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嫌だ!嫌だ!嫌だぁーーーー!って叫んでみたら?


私は何者かになりたくて
なりたくてたまらない。


素敵な人になりたくて
人よりも輝きたくて


たくさん経験を積み
色々なことにチャレンジし


全ては何か特別な人になるため…
だから必ず行為から何かを得たい。


何も得られないのであれば
私の成長につながらないから
そんなのやる意味がない。


楽しいだけじゃ意味がない。


成長しなきゃ、向上しなきゃ
もっと高みに登らなきゃ。


自分はこんなもんじゃないから。


そうやって、休むことや
遊ぶことに罪悪感を感じるから
遊んでいても心から楽しめない。


怖い。


お母さんみたいに
何の才能も特技もない
ただの専業主婦になるのが怖い。


怖い。


自分にはコレ!と言ったものがなく
仕事もなく家で食って寝るだけの
私になってしまうことが怖い。


怖い。


特に秀でたものもなく
人と違う私になれないことが怖い。


怖い。


とにかく怖い。


何も成し遂げないで
ただただ日々が過ぎてゆくのが怖い。


何かしなきゃ…
向上しなきゃ…
ためになることしなきゃ…


嫌だ…本当に嫌だ…!
ただの人になるなんて
絶対に嫌だ!


特別すごい人になりたい
何か人前で披露できるような
特別な特技を持ってて


みんなから尊敬されて
賞賛されてすごい!って言われて


特別な存在だと思われて
憧れの目で見られたい!


こんな食って寝るだけの
何者でもない私なんて
つまんない!面白くない!


だから
私は特別な人間になるために
今は何かをしなきゃいけない!


こんなことしてる場合じゃない!


みんなに置いていかれる!
先を越されたくない!


遊んでる暇なんて私にはない!
時間も無駄にしたくない!


すごい人になりたくて
私は向上に繋がらない時間が
怖くて怖くてたまらなくなった。


こんなん時間の無駄…


私はすごい人になるために
無駄なことに時間を割きたく
なかったのだ。





そういえば
毎朝、近所の男の子が
大声で叫びながら学校へ行く。


嫌だーーー!俺は嫌だーー!
俺はすごいんだーーー!
ワァァァァァァーーー!!!!


最初は驚いたが
近所中に響くあの声を
私は密かに心待ちにしている。


あの子のことが
どこか気になるのは



私が言えないことを
あの子は言っているから。


この町で
本当のことを言っているのは
あの子だけかもしれない。


だから
あの子を見ると嬉しくなる。


私も嫌だ!
こんな人生嫌だ!
ニートなんて嫌だ!


普通なんて嫌だ!
ダサいなんて嫌だ!
貧乏なんて嫌だ!


働くなんて嫌だ!
頑張るなんて嫌だ!
とにかく嫌なんだ!


ただの人になりたくない!


嫌だ!嫌だ!嫌だーーーー!


こんな人生嫌だーーーーー!





嫌だ!
と言ってはいけない人生だった。


感じてもいけないと思ってた。


だから、ずっと言わなかった。



いや
その感情にすら気づかなかった。


嫌だーーーーー!
なんていくらでも言えばいい。


それはあなたの本音だから。


どうして嫌なのかな?


話を聞くのはその後だ。


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