはねる道路の水音だけが、辺りに響いている。

ゲリラ雨雲は、どこかに行ってしまったようだ。


コーヒーを飲み干す。

さぁ、雨が止んだから、買い物に行ってこよう。

あの小説に出てくるような素敵なクーペではないけど、私の愛車(軽)でちょっとそこまで・・・。

蒸し暑い空気が、身体に絡みつく。

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