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オム・ジョンファのドラマから

オム・ジョンファという50代の韓国人女優がいる。


90年代の彼女は人気歌手だった。
当時は新曲が出る度ダンスや衣装が話題になった。
明るいセクシーさと東洋人離れした顔立ちで
韓国のマドンナと呼ばれた。


https://www.youtube.com/watch?v=jx8eJYWxRw0&t=30s&ab_channel=MBCkpop


テクノミュージックにのって歌って踊る彼女は
近未来の美しいアンドロイドのようだった。


女優として出演した2001年の映画「情愛」では、
エロチックなシーンが大きな話題になった。


この映画の邦題は「情愛」と、随分大人しいけど
韓国語の原題は「結婚なんてキチ〇イ沙汰」だった。
21世紀の初頭まだ「誰もが結婚する時代」の韓国では
センセーショナルな映画だった。時代を先駆けた作品。



2012年の主演映画「ダンシングクイーン」も話題になった。
主人公の夫はソウル市長候補の人権派弁護士。
彼女はダンス歌手として生きたい妻の役。
役名までそのまんま「オム・ジョンファ」

かつて「新村のマドンナ」と呼ばれた
アジュンマ(オバサン)が40代からダンス歌手に!
それありなの?な話。
誰かの妻や母であっても、
自分の夢を追ってもいいの先駆け。



ダンシングクイーンも10年前の作品。
この10年韓国人の意識の変化はものすごいものがあったと思う。
結婚は「必須」ではなく、
既に個人の「選択」に移行してると思える。
いまや親戚の30代の甥っ子姪っ子は、ほぼ未婚。
その現状についていけないのは年配の男性達。


そのオム・ジョンファが
この2023年春に主演した医療系家族ドラマが
「ドクター チャ・ジョンスク」

以下あらすじ説明。

ヒロインのオムジョンファは、
医師である夫を支えて献身的に家を支えてきた良妻賢母。
夫との出会いは医大で、自分もかつては医者志望だった。


尊大な夫は実は外に彼女と隠し子がいるというクズっぷり。
同居の姑は贅沢好きの怠け者、
自分にばかり都合がいいのは夫と同じ。



しかし肝臓病で生死の瀬戸際に立ったヒロインは、
元気になったら本当にやりたい事をやる!と決心し
手術の成功後、もう一度医師を目指す。



それを快く思わない夫がやたら妨害してくる。
勤務先の上司には、なんと夫の不倫相手がいる。
前途多難、医師生活スタート後も波瀾万丈。



ヒロインは持ち前の明るさと優しさで困難を乗り越えていく。
2023年上半期に全16話で終了した。
上の記事によるとオム・ジョンファの女優としての
印象と評価は、このドラマで更にアップしたらしい。



以下ネタバレあり(結末まで書いてます)
終盤の見どころはオム・ジョンファの恋。
(そして再び悪化した健康)
改心した夫をとるのか、
求婚してくる独身のイケメン医師をとるかだった。
結局、彼女はどちらの手もとらなかった。
(ヒロインの体調は無事回復)



夫が病院長を務める大病院を辞め個人医院を開設した。
患者の食生活や生活習慣にまで目が届く小規模な病院に
カフェを併設運営し、屋上の菜園では無農薬野菜を育てる。
その姿を見せてドラマは終わった。



ところがこのラスト意外に不評だったらしい。
「すっきりしない」「なんでああなるの?」と
否定的な意見が多かったらしい。
ヒロインの「医者として生きる」夢は叶っているのに、
利己的な夫は既に頭を下げて詫びているのに、
不満足な視聴者が多かったよう。



「生きるか死ぬか」を出されるのが
二度目になると深刻さが薄れてくるのは、
リアル社会もドラマも同じかな、シヌシヌ詐欺。
ドラマとしては、話を引っ張りすぎてダレてしまったよう。



とにかく医師オム・ジョンファのラストアンサーは
「とりあえず男はもういいです、今の所
仕事あるし家族大切にできればそれで良し」だった。




かつて「シンデレラ」は女の夢だったかもしれないけど、
一度結婚した50女は、結婚が幸せとは限らない事を
身をもって知っている。同じ轍を踏まないだろう。




求婚してくる独身医師は実に誠実なイケメンなんだけど、
韓国ドラマにありがちな複雑な出生の秘密を抱えてた。
だから彼は年上のヒロインに惚れた。
(英のチャールズ国王を思い出す)
夫になったら、この人の闇が出てきそう~。




だから個人的には
「彼はやめといて良かったんじゃない」と思った。
もし次のパートナーを探すとしても
元夫かイケメン医師かの二択を焦って選ばなくても
「もっと自然に楽しく生きられるパートナー」を
望んだっていいじゃないかと。



今は出会えてなくても、
そのうち出てくることだってある。
贅沢?無理?でも望むのは自由だと思う。
妄想くらい好きにさせてほしい。




「ありえない!」
「そんなことはおこらない」
という未来もあれば
「ありえる」未来だってあるかもしれない。
「今まで」それは無理だったかもしれないけど
「これから」ならそれは可能かもしれない。


そういう「ありえない」を「ありえる」に
していく姿をみせてくれるドラマってやっぱり楽しい。
あ、オム・ジョンファのドラマはそういうのが多いな。



今、韓国のアラフィフ女優たちが美しい。
年齢を考えるとありえないほど美しい。
「加齢」と「美」は両立しないのが
常識だったかもしれないけど。



オム・ジョンファの他にもキム・ヘスや


キム・ヒエといった実力派の女優達の
主演ドラマが面白い。
こちらもまた書きたいと思います。


ありがとうございました。















































夢が叶った時、私たちは果たして幸せなのだろうか。



















「自分なんかずっと主婦やってたから」
「社会のことなんか分からないし」
「馬鹿にされても仕方ないし」

















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