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猛暑のなか、京都へ①

今回、三泊四日の予定で京都を旅した。
息子が京都の大学生だった頃は、息子に会いに行く名目(言い訳?)で、よく京都を訪れたのだけど、その後は全く行っていなくて、本当に久しぶりの京都旅である。
高山から京都・大阪へ向かう直行の高速バスがあるので、今回はそれを利用した。
朝一番のバスに乗るため、朝ごはんはバスに乗る前の時間を利用して高山駅で簡単に済ませた。
駅の売店で買ったこのトマトジュース、すごく美味しかった。

高速バスは朝7時に出発し、4時間かけて無事に京都駅に到着した。
京都駅の八条口にあるバス停で降車。そのまま京都駅八条口にある荷物デリバリーサービスに立ち寄り、キャリーバッグを預ける。1つにつき宅配費1000円がかかるけど、ホテルに荷物を確実に届けてくれるので、ものすごくありがたい。これは京都ならではのサービスで、観光客にはとても便利。この逆パターンで、ホテルから京都駅のデリバリーサービスに届けてくれるものもあり、私はよく利用している。
さて、こうして荷物を預けたあと、私は近鉄の乗り場に向かった。まずは東寺に向かうことにした。近鉄京都駅から東寺駅まで一駅ですぐ到着だけど、この日の外気温は38℃。とても寺まで徒歩でいく元気も自信もなかった。
電車が発車して数分程で東寺駅に到着。そこから200メートルほどの距離を歩く。でも、駅の外に出た瞬間、ものすごく暑くてビックリした。照りつける太陽の熱を全身に浴び、信号が赤になって立ち止まっても、日陰がないので、ずっと強い日差しのなかにいた。
少しの距離なのに、もうふらふらだ。背負っているバッグのせいで背中は汗でグチョグチョ。バッグの金具部分は、太陽熱でジリジリと熱せられて、触ると火傷をしそうなほどカンカンに熱くなっていた。不安になってバックのなかを確認してみたところ、バッグ内の空気はヒンヤリしていたので、荷物はなんとか大丈夫そう。それにしても、なんという暑さだ。
首にタオルを巻き、ハンカチで汗を拭きながら東寺に向かった。

五重塔が見えてきたけど足場が組んであり、どうも工事中のよう。昨年の台風で屋根が破損し、その他にも修繕が必要な箇所が見つかったらしく、それで工事をしているらしい。この五重塔の工事は60年ぶりとのこと。
やっとこさ、東寺に到着。

暑すぎて人もまばら。
でも、人が少ないのでゆっくり参拝できた。

この木の立ち方が、それぞれに自由でのびのびしていて、とても素敵だと思う。

入場料を払って境内へ。
講堂では立体曼荼羅の仏様方と久しぶりに対面した。
今から6年前、息子の大学の受験の付き添いで、京都を訪れたとき、京都駅に近いこの東寺を参拝した。このとき、立体曼荼羅の仏様方と初めて御逢いしたのだった。宿泊するホテルに近かったことと、その他に観光と合格祈願、それだけの理由で訪れただけなので、それほど深い意味はなく、ふと寄ってみただけの参拝であった。
ところが、この立体曼荼羅の仏様の前に立ったとき、あまりの迫力に息を飲んだ。そして、このとき、ふと「うちの息子は京都でお世話になることになる…」と感じた。
仏様が息子を迎え入れてくださっているような、そんな感じがしたのだ。
息子は肢体不自由なため、たとえ入学できてもちゃんと独り暮らしができるかどうか…とても心配だった。ある意味、親としてそれなりの覚悟をもっての受験だった。
ところが、この東寺参拝のとき、私の親心を察してくださったのか、東寺の立体曼荼羅の仏様たちが
「京都中の仏でこの子を守るから、安心して任せなさい。」と、私の心に向かって仰られたのを感じた。
確かに京都は至るところにお寺や祠があり、仏様だらけの町だ。京都中の仏様が見守ってくださるのなら、これ程ありがたいことはない…。
息子は受験に合格して、この京都で暮らすことになる…そう確信した。今思い出しても不思議な出来事だった。
その後、予想通りに合格通知をいただき、無事に大学に入学。独り暮らしの準備をして、すべてを仏様にお任せして、京都へ息子を送り出した。
こうして息子は仏様に守られて、楽しく充実した四年間を過ごした。
息子が卒業して地元に帰ったあと、私はなかなか京都を訪れる機会がなく、仏様に御礼を言いそびれていたけど、今回、ようやく願いが叶い、京都を旅することができた。
そして、東寺を参拝し、立体曼荼羅の仏様に心から感謝を申し上げたのだった。
「本当にありがとうございました。」
仏様方は慈愛の心で私を見つめ、そっと微笑んでくださったように感じた。

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