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7歳くらいの女の子が、電車に乗るなりお母さんのみぞおちに顔をうずめて、じっと立っています。
弟らしき男の子がぶらぶらとそのへんを歩いていたけれど、お母さんは無言のまま女の子の腕を支えています。

たったそれだけのことがとても印象的でした。

女の子のうつむいた首の後ろとか、ながぐつをはいて静かに踏ん張る足とかの線が、「絵」になる要素を備えているなと思ったのでした。

様々な絵画表現があるなかで、わたしは線の美しい作家によく惹かれます。
魅力的な線の抑揚は時として文字情報以上に雄弁に語り、鑑賞者を惹き付けるものだと思います。
外と内とを隔てる境界を、どのように定義するかが作家の腕の見せ所という気もするのです。

電車の中の親子に何があったのかはわからないけれど、彼女たちの線を的確に引けるようになりたい、いつかそうしてみたいとわたしは思います。
それが自分なりに描くことを追及する行為なのではないか、とふと考えたのでした。

おかげさまでグループ展示は先週日曜日で終了しました。
たくさんの方にご協力、応援いただき感謝申し上げます。
やや疲れてブログの更新は一週お休み。
今週からは、通常運転再開の見込みでございます。

画材費、展示運営費、また様々な企画に役立てられたらと思っています。ご協力いただける方、ぜひサポートをお願いいたします。