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418.七夕ホタル

七夕は、息子の誕生日なので、ふと思い立って、昔のブログをたどると、そこには子供たちの姿がイキイキと描かれていて、もっと毎日、ずっと書いておけばよかったと悔やまれる。
 
2010年7月6日のブログには、夜になって、父が大きな笹を持ってきてくれたので、手先が器用な長女(当時8歳)に、七夕飾りを作らせていると、びっくりするようなものを作ったと書かれている。
 
いつもは、折り紙とか切り紙とか工作が大得意の、小学校教師の夫が、娘と作り、息子と私は、短冊を書いて吊るすだけなのだが、この日は夫が不在のため、娘ひとりにやらせたところ、天の川も、貝殻も、スイカも、星も、作ってくれず、飽きてすぐに終了したのだけど、なんとびっくり、オリジナルの「ホタル」登場!

~当時のブログから転載~
 
去年は、折り紙・切り紙・工作が得意な夫が、娘と一緒に創っていたので、かなりゴージャスだった。
今日は帰りが遅いので、手伝ってもらえない。
わたしは、こういうのは大の苦手。息子も同じだから、手を出さない。
 
手先の器用な娘一人にまかせて、別室のパソコンの前に座っていると、小さな足が、廊下をバタバタと走ってきた。
 
「まーち(最近、こんなふうに呼ばれている。おかあさん → ママ → ままちゃん → まーち)、見て見て!」
……
「何それ?」
「ホタル!」
なるほど、よく見れば、おしりが光っている。すごい。
「自分で考えたの?」
「うん!」
 
ホタルなんて、いつ見たのだろう? 
「黒じゃないの?」と聴くと、
「私が観たのは、キミドリだった」と言いはる。
 
七夕かざりにホタルが付いているのは、初めて見たが、なかなか、風情がある。
 
~転載終了~

 
元のデータが手元になく、画像が粗いけれど、折り紙を丸めて胴体と羽を模し、よく見ると、内側に黄色い折り紙を貼って、光源にしているのが、すごいと思う。
しかも、写真に写っているだけで、3体。
すっかり忘れていたので、驚いた。
 
さらに、翌日、2010年7月7日は、藤木直人さんと綾瀬はるかさんのドラマ「ホタルノヒカリ2」がオンエアされた日だと、その日のブログに書かれている。
 
「ホタルノヒカリ」が、放映されていたのは、2007年。

~当時のブログから転載~
 
三年前の夏、何をしていたのか、まったく覚えていない。
でも、毎週、楽しみにドラマをみていた。
どうして、あんなに、ハマってしまったんだろう。
キッカケはなんだったんだろう?
テレビなんて観るヒマもなかったのに。
誰にも興味なんてなかったのに。
 
韓国のドラマにハマったおばさまたちのように、毎回、ドキドキわくわくやきもきしていた。
 
綾瀬はるかちゃんが扮する蛍は、ひたむきで、全力投球で、まっすぐで、かわいくて、素直に応援できたし、藤木直人さんが扮する「ぶちょお」は、かっこよくて、ダメで、もろくて、やんちゃで、とにかくスーツが似合ってた。
 
スーツを着て職場に行くことも、おしゃれして職場に行くことも、ドキドキすることも、片思いすることも、せつなくなることも、約束がまちどおしいことも、嫉妬することも、だれかのことで翻弄されることも、なんにもなくなった、平穏すぎる日々のなかで、蛍とぶちょおを観ているのは、久々に胸キュンな時間だった。
 
寝かしつけにいくのがめんどうだったから、夜の十時なのに、そばには、いつも娘がいた。
せんたくものを一緒にたたませて、夫と息子のいない、女の子だけのリビング。
わたしは、真剣に観ているから、娘の相手なんかしない。
娘も、どうやら、真剣に観ているのだ。
 
(わかってんのかなあ?)
 
「このひと、好き!」
「ぶちょお? えーーーっ このひとがいいの?」
 
(五歳児にも、かっこよさがわかるのか?)
 
「うん!」
「どうして?」
「おもしろいから」
 
(……)
 
「ホタルのヒカリ」は、ビデオのハードディスクに録画して、間違って消されないように「保護」までしているので、娘は、わたしが、あのドラマを好きなことを覚えている。
「ホタルのヒカリ2」が放映されることを、教えてくれたのも、娘だった。
 
「まーち、ホタルのヒカリ、テレビであるって」
「え!!! いつ? いつ、いつ?」
「七月って言ってたよ」
「ほんま? ぜったいに、ぜったいに、ほんま? 今日じゃない?」
「うん、七月って、何回も言ってた」
 
さっそくネットで調べて、七夕にオンエアされることがわかった。
すごい。また、観れるんだ!
絶対に忘れないようにしなければ。
 
わくわく!
そして、7月7日。
録画したものを再生しながら、ふと、思いあたった。
七夕のかざりに、娘がどうして「ホタル」をつくったのか。
 
娘の観た「きみどりのホタル」は、もしかすると、3年前の、このドラマの場面だったのかもしれない。
 
ホタルが、発光しながら、庭先をすべる映像。
その光の尾は、きみどりいろで、オーバルな残像を残す。
夏の夜。ホタルが飛ぶ縁側。毎回のように出てくるシーン。
3年前の夏は楽しかった。
 
そして2010年の夏が始まる。
第1話で、いきなり、プロポーズ。
 
(えーーーっ)
 
このさき、どんな、どんでん返しがあるんだろう。
 
藤木直人さんが、ことさらに好きなわけではなく、「ぶちょお」が好きなのだが、あいかわらず、かっこよかった。
今年の夏も、楽しく過ごせそうだ。
ドラマが終わると秋。ああ、せつない。
 
娘は、ぶちょおのこと、覚えてるかなあ。
わたしは、母とは、友だちみたいには、なれなかった。
娘とは、どうだろう。
なれても、なれなくてもいいけど、でも、今だって、一緒に話していて、7歳の娘のほうが、ずっと、お姉さんみたいだ。
なんでもわかってるみたいな気がする。
 
すてきな恋をして、しあわせになってね。
 
~転載終了~
 
21歳の娘は、今、Hey! Say! JUMPの山田涼介くんが大好き。
リアルな恋愛の話は、聴いたことがない。
 
アイドルに夢中になるなんて、中学・高校のころに通過してほしかったよね、と、夫と話すけど、楽しそうなので、よし。
 
私だって、1979年12月。中学2年のときに、浜田省吾さんの『君が人生の時…』というアルバムをFMで聴いて以来、今も大好き。
 
2010年ごろのブログには、子どもたちのことがけっこう書いてあって、懐かしく読み返している。
ブログは玉手箱のよう。
 
七夕のことを読み返していて、「乞巧奠(きっこうでん)」という行事と、供えられている五色の布や意図を見ていると、突然、針仕事がしたくなる。
 
針に通した糸を布にくぐらせるのは、広い海を泳いで進んでいるように感じるから。


浜田えみな
 
元のブログです。
当時、子どもの名前は、仮名にしていたので、リクトとコツメになっています。
リクトは、2人目が男の子だと思い込み、つけようと思っていた名前です。
コツメというのは、当時、髪の毛も短かった、娘の顔が、コツメカワウソというのに似ていて、すごくかわいかったので。
 
2010年7月6日
娘が七夕飾りにホタルを作ってくれたって、忘れていました!
 


2011年7月7日
息子は1枚の折り紙に、寄せ書きみたいな短冊を書いたようです。


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