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アレハンドロ・ホドロフスキー

2019年の8月から10月の75日間、愛知県であいちトリエンナーレが開催されていました。

『情の時代』という水瓶座的なコンセプト、参加作家を男女同数にそろえるといった取り組みに興味を惹かれたことや、出品作家にアレハンドロ・ホドロフスキーが参加していることを知り、このトリエンナーレに行くことを決めました。

私がトリエンナーレを訪れたのは、人生で2回くらいですが、『トリエンナーレ』とは、国際的に活躍している芸術家たちが参加する現代アートの祭典、といった様子です。

たいてい規模が大きく、開催地と作品群が融合して展開していて、その街を歩き、探索し楽しむことができると同時に、芸術作品をも楽しむことができます。美術館や画廊で作品を鑑賞することとは、また趣も意味合いも違います。

アレハンドロ・ホドロフスキー氏(Alejandoro Jodorowsky) ─は、チリ出身の映画監督、作家として有名です。日本でも彼のカルト的な映画を楽しむことができますし、彼のタロットの本も翻訳・出版されています。

あいちトリエンナーレ2019では、名古屋市美術館の2階展示室に、パスカレハンドロ(映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーと画家パスカル・モンタンドン・ホドロフスキーの共同制作)の作品が展示されていました。

展示室に入ると四方の壁面には、相談者からアレハンドロへの手紙が張り出され、さらに奥の展示室では、パスカルが撮影した映像が大画面のスクリーンでループ再生で上映されていました。

これらの手紙は、アレハンドロが考案し実践してきたセラピー療法『サイコマジック』を受け、彼から処方箋を受けた人々がアレハンドロに送った手紙です。そしてそれは相談者がサイコマジックを受けるための条件でもあります。

サイコマジックとは何か?また処方箋の内容とはどういうものなのか、それは手紙の内容からも伺い知ることができますが、彼の新しい映像作品『ホドロフスキーのサイコマジック / Alejandro JODOROWSKY "Psychomagic : A Healing Art 』を観れば理解が深まるでしょう。

※『ホドロフスキーのサイコマジック / Alejandro JODOROWSKY "Psychomagic : A Healing Art 』は、あいちトリエンナーレで先行上映されていましたが、2020年6月12日から日本では順次公開です。

光の三原色である赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)はそれぞれ異なる色ですが、3色が重なった部分は光の白色になります。

芸術、魔術、心理学もまた、それぞれ異なった領域に分類され、尚且つそれぞれに重なり合う部分があります。

アレハンドロは、彼の生き方とその作品を通し、それを私たちに示しているかのようです。

彼と彼の作品は、創造的な表現は領域に縛られることなどないのだと、嬉々として自由と喜びと解放を、私たちに向かって歌い叫び続けているようにさえ見えます。

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