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46.本郷綜海さん 満月ライブ「別れと出会い」 ~最悪、愛される~

人は、何をしても、何もしなくても、ただ、存在だけで、抗いがたい力で愛されるということを、綜海さんは、全身全霊で伝えてくださる。

綜海さん風に言えば、

〈最悪、愛される〉

声に出したとき、それが怖かったのだと、とつぜん気がついた。

***

2020年11月30日
満月。

綜海さんの魂のうた。満月ライブ「別れと出会い」が始まる。
この日、大阪は日が沈むと、急速に冷えてきた。
電車を降りて、自宅まで向かう道に、昨日までとはあきらかにちがう、冷たい風が吹きつけるのを感じ、コートのボタンを締め、見上げた空に、満月が、冴え冴えと昇りはじめている。

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残業しない。コンビニにも寄らない。
まっすぐに帰って、指定のURLに接続する。

静止画面に表示された文字が、もうすぐライブが始まることを伝えている。

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「〈満月ライブ「別れと出会い」〉
  本郷綜海ソロライブ
 松崎陽平(Pf) 小澤基良(B) セコ・サンチェス(Per)

開場19:00 開演19:30

開演までしばらくおまちください。」

抑えたヴォリュームで流れる楽曲。
自宅のパソコンの前に座っているのに、開始時間前の、コンサート会場にいるような気持ちが、ふくらんでいく。

始まる前の、そわそわ、わくわく、どきどき。
トイレに何度言っても、心配になるような。
ステージの上に降りた幕の向こうが、気になるような。
影が動くたびに目をこらし、出てくる瞬間を見逃してはいけないと、はりつめていく気持ち。
胸の高鳴り。

開始時刻に近づくほどに、どきどきの振り子が大きくなる。

そんな高揚を、グラウンディングが鎮めてくれた。

エコさんの誘導で、ゆっくり、順番に、ひとつひとつ、じぶんのからだを旅していく。

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オープニングは、『北の宿から』
マスクをされて歌っていらっしゃるようすを見て、今がコロナ禍の渦中だということを思い出す。
素敵な衣装。
手が美しい。

マスクがばずされ、2曲目は『別れの予感』

キャプチャ

「ようこそ、みなさん」

綜海さん、とってもきれい。

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ライブのテーマは『別れと出会い』

「別れてさよならすることによって生まれるものがある」
「自分の内側にある出会いと別れ」

という綜海さんの言葉に、スピプロの講座を重ねる中で、自分の中に生まれつつある〈別れと出会い〉が、交錯する。

覚えていないほど前に、そうと気づかず、手をはなしてしまったものや、さよならを告げたことをはっきり覚えているもの。

魂が本質を生きていない気持ち。
魂が二つに割かれていく気持ち。

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そんなことを思いながら聴く、『別れの予感』 『糸』 『わかれうた』。

本質を生きていない自分は、なにものでもない、不完全な魂。
割かれた魂の片割れの、私はどちら側にいるのだろう。

「早く、人間になりたい」

『妖怪人間ベム』の歌詞を叫ぶ。

(ひとつになりたい)

満月だから、吠えていい。
知っている。願っている。
もう、止められない思い。

生まれ変わりたいのに、足がすくんでいる。
誰のための、誰のルールを、自分にも、そして人にも課しているのだろう。

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吠えて、歌って、踊って、足を踏み鳴らして、

「エンヤトット!」

人は、何をしても、何もしなくても、ただ、存在だけで、抗いがたい力で愛されるということを、綜海さんは、全身全霊で伝えてくださる。

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綜海さん風に言えば、

〈最悪、愛される〉

声に出したとき、それが怖かったのだと、とつぜん気がついた。

〈愛されることが、怖い〉

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『冬の華』を聞きながら、思う。
誰と手をつなぎたいのだろうと。

知っている。
遠い日に手を放してしまったと思っていたもの。
ずっと、ずっと。
そばにいてくれたこと。

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綜海さんの立ち姿。
綜海さんの笑顔。
バンドの人たちのまなざし。

「段取り、壊れてます」と、笑う綜海さん。
すべては最高最善。

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最後の曲は、アカペラで始まる『いのちの歌』

聴くほどに、しみいる場所がちがう。

いっしょに歌ってみる。
今、ひびいている場所。
そこに向かって、駆け下りていく。
どんなに遠くても、迎えに行くと約束をする。

このいのちに、ありがとう。

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綜海さん、ありがとうございます。
30名+290名のオーディエンスとともに。

◇*◇*◇*◇*◇*◇
内なる自分とつながって
〈じぶん温泉かけ流し〉
浜田えみな
スピプロ10期 


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